SPYDは、S&P500の高配当株80種に連動するETFとして人気を集めています。
安定した配当収入と株価上昇の両方を期待できるSPYDですが、本当に長期投資に適しているのでしょうか?
この記事では、SPYDの特徴、メリット・デメリット、リスクなどを詳しく解説し、投資判断のポイントを分かりやすくまとめました。
SPYDへの投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください!
SPYDの魅力:5つのキーワード🔑
高配当
S&P500の高配当株
安定感
長期投資向け
分配金狙い
SPYDとは?
SPYDの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF |
銘柄コード | SPYD |
運用会社 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ |
経費率 | 0.07% |
ベンチマーク | S&P 500 高配当株式指数 |
資産総額 (十億 USD) | 6.331 |
設定日 | 2015/10/22 |
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが運用する、S&P500の高配当銘柄80種に連動するETFです。低コストで高配当な投資が可能なため、長期投資に適しています。
銘柄の特徴
S&P500の高配当株80種に投資:
米国を代表する大企業で構成されるS&P500の中から、高配当な銘柄を選定して投資することで、安定した配当収入と株価上昇の両方を期待できます。
高い配当利回り:
高配当株に投資しているため、他のETFと比較して高い配当利回りを期待できます。
低コスト:
信託報酬が低いことから、運用コストを抑えることができます。
分散投資:
80銘柄に分散投資することで、リスクを抑えながら安定したリターンを目指せます。
長期投資に最適:
安定した配当収入と株価上昇を期待できるため、長期的な資産形成に適しています。
ベンチマークの説明
SPYDのベンチマークであるS&P 500 高配当株式指数は、S&P 500 指数構成銘柄のうち、過去12ヶ月間の配当利回りの上位80銘柄で構成されています。この指数は、高配当株投資のパフォーマンスを測る指標として広く利用されています。
組入銘柄比率
銘柄名 | 比率(%) |
---|---|
KELLANOVA | 1.70 |
KENVUE INC | 1.41 |
STANLEY BLACK + DECKER INC | 1.34 |
ABBVIE INC | 1.33 |
EDISON INTERNATIONAL | 1.33 |
VENTAS INC | 1.33 |
HASBRO INC | 1.32 |
PUBLIC STORAGE | 1.32 |
REGENCY CENTERS CORP | 1.32 |
BRISTOL MYERS SQUIBB CO | 1.32 |
上位10銘柄には、KELLANOVA(食品)、KENVUE INC(ヘルスケア)、STANLEY BLACK + DECKER INC(家庭用品)など、様々なセクターの企業が含まれています。これらの企業は、安定した業績と高い配当利回りを誇る、米国を代表する大企業です。
セクター比率
セクター名 | 比率(%) |
---|---|
不動産 | 27.18 |
金融 | 20.35 |
公益事業 | 18.55 |
消費循環財 | 7.07 |
ヘルスケア | 6.78 |
消費必需品 | 6.62 |
エネルギー | 5.74 |
コミュニケーションサービス | 2.60 |
素材 | 2.49 |
テクノロジー | 1.57 |
工業 | 1.04 |
SPYDは、不動産、金融、公益事業セクターへの比率が高いのが特徴です。これらのセクターは、景気変動の影響を受けにくいとされており、安定した配当収入を期待できます。一方で、ハイテクグロース株のような急激な成長は期待しにくい側面もあります。
過去9年の株価推移チャートと分析
SPYDの株価は、2016年の設定以来、緩やかながらも上昇トレンドを描いています。特に2017年、2020年、2022年には大きな上昇を見せています。これは、高配当株への需要の高まりや、米国経済の堅調な成長を反映していると考えられます。しかし、2018年、2019年、2021年には下落しており、景気後退局面では下落リスクがあることに注意が必要です。
S&P500過去1年分チャートとの比較と分析
過去1年間のパフォーマンスを比較すると、SPYDはS&P500にわずかに劣っています。これは、SPYDがグロース株よりもバリュー株に偏っているため、S&P500全体の上昇に追いつかなかったと考えられます。しかし、SPYDは高配当であるため、配当込みのトータルリターンではS&P500に近づく可能性があります。
SPYDの配当金の分析
過去の配当金と増配率、その分析
SPYDは、高い配当金を支払っているETFです。しかし、増配率は安定しておらず、2018年、2020年、2021年には減配しています。これは、構成銘柄の業績や配当政策の変化によるものと考えられます。
配当金利回りの推移
SPYDの配当利回りは、おおむね市場平均を上回って推移しています。しかし、近年は低下傾向にあります。これは、株価上昇によるものと考えられます。
将来のYOC予想シミュレーション
年 | 予想利回り(%) |
---|---|
2024 | 4.26 |
2025 | 4.59 |
2026 | 4.94 |
2027 | 5.33 |
2028 | 5.74 |
2029 | 6.19 |
2030 | 6.67 |
2031 | 7.19 |
2032 | 7.74 |
2033 | 8.34 |
2034 | 8.99 |
現在の株価上昇率・利回りが継続した場合、10年後にはYOCが約9%に達すると予想されます。100万円投資した場合、初年度の配当金は約4.26万円、10年後には約8.99万円になる計算です。長期投資することで、配当金による大きなリターンを得られる可能性があります。
しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
高配当ETF!VYM・HDV・SPYDの比較
銘柄名 | 銘柄コード | 過去1年のパフォーマンス | 経費率 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
VYM | VYM | 17.61% | 0.06% | 米国株高配当ETF。バンガード社が運用。 |
HDV | HDV | 16.70% | 0.08% | 米国株高配当ETF。ブラックロック社が運用。 |
SPYD | SPYD | 22.81% | 0.07% | 米国株高配当ETF。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社が運用。 |
チャートとデータから読み取れる傾向として、SPYDは過去1年間で最も高いパフォーマンスを記録しています。これは、SPYDが組み入れている銘柄の好調さが要因と考えられます。一方で、VYMとHDVも堅調なパフォーマンスを見せており、高配当ETFとしての魅力を示しています。
VYMは経費率が低く、長期投資に適しています。HDVはVYMとSPYDの中間に位置し、バランスの取れた選択肢と言えます。SPYDは過去1年のパフォーマンスが最も高く、短期的なリターンを重視する投資家に向いています。
9年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2016 | 96.6 | 7.4 | 104.0 | 104.0 |
2017 | 122.4 | 8.5 | 138.3 | 140.3 |
2018 | 137.2 | 7.9 | 161.1 | 165.2 |
2019 | 129.2 | 8.6 | 161.6 | 164.1 |
2020 | 156.4 | 8.0 | 196.8 | 206.6 |
2021 | 137.0 | 5.6 | 183.0 | 186.7 |
2022 | 184.5 | 9.7 | 240.3 | 261.2 |
2023 | 181.4 | 9.0 | 246.1 | 265.7 |
2024 | 211.3 | 4.2 | 280.2 | 313.7 |
9年前にSPYDに100万円投資していた場合、2024年には評価額が約211万円、配当金を含めた累計額は約280万円に達していることがわかります。配当金を再投資した場合には、約313万円まで増加しています。これは、長期投資と配当再投資の有効性を示しています。しかし、途中には評価額が減少する時期もあるため、価格変動リスクがあることは理解しておく必要があります。
リスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 0.83 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均より変動が小さい |
52週ボラティリティ | 32.48% | 過去1年間の価格変動の大きさ | 比較的に高い |
シャープレシオ | 1.27 | リスクに対するリターンの効率性を示す指標 | 比較的良好 |
トータルリターン(1年) | 22.18% | 過去1年間のトータルリターン | 良好 |
最大ドローダウン | -10.68% | 過去最大の資産価値の下落率 | 比較的小さい |
PER | 16.37 | 株価収益率 | 割安感はない |
SPYDは、市場平均よりも低いベータ値を持ち、市場全体の下落局面においても比較的安定した動きをすることが期待できます。また、シャープレシオも比較的良好であり、リスクに対するリターンの効率性が高いと言えます。しかし、ボラティリティは比較的高く、価格変動が大きいため、短期的な投資には不向きです。また、PERが高めであることから、割安感はありません。
投資戦略の提案
SPYDは、高配当と安定性を重視する長期投資家にとって魅力的な選択肢です。
- 長期保有による配当収入の積み上げ: SPYDは高配当ETFであるため、長期保有することで安定した配当収入を得ることが期待できます。
- 配当再投資による複利効果: 配当金を再投資することで、複利効果によって資産を効率的に増やすことができます。
- 分散投資の一部として: SPYDをポートフォリオの一部として組み入れることで、リスク分散効果を高めることができます。
ただし、株価変動リスクがあることは理解しておく必要があります。
まとめと投資判断のポイント
SPYDは、S&P500の高配当株に投資するETFであり、高い配当利回りと安定性が魅力です。長期投資と配当再投資によって、効率的な資産形成を目指せる可能性があります。しかし、株価変動リスクや増配率の不安定さには注意が必要です。投資判断をする際には、自身の投資目標やリスク許容度を考慮し、SPYDの特徴をよく理解した上で判断することが重要です。
SPYDの投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
高配当による安定収入
→ SPYDは高配当ETFであり、安定した配当収入を得られる点が魅力です。長期投資においては、配当収入が大きなリターンに貢献する可能性があります。
S\&P500銘柄への分散投資
→ SPYDはS\&P500の高配当株80種に分散投資しているため、個別銘柄のリスクを抑えながら安定したリターンを目指せます。
低コスト
→ SPYDの信託報酬は0.07%と低コストで運用できるため、長期投資においてコストを抑えることができます。
景気変動への耐性
→ SPYDは、不動産、金融、公益事業セクターへの比率が高いため、景気変動の影響を受けにくいとされています。
株価上昇の鈍さ
→ SPYDは高配当株に投資しているため、グロース株中心のETFと比較して株価上昇は緩やかになる可能性があります。
増配率の不安定さ
→ SPYDの増配率は安定しておらず、減配の可能性もあるため注意が必要です。
コメント