近年、FIREやサイドFIREといった早期リタイアを目指す人が増えています。早期リタイアには、安定的な収入源の確保が重要です。そこで注目されているのが、ETFによる配当金投資です。Global X 米国優先証券 ETF(2866)は、5.4%という高い配当利回りで注目を集めていますが、本当に配当金生活を実現できるETFなのでしょうか?
この記事では、2866の特徴やメリット・デメリット、分配金の推移、将来性、リスクなどを徹底解説し、投資判断のポイントを分かりやすく示していきます。
具体的には、過去のパフォーマンスや将来のYOC予想シミュレーション、類似ETFとの比較分析、リスクファクター分析などを通して、2866の実力を多角的に評価します。
この記事を読むことで、2866への投資判断に必要な情報を得られるだけでなく、高配当ETF投資の基礎知識、リスク管理の重要性、あなたに最適な投資戦略についても理解を深めることができます。
Global X 米国優先証券 ETF (2866)とは?
銘柄の基本情報概要
項目 | Global X 米国優先証券 ETF (2866) |
---|---|
銘柄名 | Global X 米国優先証券 ETF |
銘柄コード | 2866 |
運用会社 | Global X Japan Co. Ltd. |
経費率 | 0.2575% |
ベンチマーク | ICE BofA Diversified Core U.S. Preferred Securities Index |
設定日 | 2022年9月30日 |
運用資産額 | 75.42億円 |
配当利回り(2024) | 5.40% |
特徴 | 米国優先証券への投資 |
Global X 米国優先証券 ETF (2866) は、ICE BofA Diversified Core U.S. Preferred Securities Indexのパフォーマンスに連動する投資成果を目指しています。このETFは、主に米国の優先証券に投資することで、高い利回りを追求する投資家に適しています。優先証券とは、株式と債券の中間的な性質を持つ証券で、債券よりも高い利回りが見込める一方、株式よりもリスクが低いとされています。Global Xは、テーマ型ETFに強みを持つETF運用会社です。
過去2年の株価チャートと分析
Global X 米国優先証券 ETF (2866)は、2022年9月30日に設定された比較的新しいETFです。設定当初は1,000円でしたが、その後下落し、2023年1月には800円台まで下落しました。しかし、その後は緩やかな上昇トレンドに転じ、2024年11月時点では1,054円となっています。価格変動が比較的大きく、今後の動向に注意が必要です。
N225過去1年分チャートとの比較と分析
過去1年間で、Global X 米国優先証券 ETF (2866) はN225と比較して、リターンが低くなっています。一方で、価格変動はN225よりも小さくなっています。これは、優先証券が株式よりも価格変動リスクが低いという特徴を反映しています。
Global X 米国優先証券 ETF (2866)で配当金生活はできる?配当金の分析
Global X 米国優先証券 ETF (2866)の過去の配当金と増配率、その分析
Global X 米国優先証券 ETF (2866)は、2023年は年間52円の分配金でした。2024年は11月時点で同様に年間52円となっており、12月の配当を考慮すると増配傾向です。
Global X 米国優先証券 ETF (2866)の配当金利回りの推移
Global X 米国優先証券 ETF (2866)の配当利回りは、2024年現在5.40%と、市場平均と比較して高い水準です。2年連続で5%台を維持しており、魅力的です。
過去Global X 米国優先証券 ETF (2866)に投資していた場合のYOCシミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2022 | 6.60% |
2023 | 6.12% |
2024 | 5.40% |
過去にGlobal X 米国優先証券 ETF (2866)に投資していた場合、2022年月に購入していれば、YOCは6.60%と高い水準でした。過去投資していた場合に現在より高いYOCを得られていることから、2022年に購入していた場合は株価上昇の恩恵を受けられていたことがわかります。
Global X 米国優先証券 ETF (2866)の将来のYOC予想シミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2024 | 5.40% |
2025 | 5.54% |
2026 | 5.68% |
2027 | 5.82% |
2028 | 5.96% |
2029 | 6.11% |
2030 | 6.27% |
2031 | 6.42% |
2032 | 6.58% |
2033 | 6.75% |
2034 | 6.92% |
過去2年の株価成長率をもとに将来のYOC予想シミュレーションを行ってみると、現在の株価と配当利回りが維持された場合、100万円投資すると初年度の配当金は約5.4万円となり、10年後にはYOCは約6.92%まで上昇すると予想されます。しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
Global X 米国優先証券 ETF (2866)で配当金生活をするには?Global X 米国優先証券 ETF (2866)の配当金受取シミュレーション
配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)
銘柄 | 株価 | 配当利回り | 月間配当目標 | 必要投資額 | 必要投資額 (課税考慮) |
必要株数 |
---|---|---|---|---|---|---|
2866.T | ¥1,038 | 5.01% | ¥10,000 | ¥2,395,385 | ¥3,006,067 | 2,897株 |
¥30,000 | ¥7,186,154 | ¥9,018,201 | 8,689株 | |||
¥50,000 | ¥11,976,923 | ¥15,030,336 | 14,481株 | |||
¥100,000 | ¥23,953,846 | ¥30,060,672 | 28,961株 |
2866とPFFDのパフォーマンス比較
項目 | Global X U.S. Preferred Security ETF (2866) | Global X U.S. Preferred ETF (PFFD) |
---|---|---|
ティッカー | 2866 | PFFD |
日本語名 | Global X U.S. Preferred Security ETF | Global X U.S. Preferred ETF |
上場市場 | 東京証券取引所 | ニューヨーク証券取引所 Arca |
過去1年のパフォーマンス | +13.46% | +8.66% |
配当利回り | 5.3% | 6.01% |
経費率 | 0.2575% | 0.23% |
資産総額 | 約75億円 | 約24億USD |
特徴 | 円建てで投資できる | 米ドル建てで投資 |
経費率: PFFDの経費率は0.23%で、2866の経費率は0.2575%です。2866は日本円で取引できるため、為替手数料がかからないという利点があります。
税制面: 2866は外国税額控除が不要で、米国での課税分が自動的に調整されるため、確定申告が不要です。PFFDの場合、外国税額控除を受けるためには確定申告が必要です。
これらの違いを考慮し、自身の投資目的やリスク許容度に応じて選択することが重要です。
過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン
過去にGlobal X 米国優先証券 ETF (2866)に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン
銘柄 | 期間 | リターン |
---|---|---|
2866 | 1年リターン | 20.2% |
過去1年間で、Global X 米国優先証券 ETF (2866) は年率約20.2%のリターンとなっています。設定来では基準価額が下落傾向にありましたが、2023年1月以降は上昇トレンドに転じています。
2年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
2年前にGlobal X 米国優先証券 ETF (2866)に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2023 | 107.9 | 6.0 | 113.9 | 113.4 |
2024 | 122.1 | 6.0 | 134.1 | 134.0 |
2年前にGlobal X 米国優先証券 ETF (2866)に100万円投資していた場合、評価額は約120万円となり、配当再投資もしていた場合、や評価額は約134.1万円に増加している計算になります。配当金を受け取りながら、資産を増やすことができたことになります。
リスクファクター分析
Global X 米国優先証券 ETF (2866)のリスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
52週ボラティリティ | 12.91% | 過去1年間の価格変動の大きさ | |
シャープレシオ | 1.13 | リスクあたりのリターン | |
トータルリターン(1年) | 16.87% | 過去1年間のトータルリターン | |
最大ドローダウン | -15.95% | 過去最大の値下がり幅 |
Global X 米国優先証券 ETF (2866)は、シャープレシオが1.13と、リスクあたりのリターンが高いことが分かります。一方で、最大ドローダウンが-15.95%と大きく、下落リスクも大きいことが分かります。
Global X 米国優先証券 ETF (2866)への投資戦略
Global X 米国優先証券 ETF (2866)は、高利回りを期待できるETFです。一方で、株価の変動リスクや金利上昇リスクがあります。そのため、以下のような投資戦略が考えられます。
- 長期投資: 長期的に保有することで、高利回りによる複利効果を期待できます。
- 分散投資: 他の資産と組み合わせることで、リスクを分散できます。
- 積立投資: 定期的に積み立てることで、リスクを平準化できます。
まとめ:Global X 米国優先証券 ETF (2866)への投資判断のポイント
Global X 米国優先証券 ETF (2866)は、高配当を期待できるETFですが、株価の変動リスクや金利上昇リスクも考慮する必要があります。投資する際は、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて判断することが重要です。
Global X 米国優先証券 ETF(2866)の投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
高い配当利回り
→5.40%と市場平均を大きく上回る配当利回りは大きな魅力です。
経費率
→0.2575%と、類似の米国優先証券ETFと比較して低い水準です。
価格変動リスク
→株式と債券の中間的な性質を持つため、株式市場の影響を受けやすく、価格変動リスクは比較的高めです。
金利上昇リスク
→金利上昇局面では、価格が下落する傾向があります。
信用リスク
→発行体の財務状況が悪化した場合、元本や利金の支払いが滞る可能性があります。
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