【SPYD】配当金生活はできる?配当シミュレーションとリスク・リターン分析で将来性を解説!

【SPYD】 米国高配当株式ETF! 配当当金生活はできる? 配当/リスク/リターン分析 将来性を徹底解説!
ねこ

近年、FIREやサイドFIREといった早期リタイアを目指す人が増えていますね。経済的な自立を手に入れるためには、投資による資産形成は欠かせません。
特に、配当金による安定収入/不労所得は魅力的です。

そこで今回は、S&P500の高配当株80銘柄に投資するETF「SPYD」について解説します。果たしてSPYDで配当金生活は実現できるのでしょうか?
過去9年間のデータや将来予測、類似ETFとの比較分析を通して、その実力に迫ります!

この記事を読めば、SPYDのメリット・デメリットだけでなく、投資戦略、リスク管理まで理解することができます。あなたにとって最適な投資判断をするための一助となれば幸いです。

目次

SPYDとは?高配当株ETFの魅力とリスクを徹底解説!

銘柄の基本情報概要

項目SPYD
銘柄名SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF
ティッカーシンボルSPYD
運用会社State Street Global Advisors (SSGA)
経費率0.07%
設定日2015-10-21
運用資産額約72億ドル
配当利回り3.91%
特徴S&P500の高配当株80銘柄に投資

SPYDは、アメリカの運用会社State Street Global Advisorsが提供するETFです。S&P500構成銘柄の中から配当利回りの高い上位80銘柄に投資することで、高い配当収入を目指しています。経費率は0.07%と低コストで、初心者にも投資しやすいETFと言えるでしょう。

※ベンチマーク:S&P 500 High Dividend Index

SPYDは、S&P 500 High Dividend Indexに連動することを目指しています。この指数は、S&P 500指数の中で、過去12ヶ月間の配当利回りが上位80社の銘柄で構成されています。配当利回りの高い銘柄に絞り込むことで、高水準のインカムゲインを狙えるのが特徴です。

ただし、高配当株は必ずしも成長性が高いとは限らないため、株価上昇によるキャピタルゲインは限定的になる可能性もあります。

SPYDの組入銘柄比率

SPYDの組入銘柄比率
銘柄名比率
KELLANOVA1.59%
ENTERGY CORP1.56%
ONEOK INC1.55%
WILLIAMS COS INC1.54%
KINDER MORGAN INC1.51%
BRISTOL MYERS SQUIBB CO1.49%
KENVUE INC1.49%
MORGAN STANLEY1.45%
XCEL ENERGY INC1.44%
M & T BANK CORP1.44%
その他77.95%

SPYDは、特定の銘柄に偏ることなく、分散投資を実現しています。上位10銘柄の比率は1.59%から1.44%と、それぞれが全体の2%未満を占めています。

例えば、上位銘柄であるKELLANOVAは、シリアルやスナック菓子などを製造する食品会社です。また、ENTERGY CORPは、電力会社であり、ONEOK INCは、天然ガスのパイプライン事業を展開しています。このように、様々な業種の企業に投資することで、リスク分散効果を高めています。

SPYDのセクター比率

SPYDのセクター比率
セクター名比率
Real Estate24.49%
Utilities17.90%
Financial Services16.03%
Consumer Defensive10.59%
Healthcare8.33%
Consumer Cyclical6.16%
Energy4.84%
Communication Services3.88%
Basic Materials3.56%
Industrials2.61%
Technology1.59%

SPYDは、不動産、公益事業、金融セクターへの比率が高いのが特徴です。これらのセクターは、一般的に景気変動の影響を受けにくいとされています。

ただし、金利上昇局面では、不動産や公益事業セクターはパフォーマンスが低下する傾向があります。また、金融セクターは、規制強化や金融危機の影響を受けやすい側面もあります。

過去9年の株価チャートと分析

SPYDの過去9年の株価チャート

優れている点
2016年から現在まで、下落もありながら右肩上がりの上昇トレンドを示している
コロナ禍からの回復も早かった

気になる点
下落時の下落幅は比較的大きい
高配当株ETFは、金利上昇局面ではパフォーマンスが低下する傾向がある

SPYDの株価は、過去9年間、下落した時期もありながら、全体としては右肩上がりの上昇トレンドを示していました。特に、2020年のコロナ禍からの回復は比較的早く、力強い成長を見せていました。

SPYDは高配当株ETFであるため、金利上昇局面ではパフォーマンスが低下する傾向があります。これは、金利上昇によって債券の魅力が高まり、株式からの資金流出が起こるためです。2022年から2023年にかけてはFRBの利上げに伴う金利環境の影響により、株価が低迷していた時期もあることは認識しておく必要があります。

S&P500過去1年分チャートとの比較と分析

SPYDとS&P500の過去1年間のチャート比較

優れている点
S&P500と比較して、価格変動リスクが低い

気になる点
S&P500と比較して、リターンが低い

過去1年間のチャートを比較すると、SPYDはS&P500と比較して価格変動リスクが低いことがわかります。
しかし、その一方で、S&P500と比較してリターンが低いことも事実です。高配当株は株価上昇によるキャピタルゲインは限定的になる可能性がある点は留意する必要があります。

SPYDで配当金生活はできる?配当金の分析

SPYDの過去の配当金と増配率、その分析

SPYDの過去の配当金と増配率

優れている点
安定した配当金収入を得ることができる

気になる点
増配率は安定していない
2024年は減配している

SPYDは、高い配当金収入を得ることができるETFです。ただし、増配率は年によって変動があり、減配している事も多い事は認識しておきましょう。
2024年分について、12月の配当はチャート上反映していませんが、9月迄の配当額は前年と比較して微増となっています。

SPYDの配当金利回りの推移

SPYDの配当金利回りの推移

優れている点
市場平均よりも高い配当利回り

気になる点
年により配当利回りに若干のバラつき

SPYDの配当利回りは、市場平均よりも高く推移しています。
ただし、年によって配当利回りは安定しておらず、若干の変動がある点は気になります。

過去SPYDに投資していた場合のYOCシミュレーション

SPYDの過去YOCシミュレーション
YOC
20156.33%
20165.31%
20174.94%
20185.43%
20194.69%
20205.62%
20214.40%
20224.68%
20234.72%
20243.91%

優れている点
過去に投資していた場合、YOCは4%前後で推移している

気になる点
YOCは株価の変動によって大きく変わる可能性がある

YOC(Yield on Cost)とは、投資元本に対する配当利回りのことです。過去にSPYDに投資していた場合、いつ購入していた場合もYOCは約4%以上で推移しています。例えば、2015年にSPYDに100万円投資していた場合、2024年のYOCは6.33%となり、年間約6.33万円の配当金を受け取ることができます。
過去SPYDに投資していた場合、長期投資による株価上昇の恩恵を受け、高い配当利回りとなっていたことがわかります。

SPYDの将来のYOC予想シミュレーション

SPYDの将来YOC予想シミュレーション
YOC
20243.91%
20254.11%
20264.31%
20274.53%
20284.75%
20294.99%
20305.24%
20315.50%
20325.77%
20336.06%
20346.36%

優れている点
YOCは徐々に上昇していくと予想される

気になる点
これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではない

過去9年の株価成長率をもとに将来のYOC予想シミュレーションを行ってみると、現在の株価と配当利回りが維持された場合、100万円投資すると初年度の配当金は約3.91万円となり、10年後にはYOCは約6.36%まで上昇すると予想されます。

しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。

SPYDで配当金生活をするには?SPYDの配当金受取シミュレーション

配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)

銘柄 株価 配当利回り 月間配当目標 必要投資額 必要投資額
(課税考慮)
必要株数
SPYD $46.43
(¥6,912)
3.99%¥10,000 ¥3,010,179 ¥4,197,331 608株
¥30,000 ¥9,030,536 ¥12,591,992 1,822株
¥50,000 ¥15,050,894 ¥20,986,654 3,037株
¥100,000 ¥30,101,787 ¥41,973,308 6,073株

為替レート: 148.88円/ドル

SPYDへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン

SPYDの累積トータルリターン

優れている点
右肩上がりの成長傾向

気になる点
-

銘柄期間リターン
SPYD1年リターン31.9%
SPYD3年リターン35.3%
SPYD5年リターン55.7%
SPYD7年リターン75.3%

SPYDは、右肩上がりの成長を続けてきました。過去いつ投資していても、プラスのリターンが得られていたことがわかります。

SPYDへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン

SPYDの年率トータルリターン

優れている点
安定したリターン

気になる点
-

銘柄期間リターン
SPYD1年リターン31.9%
SPYD3年リターン10.6%
SPYD5年リターン9.3%
SPYD7年リターン8.3%

SPYDは、過去7年間で年率8.3%と安定したリターンを上げています。

SPYDへ9年前に100万円投資していた場合のシミュレーション

SPYDの投資成長シミュレーション
評価額(万円)配当額(万円)評価額+配当累計額(万円)配当再投資評価額(万円)
2016119.15.2124.3123.5
2017128.05.9139.1138.4
2018116.45.5133.1132.5
2019134.96.0157.5159.3
2020112.65.6140.8140.9
2021143.75.3177.2185.0
2022135.36.8175.5183.4
2023133.96.2180.4190.2
2024161.74.5212.7234.8

優れている点
配当再投資をしていた場合、9年間で約2.3倍に成長

気になる点
2018年、2020年等、下落した年も存在

SPYDに9年前に100万円投資していた場合、2024年には評価額が約161.7万円、配当金再投資を行うと約234.8万円にまで成長しています。つまり、約2.3倍に資産を増やすことができたことになります。

SPYDのリスクファクター分析

SPYDのリスクファクター分析
項目説明評価
ベータ0.87市場全体の動きに対する感応度市場平均より変動が小さい
52週ボラティリティ13.05%過去1年間の価格変動の大きさ比較的安定している
シャープレシオ2.56リスクあたりのリターン高い
トータルリターン(1年)3811.63%過去1年間のトータルリターン非常に高い
最大ドローダウン-46.42%過去最大の値下がり幅大きい

優れている点
市場平均より変動が小さい
リスクあたりのリターンが高い

気になる点
過去最大の値下がり幅が大きい

SPYDは、市場平均より変動が小さい傾向であり、リスクあたりのリターンが高いという特徴があります。しかし、過去最大の値下がり幅が-46.42%と大きく、下落リスクが比較的大きい点には注意が必要です。

SPYDへの投資戦略の提案

SPYDは、高配当と安定性を求める投資家にとって魅力的なETFです。以下のような投資戦略が考えられます。

  • 長期投資: SPYDは、高配当を目的とした長期投資に適しています。配当金を再投資することで、複利効果で資産を大きく増やすことが期待できます。
  • ポートフォリオの一部としての保有: SPYDをポートフォリオの一部として保有することで、リスク分散効果を期待できます。特に、成長株中心のポートフォリオに組み入れることで、安定性を高めることができます。
  • 積立投資: 毎月一定額を積立投資することで、時間分散効果を得ることができます。価格変動リスクを抑えながら、長期的に安定したリターンを追求することができます。

まとめ:SPYDへの投資判断のポイント

SPYDは、S&P500の高配当株に投資することで、高い配当収入と安定的な成長を目指すETFです。経費率が低く、初心者にも投資しやすい点が魅力です。
長期投資やポートフォリオの一部としての保有、積立投資など、様々な投資戦略に活用できます。
ただし、金利上昇や景気後退による減配リスク、為替リスクなどには注意が必要です。
投資判断を行う際は、自身の投資目標やリスク許容度を考慮し、SPYDの特徴を理解した上で慎重に判断しましょう。

SPYDの投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:

高配当利回り
 →SPYDは市場平均を上回る高い配当利回りを実現しており、インカムゲイン重視の投資家に最適です。
分散投資
 →S&P500の高配当株80銘柄に分散投資することで、リスクを抑えながら安定的なリターンを目指せます。
低コスト
 →経費率0.07%と低コストで運用できるため、効率的に投資できます。
長期的な安定性
 →不動産や公益事業セクターの比率が高く、景気変動の影響を受けにくい点は魅力です。
金利上昇リスク
 →高配当株は金利上昇局面でパフォーマンスが低下する傾向があるため注意が必要です。
成長性の低さ
 →高配当株は成長性が低い傾向があり、株価上昇によるキャピタルゲインは限定的になる可能性があります。
減配リスク
 →業績悪化による減配リスクは常に存在するため、企業の財務状況などを確認する必要があります。

SPYDは、高配当利回り、分散投資、低コストといったメリットを持つETFです。しかし、金利上昇リスクや成長性の低さ、減配リスクといったデメリットも存在します。投資判断をする際は、自身の投資目標やリスク許容度を考慮し、メリットとデメリットを比較検討することが重要です。 SPYDは、長期投資やポートフォリオの一部としての保有、積立投資など、様々な投資戦略に活用できます。配当金生活を目指すのであれば、SPYDは有力な選択肢の一つとなるでしょう。 より深くSPYDについて理解するために、今回ご紹介した情報以外にも、最新の市場動向や専門家の意見などを参考に、さらなる調査を進めることをおすすめします。
この記事があなたの投資判断の一助となれば幸いです。今後も、投資初心者の方にもわかりやすく役立つ情報を発信していきますので、ぜひ他の記事も見てみてくださいね!

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