米国株価指数であるS&P500は、長期的に見ると右肩上がりで成長していますが、短期的には下落する局面ももちろんあります。
そんな時こそ、S&P500の下落から利益を狙える「SPXS」というETFが注目されます。
今回は、SPXSの特徴やリスク、そして投資戦略まで詳しく解説します!S&P500の下落局面で大きなリターンを狙いたい方は必見です!
SPXSの魅力:5つのキーワード🔑
S&P500の値動きと逆相関
下落相場で利益を狙える
レバレッジ3倍でハイリターンを狙える
ハイリスク・ハイリターン
短期トレード向け
SPXSとは?
SPXSの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | ディレクション デイリー S&P 500 ベア 3X シェアーズ |
銘柄コード | SPXS |
経費率 | 1.07% |
設定日 | 2008年11月5日 |
運用会社 | Direxion |
ベンチマーク | S&P 500 指数 |
SPXSは、Direxionが運用する、S&P 500 指数の日次パフォーマンスの逆方向に3倍の動きを目指すレバレッジ型ETFです。 つまり、S&P 500 が1%下落すると、SPXSは約3%上昇することを目指します。
銘柄の特徴
S&P 500 指数に連動した逆方向の動き:
→ SPXSは、S&P 500 指数の日次パフォーマンスの逆方向に3倍の動きを目指します。
レバレッジ3倍:
→ S&P 500 指数の動きを3倍に増幅するため、大きな利益を狙うことができます。
ハイリスク・ハイリターン:
→ レバレッジ型ETFであるため、大きな利益を狙える一方で、大きな損失を被る可能性もあります。
短期トレード向け:
→ 日々のリバランスを行うため、長期保有には向いていません。
ボラティリティが高い:
→ S&P 500 指数の動きを3倍に amplified するため、価格変動が大きくなります。
ベンチマークの説明
SPXSのベンチマークはS&P 500 指数です。S&P 500 指数は、アメリカの代表的な株価指数であり、ニューヨーク証券取引所、ナスダックなど、アメリカを代表する企業500社の株式を対象としています。時価総額加重平均型指数であり、アメリカの株式市場全体を反映する指標として広く利用されています。
過去10年の株価推移チャートと分析
SPXSの株価は、S&P 500 指数と逆相関の関係にあります。
2020年のコロナショックや2022年の金融引き締め局面では、S&P 500 指数が大きく下落したため、SPXSは大きく上昇しています。
一方で、S&P 500 指数が上昇している期間では、SPXSは下落しています。
SPXSは、短期的な下落トレンドを狙うトレードに適していますが、長期保有には向いていません。
S&P500過去1年分チャートとの比較と分析
過去1年間で、S&P 500 は上昇していますが、SPXSは大きく下落しています。
これは、SPXSがS&P 500 指数のインバース型ETFであるためです。
S&P 500 が下落する局面ではSPXSが上昇し、S&P 500 が上昇する局面ではSPXSが下落するという特徴を理解しておく必要があります。
SPXSの配当金の分析
過去の配当金と増配率、その分析
SPXSは、配当金を出していますが、その金額は安定していません。
また、増配率も大きく変動しています。
これは、SPXSが短期トレード向けのETFであり、配当金を重視した設計になっていないためと考えられます。
配当金利回りの推移
SPXSの配当利回りは、市場平均と比較して低い水準です。
また、配当利回りも安定しておらず、大きく変動しています。
SPXSは、配当利回りを重視する投資家には向いていません。
将来のYOC予想シミュレーション
年 | YOC(%) |
---|---|
2024 | 6.95 |
2025 | 4.17 |
2026 | 2.51 |
2027 | 1.51 |
2028 | 0.91 |
2029 | 0.54 |
2030 | 0.33 |
2031 | 0.20 |
2032 | 0.12 |
2033 | 0.07 |
2034 | 0.04 |
現在の株価上昇率・利回りが継続した場合、10年後のYOCは0.04%と予想されています。
例えば、100万円を投資した場合、初年度の配当金は約6.95万円、10年後の配当金は約400円となります。
しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
S&P500に連動するベア型ETF:SPXS・SPXU・SDS・SH徹底比較!
銘柄名 | 銘柄コード | 運用会社 | 過去1年のパフォーマンス | 経費率 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
ディレクション デイリー S&P 500 ベア 3X シェアーズ | SPXS | Direxion | -49.22% | 1.07% | S&P500の日次騰落率の-3倍を目指す |
プロシェアーズ ウルトラプロ ショート S&P500 | SPXU | ProProShares | -51.08% | 0.90% | S&P500の日次騰落率の-3倍を目指す |
プロシェアーズ ウルトラショート S&P500 | SDS | ProProShares | -36.91% | 0.90% | S&P500の日次騰落率の-2倍を目指す |
プロシェアーズ ショート S&P500 | SH | ProProShares | -20.25% | 0.88% | S&P500の日次騰落率の-1倍を目指す |
上記データとチャートから、SPXS、SPXU、SDS、SHはどれもS&P500の下落に連動して値上がりしていることがわかります。
特に、SPXSとSPXUは-3倍のレバレッジETFであるため、より大きなリターンを狙えますが、その分リスクも高くなります。
一方で、SDSは-2倍、SHは-1倍のレバレッジETFのため、リスクは比較的抑えられています。
具体的に見てみると、過去1年間で最もパフォーマンスが良かったのはSPXUで-51.08%、次いでSPXSが-49.22%となっています。
これは、S&P500が大きく下落した局面で、これらの銘柄が大きく値上がりしたことを示しています。
しかし、これらのETFは日次リターンを目指す商品であるため、長期保有には向いていません。
複利効果の影響で、長期的に保有すると想定通りのリターンを得られない可能性があります。
そのため、これらのETFは短期的なトレードや、S&P500の下落に対するヘッジとして活用するのが適切と言えるでしょう。
10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2015 | 85.2 | 0.0 | 85.2 | 85.2 |
2016 | 72.7 | 0.0 | 72.7 | 72.7 |
2017 | 43.5 | 0.0 | 43.5 | 43.5 |
2018 | 24.2 | 0.1 | 24.3 | 24.3 |
2019 | 25.4 | 0.2 | 25.7 | 25.7 |
2020 | 10.6 | 0.0 | 11.0 | 10.8 |
2021 | 3.4 | 0.0 | 3.7 | 3.4 |
2022 | 1.3 | 0.0 | 1.7 | 1.3 |
2023 | 1.9 | 0.5 | 2.3 | 1.9 |
2024 | 6.1 | 0.2 | 10.0 | 6.6 |
10年前にSPXSに100万円を投資していた場合、2024年時点での評価額は約6100円と、大きく元本を割っています。
これは、S&P 500 指数が上昇トレンドであったこと、そしてSPXSがインバース型ETFであるため、S&P 500 指数の上昇局面では下落してしまうためです。
SPXSは、短期的な下落トレンドを狙うトレードに適していますが、長期保有には向いていません。
リスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | -2.95 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場と逆方向に約3倍の動き |
52週ボラティリティ | 156.60% | 過去1年間の価格変動の大きさ | ボラティリティが非常に高い |
シャープレシオ | -1.62 | リスクに対するリターンの効率性を示す指標 | 効率性が低い |
トータルリターン(1年) | -47.68% | 過去1年間のトータルリターン | パフォーマンスが低い |
最大ドローダウン | -59.00% | 過去最高値からの下落幅 | 大きなドローダウンが発生する可能性がある |
SPXSは、ボラティリティが非常に高く、リスクが高いETFです。
また、シャープレシオも低く、効率性も低いと言えます。
短期的なトレード以外での利用は推奨されません。
投資戦略の提案
- 短期的な下落トレンドを狙う: SPXSは、S&P 500 指数の短期的な下落トレンドを狙うトレードに適しています。
- ヘッジとして利用する: SPXSをポートフォリオの一部に組み入れることで、市場全体の下落リスクをヘッジすることができます。
- 損切りの設定を徹底する: SPXSはボラティリティが高いため、損切りの設定を徹底することが重要です。
- 頻繁な取引は避ける: SPXSは経費率が高いため、頻繁な取引は避けるべきです。
- 長期保有は避ける: SPXSは日々のリバランスを行うため、長期保有には向いていません。
まとめと投資判断のポイント
SPXSは、S&P 500 指数の日次パフォーマンスの逆方向に3倍の動きを目指すレバレッジ型ETFです。
短期的な下落トレンドを狙うトレードや、ヘッジとして利用することができます。
しかし、ボラティリティが高く、リスクも高いため、投資経験豊富な方や短期トレードを目的とした方以外にはおすすめできません。
投資する際は、SPXSの特徴やリスクを十分に理解した上で、慎重に判断する必要があります。
SPXSの投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
S&P500下落局面での爆発力: S&P500が1%下落するとSPXSは約3%上昇し、大きなリターンが期待できます。
ヘッジとしての有効性: ポートフォリオに組み入れることで、市場全体の下落リスクをヘッジできます。
短期トレード向け: 毎日のリバランスにより長期保有には不向きで、短期的な下落トレンドを狙う必要があります。
ボラティリティの高さ: レバレッジ3倍のため価格変動が激しく、リスク許容度が高い方向けです。
経費率の高さ: 他のETFと比較して経費率が高いため、頻繁な取引はコスト増に繋がります。
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