JEPIとXYLD、どちらも高配当で人気のETFですが、その違いや特徴を理解していますか?なんとなく選んでいませんか?
実は、銘柄選びを間違えると、せっかくの投資機会を逃してしまう可能性も…💦
この記事では、過去のデータやシミュレーションを元に下記観点で比較/分析しています。
・セクター比率
・構成銘柄比率
・過去の株価推移
・S&P500との比較
・配当/利回り/増配率/過去と将来のYOCシミュレーション
・月10万円配当受取に必要な投資額
・トータルリターン(累積・年率)/リスク分析
・過去投資をしていた場合のシミュレーション
この記事を読むことで、JEPIとXYLDそれぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った投資戦略を立てることができます。さらに、具体的な数値データやシミュレーション結果も提示することで、より確実な投資判断をサポートします。
高配当ETFで賢く資産運用を始めたい方は必見です!
JEPI・XYLDとは?
銘柄の基本情報概要
項目 | JEPI | XYLD |
---|---|---|
銘柄名 | JPMorgan Equity Premium Income ETF | Global X S&P 500 Covered Call ETF |
ティッカーシンボル | JEPI | XYLD |
運用会社 | J.P. Morgan | Global X |
配当利回り(2024) | 7.3% | 9.16% |
運用資産額 | 約380億ドル | 約30億ドル |
経費率 | 0.35% | 0.60% |
設定日 | 2020-05-21 | 2013-06-24 |
特徴 | 高配当、カバードコール、アクティブ運用 | 高配当、カバードコール、パッシブ運用 |
JEPIの特徴
運用戦略: JEPIはアクティブ運用型ETFで、S&P 500指数をベンチマークとしつつ、株式投資とカバードコール戦略を組み合わせて高配当と低ボラティリティを目指します。
配当利回り: 2024年、JEPIの配当利回りは約7%~9%で、安定したインカム収入を提供します。
運用資産額: 378.1億ドルと、XYLDに比べて規模が大きく、安定性が高いとされています。
経費率: 0.35%とアクティブETFとしては低コスト。
構成銘柄: 低ボラティリティを重視した米国大型株と、仕組債(Equity-Linked Notes, ELN)を組み合わせて構成されています。このポートフォリオにより、リスクを抑えながら高配当を実現しています。
XYLDの特徴
運用戦略: XYLDはパッシブ運用型ETFで、S&P 500 BuyWrite Indexに連動するカバードコール戦略を採用しています。
配当利回り: 2024年現在、XYLDの配当利回りは約8%~10%ほどとJEPIより高いですが、株価上昇の恩恵は限定的です。
運用資産額: 29.3億ドルとJEPIに比べて小規模。
経費率: 0.60%とJEPIより高め。
構成銘柄: S&P 500指数の構成銘柄を保有し、コールオプションを売却することで収益を得る仕組みです。この戦略により、株価上昇局面では利益が限定される一方、安定したインカム収入を提供します。
セクター比率
セクター名 | 比率(JEPI) | 比率(XYLD) |
---|---|---|
Technology | 19.71% | 32.06% |
Healthcare | 15.39% | 12.09% |
Industrials | 13.48% | 7.53% |
Financial Services | 11.51% | 12.78% |
Consumer Defensive | 10.74% | 6.06% |
Consumer Cyclical | 9.69% | 10.23% |
Utilities | 5.92% | 2.62% |
Communication Services | 4.75% | 8.83% |
Energy | 3.31% | 3.39% |
Real Estate | 3.26% | 2.43% |
JEPIは、テクノロジー、ヘルスケア、資本財セクターの比率が高く、XYLDはテクノロジー、金融サービス、ヘルスケアセクターの比率が高いです。
JEPIは、景気敏感セクターとディフェンシブセクターをバランスよく組み合わせており、景気後退局面では、ディフェンシブセクターが下支えとなり、景気拡大局面では、景気敏感セクターが上昇を牽引する可能性があります。
一方、XYLDは、テクノロジーセクターの比率が高いため、テクノロジーセクターの動向に大きく影響されます。
過去4年の株価チャートと分析
JEPIは、2022年に下落したものの、その後は上昇トレンドを示しており株価は成長しています。4年前と比較すると約20%の上昇となっています。一方、XYLDは、2023年に一時的に下落しましたが、その後は回復傾向にありつつ上昇幅は限られています。
S&P500過去1年分チャートとの比較と分析
銘柄名 | リターン |
---|---|
JEPI | 7.22% |
XYLD | 6.94% |
S&P 500 | 26.89% |
JEPIとXYLDは、過去1年間でS&P 500を下回るパフォーマンスとなっています。しかし、下落局面では、S&P 500と比較して下落幅が小さい傾向にあります。
- JEPIは、S&P 500と比較して、下落耐性が高いと言えます。
- XYLDも、S&P 500と比較して、下落耐性が高いと言えます。
- S&P 500は、過去1年間で大きく上昇していますが、JEPIとXYLDは、上昇幅が限定的です。
JEPI・XYLDで配当金生活はできる?配当金の分析
JEPI・XYLDの過去の配当金と増配率、その分析
年 | JEPI | XYLD |
---|---|---|
2021 | 4.25 | 4.53 |
2022 | 6.25 | 5.37 |
2023 | 4.76 | 4.24 |
2024 | 4.25 | 3.94 |
JEPI・XYLDともに、2022年に大幅な増配となりましたが、その後は減配傾向にあります。JEPI、XYLDともに、配当金は高い水準ですが、増配率は安定していません。
JEPI・XYLDの配当金利回りの推移
JEPIの配当金利回りは、過去数年間、7から10%前後で推移しています。一方、XYLDの配当金利回りは、9%超で推移しています。両ETFともに、市場平均を上回る配当利回りとなっていますが、近年は若干の低下傾向にあります。
過去JEPI・XYLDに投資していた場合のYOCシミュレーション
年 | JEPI | XYLD |
---|---|---|
2020 | 7.62 | 8.49 |
2021 | 6.72 | 7.8 |
2022 | 7.8 | 10.0 |
2023 | 7.73 | 9.98 |
2024 | 7.3 | 9.16 |
YOC(Yield on Cost)とは、投資元本に対する配当利回りのことです。過去にJEPIに投資していた場合、例えば2022年に購入していた場合のYOCは7.62%となっています。一方、過去にXYLDに投資していた場合、2022年に購入していた場合のYOCは8.49%となっています。
株価が長期的に上昇している銘柄では、過去投資していた場合に株価上昇の恩恵を受け、YOCが上昇する傾向がありますが、JEPI・XYLDはそういった傾向が見られないといえます。
JEPI・XYLDの将来のYOC予想シミュレーション
年 | JEPI | XYLD |
---|---|---|
2024 | 7.30 | 9.16 |
2025 | 7.55 | 9.23 |
2026 | 7.81 | 9.29 |
2027 | 8.07 | 9.36 |
2028 | 8.35 | 9.43 |
2029 | 8.63 | 9.50 |
2030 | 8.92 | 9.57 |
2031 | 9.23 | 9.64 |
2032 | 9.54 | 9.71 |
2033 | 9.86 | 9.78 |
2034 | 10.20 | 9.85 |
過去の株価成長率をもとに将来のYOC予想シミュレーションを行ってみると、現在の株価上昇率と配当利回りが維持された場合、JEPIに100万円投資すると初年度の配当金は約7.30万円となり、10年後にはYOCは約10.20%まで上昇すると予想されます。一方、XYLDに100万円投資すると初年度の配当金は約9.16万円となり、10年後にはYOCは約9.85%まで上昇すると予想されます。
JEPIのほうが過去の傾向として株価上昇率が高いため、シミュレーション結果にも反映され長期投資でYOCが上昇する予想となっています。
しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
JEPI・XYLDで配当金生活をするには?配当金受取シミュレーション
配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)
銘柄 | 株価 | 配当利回り | 月間配当目標 | 必要投資額 | 必要投資額 (課税考慮) |
必要株数 |
---|---|---|---|---|---|---|
JEPI | $58.69 (¥8,732) |
7.27% | ¥10,000 | ¥1,649,967 | ¥2,300,679 | 264株 |
¥30,000 | ¥4,949,900 | ¥6,902,038 | 791株 | |||
¥50,000 | ¥8,249,833 | ¥11,503,396 | 1,318株 | |||
¥100,000 | ¥16,499,666 | ¥23,006,792 | 2,635株 | |||
XYLD | $41.20 (¥6,130) |
11.86% | ¥10,000 | ¥1,012,005 | ¥1,411,119 | 231株 |
¥30,000 | ¥3,036,016 | ¥4,233,358 | 691株 | |||
¥50,000 | ¥5,060,026 | ¥7,055,596 | 1,151株 | |||
¥100,000 | ¥10,120,053 | ¥14,111,192 | 2,302株 |
為替レート: 148.79円/ドル
JEPI・XYLDへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン
銘柄 | 1年 | 3年 |
---|---|---|
JEPI | 13.7% | 21.9% |
XYLD | 19.6% | 17.0% |
JEPIとXYLDの過去の累積トータルリターンを見ると、どちらのETFもプラスリターンを達成している事がわかります。
特にJEPIは、3年の累積リターンが20%を超えています。
JEPI・XYLDへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン
銘柄 | 1年 | 3年 |
---|---|---|
JEPI | 13.7% | 6.8% |
XYLD | 19.6% | 5.4% |
JEPIとXYLDの過去の年率(CAGR)トータルリターンを見ると、1年ではXYLD、3年ではJEPIのほうが高い傾向である事がわかります。
これは短期では配当利回りの高いXYLDのリターンが高く、より長期では株価上昇の恩恵を受けてJEPIのリターンが高くなった可能性があります。ただし、どちらのETFも市場環境によりリターンが減少するリスクはあるので注意が必要です。
JEPI・XYLDへ4年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
銘柄 | 年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|---|
JEPI | 2021年 | 113.3 | 7.6 | 121.0 | 120.1 |
2022年 | 97.7 | 11.2 | 116.6 | 117.3 | |
2023年 | 98.6 | 8.5 | 126.0 | 128.5 | |
2024年 | 104.4 | 7.6 | 139.4 | 145.4 | |
XYLD | 2021年 | 108.9 | 9.8 | 118.6 | 117.8 |
2022年 | 84.8 | 11.6 | 106.2 | 107.9 | |
2023年 | 85.0 | 9.1 | 115.5 | 119.7 | |
2024年 | 92.7 | 8.5 | 131.6 | 141.4 |
JEPIとXYLDへ4年前に100万円投資していた場合のシミュレーションを見ると、JEPIは配当再投資を行うことで、2024年には評価額+配当累計額が139.4万円、配当再投資評価額が145.4万円となっています。
一方、XYLDは2022年以降、評価額が減少傾向にありますが、高い配当額により、評価額の減少をある程度補っており、2024年には評価額+配当累計額が131.6万円、配当再投資評価額が141.4万円となっています。
JEPIは、XYLDと比較して、評価額の減少が小さく、配当再投資の効果が大きいことがわかります。
JEPI・XYLDのリスクファクター分析
項目 | 説明 | 値(JEPI) | 評価(JEPI) | 値(XYLD) | 評価(XYLD) |
---|---|---|---|---|---|
ベータ | 市場全体の動きに対する感応度 | 0.58 | 市場平均より変動が小さい | 0.51 | 市場平均より変動が小さい |
52週ボラティリティ | 過去1年間の価格変動の大きさ | 7.90% | 比較的安定している | 7.39% | 比較的安定している |
シャープレシオ | リスクあたりのリターン | 1.42 | 効率的にリターンを獲得 | 2.06 | JEPIよりリスクあたりのリターンが高い |
トータルリターン(1年) | 過去1年間のトータルリターン | 13.72% | 高いリターン | 19.59% | JEPIよりさらに高いリターン |
最大ドローダウン | 過去最大の値下がり幅 | -20.01% | 下落リスクは中程度 | -34.13% | JEPIより下落リスクがやや高い |
JEPIとXYLDのリスクファクター分析を見ると、
JEPIはベータが0.58と低く、52週ボラティリティが7.90%となっています。最大ドローダウンが-20.01%とXYLDより小さいことから、下落時の下落幅がXYLDより低い可能性があるといえます。
一方、XYLDは最大ドローダウンが-34.13%と大きいため、大きな下落リスクがあります。しかし、直近1年のトータルリターンはJEPIより高いです。
これらのことから、JEPIはリスクを抑えつつ安定したリターンを求める投資家に、XYLDは高いリターンを求める一方で、大きな下落リスクを許容できる投資家に適していると言えそうです。
JEPI・XYLDへの投資戦略の提案
JEPIとXYLDはどちらも高配当を目的としたETFですが、異なる特徴を持っています。
JEPI:
- 低ボラティリティで、安定した値動きが期待できる。
- 過去のデータを見ると、下落相場でも比較的安定している。
- リスクを抑えつつ、安定した配当収入を得たい投資家に適している。
- 長期的な資産形成を目指す投資家にも向いている。
XYLD:
- カバードコール戦略を採用し、高い配当利回りが期待できる。
- 過去のデータを見ると、値動きはJEPIよりも大きい傾向にある。
- 高い配当収入を重視する投資家に適している。
- 短期的な利益を狙う投資家にも向いているが、値下がりリスクには注意が必要。
投資戦略の例:
- 安定した配当収入とリスク分散を重視するなら、JEPIをポートフォリオの中心に据え、XYLDを一部組み入れる。
- 高い配当収入を最優先するなら、XYLDの比率を高めにする。
- 市場の動向に合わせて、JEPIとXYLDの配分を調整する。
まとめ:JEPI・XYLDへの投資判断のポイント
JEPIとXYLDはどちらも魅力的な高配当ETFですが、投資判断にはそれぞれの特徴を理解することが重要です。JEPIは低ボラティリティで安定した値動きが期待でき、リスクを抑えつつ配当収入を得たい投資家に適しています。一方、XYLDはカバードコール戦略による高い配当利回りが魅力ですが、値動きはJEPIよりも大きく、値下がりリスクも考慮する必要があります。
JEPI・XYLDの投資判断で重要なポイントと評価
JEPIの投資判断で重要なポイントと総合評価:
配当利回り:7%超と高水準。
安定性:S&P500をベースとしたオプション戦略で、比較的安定した価格推移。過去のデータを見ても、下落相場に強い傾向が見られます。
成長性:S&P500連動のため、市場の成長に連動したリターンが期待できますが、XYLDのようなカバードコール戦略ではないため、大きな上昇局面では見劣りする可能性があります。
リスク:市場リスクや金利リスクはあるものの、ボラティリティは低めで、S&P 500と比較しても下落耐性が高いと言えます。ただし、オプション取引に伴うリスクも存在します。
適した投資家:高配当と安定性を求める長期投資家に適しています。特に、リスクを抑えつつ、安定した配当収入を得たい方や、下落相場に備えたい方におすすめです。
XYLDの投資判断で重要なポイントと総合評価:
配当利回り:9%超と非常に高く、高配当を最優先する投資家にとっては魅力的です。
安定性:カバードコール戦略のため、株価上昇の恩恵を受けにくく、下落リスクが高いです。過去のデータを見ても、JEPIと比較して値動きが大きい傾向にあります。
成長性:カバードコール戦略により、オプションプレミアム収入を得られますが、キャピタルゲインは限定的です。株価上昇による利益を狙うよりも、安定したインカムゲインを重視する投資家向けです。
リスク:株価下落リスクと金利リスクが高く、特に大きな下落局面では注意が必要です。また、カバードコール戦略特有のリスクも存在します。
適した投資家:高配当を最優先し、リスク許容度が高い投資家に適しています。短期的な利益を狙うことも可能ですが、値下がりリスクには注意が必要です。安定したインカムゲインを重視し、株価の値動きよりも配当収入を優先する方におすすめです。
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