通信業界で存在感を放つボーダフォン(VOD)。
なんと8%を超える高配当利回りで、多くの投資家の注目を集めています。
しかし、過去10年の株価チャートを見ると、下落傾向も顕著…。
一体、VODは「買い」なのか「待ち」なのか? 迷える投資家のために、この記事ではVODの過去10年間の株価推移から配当利回り、YOCシミュレーション、リスク分析まで徹底的に解剖!
将来のYOC予想、100万円投資した場合のシミュレーションも実施し、VODへの投資判断に必要な情報を網羅しました。
この記事を読めば、VODの真の魅力とリスク、そしてあなたにとって最適な投資戦略が見えてくるはずです。高配当の魅力に取り憑かれる前に、まずはVODの真実を一緒に探求しましょう!
VOD(ボーダフォン・グループ)とは?
銘柄の基本情報概要
項目 | VOD |
---|---|
銘柄名 | ボーダフォン・グループ |
銘柄コード | VOD |
配当利回り | 7.93% |
配当金頻度 | 年4回 |
業種 | 電気通信サービス |
セクター | コミュニケーションサービス |
創業年 | 1984年 |
CEO | マルゲリータ・デラ・バレ |
特徴 | 高配当 |
ボーダフォン・グループ(Vodafone Group PLC)は、ヨーロッパおよび国際的に事業を展開する無線通信サービス会社です。音声、データ通信などのモバイル通信サービスに加え、ブロードバンド、テレビなどの固定回線サービスも提供しています。世界中に多くの顧客を抱え、サービスを展開しています。
過去10年の株価チャートと分析
VODの株価は、2015年以降、長期的には下降トレンドにあります。2018年以降は下落幅が拡大しており、2023年には10ドルを下回る水準まで下落しました。しかし、2024年に入ると株価は横ばいに転じ、下落後に持ち直して回復しています。今後の株価動向には注目が必要です。
S&P500過去1年分チャートとの比較と分析
過去1年間のVODの株価パフォーマンスは、S&P500と比較して大きく劣後しています。2024年前半はS&P500が上昇する一方でVODは停滞しており、大きな差が開きました。しかし、8月から9月の株価上昇率は、S&P500をアウトパフォームしています。
VODで配当金生活はできる?配当金の分析
VODの過去の配当金と増配率、その分析
VODは2015年から2024年にかけて、配当金を複数回減配しています。特に2019年と2024年の減配幅は大きく、配当金の安定性には懸念があります。
VODの配当金利回りの推移
VODの配当利回りは、株価の変動と配当金の減配の影響を受けて大きく変動しています。しかし、長期的には高水準で推移しており、2024年時点でも7.93%と高い水準にあります。
過去VODに投資していた場合のYOCシミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2014 | 2.08% |
2015 | 2.20% |
2016 | 2.91% |
2017 | 2.23% |
2018 | 3.69% |
2019 | 3.68% |
2020 | 4.32% |
2021 | 4.76% |
2022 | 7.03% |
2023 | 8.18% |
2024 | 7.93% |
過去にVODに投資していた場合、2022年以降に投資していればYOCは高い水準にありました。これは、株価が下落する一方で配当金がある程度維持されたためです。
しかし、長期投資した場合のYOC水準は低く、例えば2014年末にVODに100万円投資していた場合、2024年末のYOCは約2.08%となり、年間約2万円の配当金を受け取ることができる事になります。長期による株価下落の影響を受け、過去投資していた場合にYOCが非常に低くなっていた事が読み取れます。
VODの将来のYOC予想シミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2024 | 7.93% |
2025 | 6.90% |
2026 | 6.01% |
2027 | 5.23% |
2028 | 4.56% |
2029 | 3.97% |
2030 | 3.45% |
2031 | 3.01% |
2032 | 2.62% |
2033 | 2.28% |
2034 | 1.98% |
過去10年の株価成長率をもとに将来のYOC予想シミュレーションを行ってみると、現在の株価と配当利回りが維持された場合、100万円投資すると初年度の配当金は約7.93万円となり、10年後にはYOCは約1.98%まで低下すると予想されます。しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
VODで配当金生活をするには?VODの配当金受取シミュレーション
配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)
銘柄 | 株価 | 配当利回り | 月間配当目標 | 必要投資額 | 必要投資額 (課税考慮) |
必要株数 |
---|---|---|---|---|---|---|
VOD | $8.83 (¥1,315) |
8.06% | ¥10,000 | ¥1,489,646 | ¥2,077,131 | 1,581株 |
¥30,000 | ¥4,468,938 | ¥6,231,394 | 4,741株 | |||
¥50,000 | ¥7,448,229 | ¥10,385,656 | 7,901株 | |||
¥100,000 | ¥14,896,459 | ¥20,771,313 | 15,801株 |
為替レート: 148.88円/ドル
VODへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン
銘柄 | 期間 | リターン |
---|---|---|
VOD | 1年リターン | 5.2% |
VOD | 3年リターン | -22.0% |
VOD | 5年リターン | -31.8% |
VOD | 7年リターン | -51.6% |
VOD | 10年リターン | -50.2% |
VODに過去に投資していた場合、長期では損失が出ていることが分かります。特に過去10年間のリターンは-50.2%と大きく下落しています。これは、VODの株価が長期的には下落傾向にあることを示しています。ただし、直近1年は5.2%とプラスのリターンとなっており、今後の動向に注目する必要があります。
VODへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン
銘柄 | 期間 | リターン |
---|---|---|
VOD | 1年リターン | 5.2% |
VOD | 3年リターン | -7.9% |
VOD | 5年リターン | -7.4% |
VOD | 7年リターン | -9.9% |
VOD | 10年リターン | -6.7% |
VODに過去に投資していた場合、年率で見ても長期では損失が出ていることが分かります。過去10年間の年率リターンは-6.7%と、毎年平均して6.7%ずつ資産が減少している計算になります。これは、VODの株価が長期的には下落傾向にあり、投資家にとっては厳しい状況であったことを示しています。ただし、直近1年は5.2%とプラスのリターンとなっており、今後の動向に注目する必要があります。
VODへ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2015 | 94.4 | 5.1 | 99.5 | 99.8 |
2016 | 71.5 | 6.5 | 83.1 | 84.7 |
2017 | 93.4 | 4.9 | 109.9 | 115.1 |
2018 | 56.4 | 5.2 | 78.2 | 80.1 |
2019 | 56.6 | 2.8 | 81.1 | 84.3 |
2020 | 48.2 | 3.0 | 75.8 | 77.1 |
2021 | 43.7 | 3.1 | 74.4 | 75.3 |
2022 | 29.6 | 2.7 | 63.0 | 58.1 |
2023 | 25.5 | 2.8 | 61.7 | 56.4 |
2024 | 26.3 | 2.1 | 64.6 | 62.6 |
VODに10年前に100万円投資していた場合、2024年末時点での評価額は約26.3万円となり、大幅な元本割れとなっています。配当金を受け取り続けたとしても、評価額+配当累計額は約64.6万円と、依然として元本を大きく下回っています。配当金を再投資した場合でも、評価額は約62.6万円と、元本割れしています。
これは、VODの株価が過去10年間で大きく下落していることを示しています。VODへの投資は、高配当ではあるものの、キャピタルゲインは期待しにくいと言えます。
VODのリスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 0.55 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均より変動が小さい |
52週ボラティリティ | 26.17% | 過去1年間の価格変動の大きさ | 変動が大きい |
シャープレシオ | 0.61 | リスクあたりのリターン | 低い |
トータルリターン(1年) | 1359.04% | 過去1年間のトータルリターン | 非常に高い |
最大ドローダウン | -49.80% | 過去最大の値下がり幅 | 大きい |
PER | 18.49 | 株価収益率 | 割高 |
PBR | 0.35 | 株価純資産倍率 | 割安 |
BPS | 2 | 1株あたり純資産 | 低い |
ROE | 1.90% | 自己資本利益率 | 低い |
VODは、価格変動リスクと下落リスクが高いことが分かります。また、収益性も低いため、投資には注意が必要です。ただし、ベータ値が低く、PBRが低い点はポジティブな要素と言えるでしょう。
VODへの投資戦略の提案
VODへの投資は、高配当を期待できる一方、株価の変動リスクや業績の悪化リスクなどを考慮する必要があります。
- 高配当投資:VODは7%を超える高い配当利回りであるため、高配当投資を目的とした投資家に適しています。
- 短期的な値上がり益狙い:2024年は株価が横ばい傾向にあるため、短期的な値上がり益を狙った投資も考えられます。
- リスク許容度の高い投資家向け:VODは株価の変動リスクが大きいため、リスク許容度の高い投資家に向いています。
- 分散投資:VODは単独で保有するよりも、他の銘柄と組み合わせて分散投資することでリスクを軽減できます。
- 業績や業界動向の注視:投資する際には、VODの業績や通信業界全体の動向を注視することが重要です。
まとめ:VODへの投資判断のポイント
VODは、高配当利回りが魅力の銘柄ですが、株価は長期的には下落傾向にあり、業績も低迷しています。投資判断においては、高配当によるインカムゲインを重視するか、株価下落によるキャピタルロスリスクを重視するかをよく検討する必要があります。また、通信業界の動向や競争環境、VODの経営戦略なども注視していくことが重要です。
VODの投資判断で重要なポイント
総合評価:
高配当利回り
→2024年現在7.93%と、高配当利回りが魅力です。インカムゲイン重視の投資家に適しています。
株価推移
→過去10年間で株価は下落傾向にあり、キャピタルゲインは期待しにくいです。2024年は上昇に転じていますが、長期的な視点が必要です。
減配リスク
→過去に複数回の減配があり、今後も減配の可能性は否定できません。配当金の安定性を重視する投資家は注意が必要です。
業績の低迷
→収益性指標は低い水準で推移しており、今後の業績回復が期待されます。財務状況や事業戦略などを確認する必要があります。
通信業界の競争激化
→通信業界は競争が激化しており、VODの競争力は低下しています。5Gや光ファイバーなどのインフラ投資状況、顧客獲得戦略などを確認する必要があります。
欧州市場への依存
→売上高の約半分を欧州市場が占めており、地理的な集中リスクが存在します。欧州経済の動向にも注意が必要です。
低いBPS,ROE
→1株あたり純資産(BPS)と自己資本利益率(ROE)が低く、収益性はあまり高くありません。
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