近年、米国株への投資が注目されていますが、その中でも特に成長性の高い小型株に投資できるETFとして、IWM(iShares Russell 2000 ETF)が人気を集めています。
今回は、IWMの特徴やメリット、リスクなどを詳しく解説し、投資判断のポイントをご紹介します。
IWMの魅力:5つのキーワード🔑
アメリカ中小企業への投資
成長性の高い企業群
分散投資によるリスク軽減
米国経済の成長を捉える
配当金によるインカムゲイン
IWM(iShares Russell 2000 ETF)とは?
IWMの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | iShares Russell 2000 ETF |
銘柄コード | IWM |
運用会社 | iShares |
経費率 | 0.19% |
ベンチマーク | Russell 2000 |
組入銘柄数 | 約2,000 |
配当金利回り | 1.27% (2024年) |
iShares Russell 2000 ETF (IWM)は、ブラックロック傘下のiSharesが運用しており、約2,000銘柄に分散投資することで、アメリカの中小型株市場全体のパフォーマンスを捉えることができます。
銘柄の特徴
アメリカの中小型株に投資:
→ IWMは、Russell 2000指数に連動しており、時価総額の小さい約2,000銘柄に投資することで、アメリカの中小型株市場全体のパフォーマンスを捉えることができます。
分散投資によるリスク軽減:
→ 多くの銘柄に分散投資することで、個別銘柄のリスクを軽減し、安定したリターンを目指します。
成長性の高い企業群:
→ 中小型株は大型株に比べて成長 potentialが高く、大きなリターンが期待できます。
米国経済の成長を捉える:
→ アメリカ経済の成長は、中小型株のパフォーマンスにも反映されるため、米国経済の成長を享受することができます。
配当金によるインカムゲイン:
→ IWMは配当金を分配しており、インカムゲインも期待できます。
ベンチマークの説明
IWMのベンチマークであるRussell 2000は、アメリカのFTSE Russellが算出する小型株インデックスです。アメリカの株式市場全体の時価総額上位3,000銘柄で構成されるRussell 3000のうち、下位2,000銘柄で構成されています。Russell 2000は、アメリカの中小型株市場のパフォーマンスを代表する指標として広く利用されています。
組入銘柄比率
銘柄名 | 比率(%) |
---|---|
INSMED INC | 9.43 |
FTAI AVIATION LTD | 8.81 |
SPROUTS FARMERS MARKET INC | 8.18 |
VAXCYTE INC | 6.92 |
FLUOR CORP | 6.50 |
APPLIED INDUSTRIAL TECHNOLOGIES IN | 6.29 |
FABRINET | 6.29 |
SPS COMMERCE INC | 6.29 |
ENSIGN GROUP INC | 6.29 |
MUELLER INDUSTRIES INC | 6.29 |
上位10銘柄には、医療機器メーカーのINSMED INC、航空機リース会社のFTAI AVIATION LTD、オーガニックスーパーマーケットチェーンのSPROUTS FARMERS MARKET INCなど、様々な業種の企業が含まれています。これらの企業は、高い成長性と収益性を兼ね備えており、IWMのパフォーマンスに大きく貢献しています。
セクター比率
セクター名 | 比率(%) |
---|---|
ヘルスケア | 17.19 |
資本財 | 15.71 |
金融サービス | 15.36 |
情報技術 | 15.06 |
一般消費財 | 9.90 |
不動産 | 7.15 |
エネルギー | 6.40 |
素材 | 4.73 |
生活必需品 | 3.53 |
公益事業 | 2.79 |
コミュニケーションサービス | 2.17 |
IWMは、ヘルスケア、資本財、金融サービス、情報技術セクターへの比率が高いことが特徴です。
これらのセクターは、アメリカ経済の成長を牽引する重要な役割を担っており、IWMの長期的な成長 ポテンシャルに寄与すると期待されます。
一方で、景気の影響を受けやすいセクターへの比率も高いため、景気後退時にはパフォーマンスが低下する可能性も考慮する必要があります。
過去10年の株価推移チャートと分析
IWMの株価は、2015年から2024年までの10年間で、全体的に上昇トレンドを示しています。特に、2017年、2018年、2020年、2021年には、大きな上昇を見せています。これは、アメリカ経済の好調や、中小型株への投資人気の高まりなどが背景にあると考えられます。しかし、2016年、2019年、2022年、2023年には、下落局面も見られ、ボラティリティの高さも確認できます。
SP500過去1年分チャートとの比較と分析
過去1年間のパフォーマンスは、IWMが9.08%、SP500が19.40%となっており、IWMはSP500を下回るパフォーマンスとなりました。小型株は大型株に比べて景気の影響を受けやすい傾向があるため、2023年の景気減速の影響を受けた可能性があります。
IWMの配当金の分析
過去の配当金と増配率、その分析
IWMは、2015年から2023年まで、毎年配当金を支払っています。しかし、増配率は安定しておらず、2018年と2020年には減配も発生しています。また、2024年には大幅な減配となっており、今後の配当金の推移には注意が必要です。
配当金利回りの推移
IWMの配当利回りは、過去10年間で1%台前半で推移しており、比較的安定しています。しかし、市場平均と比較すると低い水準であり、高配当を求める投資家には物足りないかもしれません。
将来のYOC予想シミュレーション
年 | 予想配当利回り(%) |
---|---|
2024 | 1.27 |
2025 | 1.37 |
2026 | 1.47 |
2027 | 1.59 |
2028 | 1.72 |
2029 | 1.85 |
2030 | 2.00 |
2031 | 2.16 |
2032 | 2.33 |
2033 | 2.51 |
2034 | 2.71 |
現在の株価上昇率・利回りが継続した場合、10年後のYOCは2.71%まで上昇すると予想されます。100万円を投資した場合、初年度の配当金は約12,700円となり、10年後には約27,100円になると見込まれます。長期投資することで、配当金によるインカムゲインが増加していくことが期待できます。しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の分配金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
類似ETF/銘柄との比較
銘柄名/銘柄コード | 経費率 | パフォーマンス(過去1年) | 組入銘柄数 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
IWM | 0.19% | 9.08% | 約2,000 | Russell 2000に連動、幅広い中小型株に投資 |
IJR | 0.15% | 10.45% | 約700 | S&P SmallCap 600に連動 |
VB | 0.05% | 11.21% | 約1,500 | CRSP US Small Cap Indexに連動 |
IWMと比較して、IJRは経費率が低く、パフォーマンスもわずかに上回っています。VBはさらに経費率が低く、パフォーマンスも高いですが、組入銘柄数が少ないため、分散効果はIWMに劣ります。
リスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 1.06 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均とほぼ同じ動き |
52週ボラティリティ | 41.42% | 株価の変動幅 | ボラティリティが高い |
シャープレシオ | 0.42 | リスクに対するリターンの効率性 | リスクに見合ったリターンを得られている |
トータルリターン(1年) | 8.86% | 1年間のトータルリターン | 比較的高いリターン |
最大ドローダウン | -16.12% | 過去最大の株価下落率 | 大きな下落リスクがある |
PER | 13.32 | 株価収益率 | 割安感はない |
IWMは、市場平均とほぼ同じ動きをし、リスクに見合ったリターンを得られています。しかし、ボラティリティと最大ドローダウンが大きく、大きな下落リスクがあることに注意が必要です。
投資戦略の提案
IWMへの投資は、アメリカの中小型株市場全体への投資と捉えることができます。
- 長期投資: 中小型株は成長 potentialが高いため、長期的な視点で投資することが重要です。
- 積立投資: 定期的に積立投資することで、価格変動リスクを軽減し、安定したリターンを目指せます。
- 分散投資: IWMは既に分散投資されているETFですが、他の資産クラスと組み合わせることで、さらにリスク分散効果を高めることができます。
- 米国経済の動向: IWMは米国経済の影響を受けやすいため、投資する際は米国経済の動向を注視する必要があります。
まとめと投資判断のポイント
IWMは、アメリカの中小型株市場全体に投資できるETFです。成長 ポテンシャルが高く、分散投資効果も期待できますが、ボラティリティが高く、下落リスクも大きい点に注意が必要です。
IWMの投資判断で重要なポイント
米国経済の成長を捉える
→IWMは米国経済の成長と密接に連動しており、米国経済が好調な局面では高いリターンが期待できます。
分散投資によるリスク軽減
→約2,000銘柄に分散投資することで、個別銘柄のリスクを軽減し、安定したリターンを目指せます。
成長性の高い企業群
→中小型株は大型株に比べて成長 potentialが高く、大きなリターンが期待できます。
配当金によるインカムゲイン
→IWMは配当金を分配しており、インカムゲインも期待できます。
ボラティリティの高さ
→小型株は大型株に比べて価格変動リスクが高いため、注意が必要です。
景気後退時の下落リスク
→中小型株は景気の影響を受けやすいため、景気後退時には下落リスクが高まります。
SP500を下回るパフォーマンス
→過去1年間のパフォーマンスはSP500を下回っており、今後の動向に注意が必要です。
配当金の安定性に欠ける
→増配率は安定しておらず、減配も発生しているため、注意が必要です。
コメント