【TMF】3倍レバレッジETFで長期金利上昇局面を乗り切る?投資戦略とリスクを徹底解説!

【TMF】3倍レバレッジETFで長期金利上昇局面を乗り切る?投資戦略とリスクを徹底解説!
ねこ

米国債ETFといえば、TLTやEDVといった銘柄が有名ですが、実は「TMF」という3倍レバレッジETFが存在することをご存知でしょうか?

TMFは、20年超の米国債にレバレッジをかけて投資することで、金利低下局面では爆発的なリターンを狙える一方、金利上昇局面では大きな損失リスクを抱える、まさにハイリスク・ハイリターンなETFです。

近年の金利上昇局面において、TMFのパフォーマンスは低迷しており、投資をためらう方もいるかもしれません。しかし、今後の金利動向によっては、TMFが大きなチャンスをもたらす可能性も秘めているのです。

この記事では、TMFの特徴やリスク、投資戦略、そして将来展望まで、徹底的に解説していきます。

この記事を読むことで、あなたは以下のメリットを得られます。
・TMFの仕組みや特徴を理解
・金利動向とTMFのパフォーマンスの関係性を把握
・適切なリスク管理を行うためのヒントを得られる

それでは、TMFの世界を一緒に探検していきましょう!

目次

TMFとは?

TMFの基本情報概要

項目詳細
銘柄名Direxion Daily 20+ Year Treasury Bull 3X Shares
ティッカーTMF
運用会社Direxion
設定日2009年4月16日
運用資産額約60億ドル
経費率1.04%
ベンチマークICE U.S. Treasury 20+ Year Bond Index
特徴20年超の米国債に投資する3倍レバレッジ型ETF

TMFは、ICE米国20年超国債指数の日次リターンの3倍のリターンを目指す、レバレッジ型ETFです。20年超の米国債のパフォーマンスの3倍に連動した投資成果を目指しており、ベンチマークとなる20年超の米国債の価格が1%上昇した場合、TMFは約3%上昇し、逆に1%下落した場合には約3%下落することになります。そのため、リスク許容度の高い投資家や、短期的なトレード戦略を検討している投資家に向いています。

※ベンチマーク:ICE米国20年超国債指数とは
ICE米国20年超国債指数は、残存期間が20年を超える米国債のパフォーマンスを表す指数です。この指数は、米国債市場の長期ゾーンにおける金利動向やリスク・リターン特性を把握するための指標として広く利用されています。

TMFの過去10年の株価チャートと分析

TMFの過去10年の株価チャート

優れている点
2019年末から2020年にかけて、コロナショックによる金利低下局面で株価が大きく上昇した。

気になる点
2020年以降、金利上昇局面が続き、株価は長期的な下落トレンドにある。
レバレッジ型ETFのため、ボラティリティが非常に高く、リスクが高い。

TMFの株価は、過去10年間で大きく変動しています。2015年から2019年にかけては、比較的安定した推移を見せていましたが、2020年のコロナショックでは、一時的に大きく上昇しました。しかし、2022年以降は、金利上昇局面が続き、株価は長期的な下落トレンドにあります。レバレッジ型ETFであるため、金利変動の影響を3倍にして受けるため、ボラティリティが非常に高く、リスクが高い投資対象と言えます。

TMFとS&P500過去1年分チャートとの比較と分析

TMFとS&P500過去1年分チャートの比較

優れている点
2024年1月には、S&P500を大きくアウトパフォームする上昇を見せた。

気になる点
2024年5月以降は、S&P500をアンダーパフォームしており、下落傾向が続いている。
S&P500と比較して、ボラティリティが非常に高く、リスクが高い。

過去1年間のチャートを比較すると、TMFはS&P500に対して、ボラティリティの高いパフォーマンスを示しています。2024年1月には、S&P500を大きくアウトパフォームする上昇を見せましたが、5月以降は、S&P500をアンダーパフォームしており、下落傾向が続いています。これは、2024年に入ってからの金利上昇局面の影響を受けていると考えられます。

TMFで配当金生活はできる?配当金の分析

TMFの過去の配当金と増配率、その分析

TMFの過去の配当金と増配率

優れている点
2017年以降、分配金が支払われている

気になる点
分配金の金額は安定しておらず、増配と減配を繰り返している。
レバレッジ型ETFであるため、株価の変動リスクが大きく、分配金収入の安定性も低い。

TMFは、2017年以降、分配金が支払われています。しかし、分配金の金額は安定しておらず、増配と減配を繰り返しています。これは、TMFがレバレッジ型ETFであり、金利変動の影響を大きく受けるためです。金利が低下すると、債券価格が上昇し、分配金収入も増加する傾向があります。逆に、金利が上昇すると、債券価格が下落し、分配金収入も減少する傾向があります。

TMFの配当金利回りの推移

TMFの配当金利回りの推移

優れている点
2022年以降、配当利回りが上昇傾向にある。

気になる点
配当利回りは、市場平均と比較して、必ずしも高いとは言えない。
配当利回りの変動幅が大きく、安定性に欠ける。

TMFの配当利回りは、2022年以降、上昇傾向にあります。これは、株価が下落傾向にある一方で、分配金は比較的安定しているためです。しかし、配当利回りは、市場平均と比較して、必ずしも高いとは言えません。また、配当利回りの変動幅が大きく、安定性に欠ける点も注意が必要です。

過去TMFに投資していた場合のYOCシミュレーション

過去TMFに投資していた場合のYOCシミュレーション
YOC
20140.78%
20150.91%
20160.93%
20170.76%
20180.87%
20190.65%
20200.48%
20210.60%
20222.21%
20232.61%
20243.77%

優れている点
ここ数年のYOCは比較的高い

気になる点
YOCは、株価の変動に大きく影響されるため、安定性に欠ける。

YOC(Yield on Cost)は、投資元本に対する配当利回りを表します。過去にTMFに投資していた場合、現在のYOCは低いことがわかります。例えば、2014年にTMFに投資していた場合、現在のYOCは0.78%であったことになります。
過去投資していた場合のYOCが低いことから、株価が下落傾向、もしくは配当利回りが成長していないことが読み取れます。

TMFの将来のYOC予想シミュレーション

TMFの将来のYOC予想シミュレーション
YOC
20243.77%
20253.28%
20262.85%
20272.47%
20282.15%
20291.87%
20301.62%
20311.41%
20321.22%
20331.06%
20340.92%

優れている点
-

気になる点
将来のYOCは、株価や分配金の変動によって大きく変わる可能性がある。
レバレッジ型ETFであるため、株価変動リスクが大きく、YOCの予想は不確実性が高い。

現在の株価と配当利回りが継続した場合、TMFの将来YOCは減少傾向となることがわかります。例えば、100万円を投資した場合、初年度の配当金は約3.77万円となり、10年後にはYOCは約9,200円まで下落する可能性があります。
しかし、これは現在のFRBによる利上げ環境により、ここ数年の債権価格が大きく下落していることが原因です。
今後利下げが進んだ場合は債権価格の上昇も予想され、シミュレーション結果も変わる可能性があります。
これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないことを認識しておきましょう。

TMFで月10万円の配当金を受け取るには?TMFの配当金受取シミュレーション

配当金生活をするには?毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月◯万円配当を受け取るために必要な投資額)

銘柄 株価 配当利回り 月間配当目標 必要投資額 必要投資額
(課税考慮)
必要株数
TMF $44.71
(¥6,901)
4.89%¥10,000 ¥2,455,683 ¥3,424,153 497株
¥30,000 ¥7,367,048 ¥10,272,459 1,489株
¥50,000 ¥12,278,413 ¥17,120,765 2,481株
¥100,000 ¥24,556,826 ¥34,241,529 4,962株

為替レート: 154.35円/ドル

類似ETF/銘柄との比較

長期米国債ETFのチャート
銘柄名銘柄コード過去1年のパフォーマンス配当利回り経費率特徴
ディレクション・デイリー20年超米国債ブル3XTMF-7.99%3.88%1.04%ICE米国国債20年超指数の3倍の値動きを目指すレバレッジ型ETF
バンガード超長期米国債ETFEDV0.92%4.33%0.06%ブルームバーグ・トレジャリー・ストリップス債20-30年イコール・パー・ボンド・インデックスに連動する超長期米国債ETF
iシェアーズ米国債20年超ETFTLT0.78%4.13%0.15%残存期間20年超の米国債で構成される指数に連動する米国債ETF

優れている点
EDVは経費率が0.06%と、TLT(0.15%)やTMF(1.04%)と比べて非常に低い
TLTは純資産総額が大きく、流動性が高い
TMFはレバレッジ型ETFのため、短期的な値上がり益を狙いたい場合に有効。

気になる点
TMFはレバレッジ型ETFのため、リスクが高い点に注意が必要。
EDVはTLTと比較して純資産総額が小さく、流動性が低い可能性がある。
長期金利が上昇すると、これらのETFの価格は下落する可能性がある。

TMF、EDV、TLTはそれぞれ異なる特徴を持つ長期米国債ETFです。過去1年のパフォーマンスを比較すると、TMFは-7.99%と下落していますが、これはレバレッジ型ETFであるため、金利上昇局面では大きな下落リスクがあることを示しています。一方、EDVとTLTはそれぞれ0.92%、0.78%とプラスのリターンとなっています。

特にEDVは経費率が0.06%と非常に低く、長期投資に適しています。TLTは純資産総額が582億ドルと大きく、流動性が高い点が魅力です。

これらのETFは、長期的な資産形成やポートフォリオの分散投資に活用できます。ただし、金利動向によって価格が変動するリスクがあるため、投資する際は注意が必要です。

TMFへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン

TMFへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン

優れている点
-

気になる点
過去10年間で、投資元本は大きく減少している。
長期投資には不向きである。

期間リターン
1年-2.0%
3年-82.3%
5年-82.4%
7年-77.5%
10年-73.0%

TMFへ過去に投資していた場合、過去10年間で、投資元本は大きく減少しています。これは、2020年以降の金利上昇局面において、レバレッジ型ETFであるTMFが大きな影響を受けたためです。TMFは、金利が低下する局面では高いリターンを期待できますが、金利が上昇する局面では大きな損失を被るリスクがあります。そのため、長期投資には不向きなETFと言えます。

TMFへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン

TMFへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン

優れている点
-

気になる点
過去10年間の年率リターンは、マイナスとなっている。
長期投資には不向きである。

期間リターン
1年-2.0%
3年-43.8%
5年-29.4%
7年-19.2%
10年-12.3%

TMFへ過去に投資していた場合、過去10年間の年率リターンは、マイナスとなっています。これは、2020年以降の金利上昇局面において、レバレッジ型ETFであるTMFが大きな影響を受けたためです。TMFは、金利が低下する局面では高いリターンを期待できますが、金利が上昇する局面では大きな損失を被るリスクがあります。そのため、長期投資には不向きなETFと言えます。

TMFへ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション

TMFへ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
評価額(万円)配当額(万円)評価額+配当累計額(万円)配当再投資評価額(万円)
201586.3086.386.3
201684.1084.184.1
2017102.80.4103.2103.2
201890.11.391.891.8
2019120.11.1123.0123.5
2020163.40.8167.0168.8
2021130.80.2134.7135.3
202235.40.639.837.2
202330.00.835.332.4
202420.80.626.723.0

優れている点
コロナショック時には大きく評価額が上昇した。

気になる点
10年前と比較して、評価額は大きく減少している。
配当金による収益も限定的である。

TMFへ10年前に100万円投資していた場合、2024年時点での評価額は約20.8万円と、大きく減少しています。これは、2020年以降の金利上昇局面において、レバレッジ型ETFであるTMFが大きな影響を受けたためです。また、配当金による収益も限定的であり、投資元本を大きく上回る収益を得ることはできていません。TMFは、金利が低下する局面では高いリターンを期待できますが、金利が上昇する局面では大きな損失を被るリスクがあります。そのため、長期投資には不向きなETFと言えます。

TMFのリスクファクター分析

TMFのリスクファクター分析
項目説明評価
ベータ6.22市場全体の動きに対する感応度非常に大きい感応度
52週ボラティリティ43.89%過去1年間の株価の変動幅株価の変動が非常に大きい
シャープレシオ0.13リスクに対するリターンの効率性効率性が低い
トータルリターン(1年)-2.03%過去1年間のトータルリターンマイナスリターン
最大ドローダウン-92.04%過去最大の資産価値の下落率非常に大きな下落リスク

優れている点
-

気になる点
ボラティリティが高く、株価の変動リスクが大きい。
シャープレシオが低く、リスクに対するリターンの効率性が低い。
最大ドローダウンが大きく、大きな損失を被るリスクがある。

TMFは、レバレッジ型ETFであるため、市場平均よりも高いリスクを抱えています。ボラティリティも高く、株価の変動リスクが大きいです。シャープレシオは0.13と低く、リスクに対するリターンの効率性が低いことも示唆しています。さらに、最大ドローダウンは-92.04%と非常に大きく、大きな損失を被るリスクがあります。

TMFへの投資戦略の提案

TMFは、20年超の米国債の価格変動にレバレッジをかけて投資するETFです。そのため、金利動向に非常に敏感であり、金利が低下する局面では大きなリターンを期待できますが、金利が上昇する局面では大きな損失を被るリスクがあります。

  • 短期的なトレード戦略: TMFは、金利動向を予測し、短期的なトレードを行うことで高いリターンを狙うことができます。ただし、レバレッジ型ETFであるため、リスク管理を徹底する必要があります。
  • ヘッジ戦略: 金利上昇リスクをヘッジするために、ポートフォリオの一部にTMFを組み入れることができます。ただし、TMFはボラティリティが高いため、ヘッジ効果を得るためには、適切なポジションサイズを設定する必要があります。

まとめ:TMFへの投資判断のポイント

TMFは、20年超の米国債に3倍のレバレッジをかけて投資するETFです。金利が低下する局面では大きなリターンを期待できますが、金利が上昇する局面では大きな損失を被るリスクがあります。そのため、リスク許容度の高い投資家や、短期的なトレード戦略を検討している投資家に向いています。投資を検討する際には、今後の金利動向を慎重に分析し、リスク管理を徹底する必要があります。また、レバレッジ型ETFであるため、長期投資には不向きであることを理解しておく必要があります。

TMFの投資判断で重要なポイント
総合評価:

金利動向への強い依存性
 →TMFは20年超の米国債の3倍レバレッジETFであるため、金利動向に非常に敏感です。金利が低下すると大きなリターンが期待できますが、上昇すると大きな損失を被るリスクがあります。
高いボラティリティ
 →レバレッジ型ETFであるため、価格変動が激しく、リスク許容度の低い投資家には適していません。
短期的なトレード戦略への適合性
 →金利動向を予測し、短期的なトレードを行うことで高いリターンを狙うことができます。
ヘッジ戦略としての利用
 →ポートフォリオの一部にTMFを組み入れることで、金利上昇リスクをヘッジすることができます。
長期投資への不適合性
 →レバレッジ型ETFは、長期投資には不向きです。複利効果がマイナスに働き、元本割れのリスクが高まります。
配当利回り
 →分配金は安定しておらず、増配と減配を繰り返していますが、2024年11月時点の配当利回りは3.77%と高水準です。
経費率
 →1.04%と高いため、長期投資には不利です。

この記事では、TMFという3倍レバレッジETFについて、その特徴、リスク、投資戦略などを詳しく解説しました。TMFは、金利低下局面では大きなリターンを狙える一方、金利上昇局面では大きな損失リスクを抱えるハイリスク・ハイリターンな商品です。 投資を検討する際は、以下のポイントを踏まえ、ご自身の投資スタイルやリスク許容度と照らし合わせて慎重に判断する必要があります。

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