毎月分配型の高配当ETFとして人気のRYLD。
しかし、分配金や株価の変動が大きく、本当に投資して良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、RYLDの分配金・株価・将来性を徹底的に分析し、投資判断のポイントをわかりやすく解説します。
RYLDへの投資を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
RYLDの魅力:5つのキーワード🔑
高配当
ラッセル2000指数に連動
毎月分配
リスク管理が必要
長期投資向き
RYLDとは?
RYLDの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | Global X Russell 2000 Covered Call ETF |
銘柄コード | RYLD |
配当利回り | 12.38% |
設定日 | 2019年4月22日 |
運用資産額 | 約14億ドル |
経費率 | 0.60% |
RYLDは、Global X Fundsが運用するETFで、ラッセル2000指数を構成する銘柄を保有し、さらにコールオプションを売却することで安定的なインカム収入を目指しています。
銘柄の特徴
- 高配当:
RYLDは高い配当利回りを特徴としており、毎月分配を行っています。
- ラッセル2000指数への連動:
アメリカの小型株で構成されるラッセル2000指数に連動したパフォーマンスを目指します。
- カバードコール戦略:
保有株のコールオプションを売却することで、安定的なインカム収入を得る戦略を採用しています。
- 毎月分配:
毎月分配金を受け取ることができるため、配当収入を重視する投資家に適しています。
- 価格変動リスク:
株式市場の変動によって価格が上下するリスクがあります。
ベンチマークの説明
RYLDのベンチマークはCBOE Russell 2000 BuyWrite Indexです。この指数は、ラッセル2000指数を保有し、同時にその指数に対するカバードコールオプションを売却する戦略をとることで、安定的なインカム収入と、株式市場の上昇局面における一定の値上がり益の獲得を目指しています。RYLDはこの指数の動きに連動することを目指すことで、同様の投資成果を目指しています。
セクター比率
セクター名 | 比率(%) |
---|---|
ヘルスケア | 17.31 |
金融サービス | 16.56 |
資本財・サービス | 15.56 |
情報技術 | 14.51 |
一般消費財・サービス | 9.91 |
不動産 | 7.27 |
エネルギー | 5.69 |
素材 | 4.72 |
生活必需品 | 3.47 |
公益事業 | 2.85 |
通信サービス | 2.13 |
RYLDは、ラッセル2000指数に連動するため、アメリカの小型株に幅広く投資しています。セクター比率を見ると、ヘルスケア、金融サービス、資本財・サービスの比率が高くなっています。
小型株は大型株に比べて成長性が高い一方で、景気の影響を受けやすい傾向があります。そのため、RYLDは景気拡大局面では大きく値上がりする可能性がありますが、景気後退局面では値下がりリスクも高まります。
過去5年の株価推移チャートと分析
RYLDの株価は、2020年に大きく上昇した後、2021年、2023年、2024年は下落しています。
2022年はプラス成長となりましたが、全体的には不安定な値動きとなっています。これは、小型株で構成されるラッセル2000指数の値動きと連動しており、市場環境の影響を受けやすいことを示しています。
S&P500過去1年分チャートとの比較と分析
過去1年間のパフォーマンスを比較すると、RYLDは-7.97%とS&P500の27.11%を大きく下回っています。これは、RYLDが小型株に投資していること、そしてカバードコール戦略によって株価上昇が制限されることが要因と考えられます。
一方で、高配当利回りは魅力的であり、配当収入を重視する投資家にとっては検討の余地があります。
RYLDの配当金の分析
過去の配当金と増配率、その分析
RYLDは、2019年から2021年にかけて増配を続けてきましたが、2022年からは減配傾向にあります。これは、市場環境の悪化やカバードコール戦略の影響を受けていると考えられます。今後の配当金の推移については、市場環境やRYLDの運用状況を注視する必要があります。
配当金利回りの推移
RYLDの配当利回りは、市場平均と比較して高水準で推移しています。しかし、株価の変動によって配当利回りも大きく変動するため、注意が必要です。
将来のYOC予想シミュレーション
年 | 予想YOC(%) |
---|---|
2024 | 12.38 |
2025 | 11.84 |
2026 | 11.33 |
2027 | 10.84 |
2028 | 10.37 |
2029 | 9.92 |
2030 | 9.49 |
2031 | 9.08 |
2032 | 8.69 |
2033 | 8.31 |
2034 | 7.95 |
現在の株価と配当利回りが継続した場合、100万円をRYLDに投資すると、初年度は約12.38万円の配当金を受け取ることができ、10年後には約7.95万円の配当金を受け取ることができると予想されます。
高いYOCを期待できますが、YOCは低下傾向にあるため、注意が必要です。
しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
QYLD・XYLD・RYLD・JEPQ・JEPI比較!
銘柄名 | 銘柄コード | 過去1年のパフォーマンス | 配当利回り | 経費率 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
Global X NASDAQ 100 Covered Call ETF | QYLD | 3.58% | 11.69% | 0.61% | NASDAQ100に連動し、コールオプションの売却による安定的なインカム収入を目指す |
Global X S&P 500 Covered Call ETF | XYLD | 2.97% | 9.38% | 0.60% | S&P500に連動し、コールオプションの売却による安定的なインカム収入を目指す |
Global X Russell 2000 Covered Call ETF | RYLD | -7.97% | 12.26% | 0.60% | Russell2000に連動し、コールオプションの売却による安定的なインカム収入を目指す |
JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF | JEPQ | 13.89% | 9.16% | 0.35% | NASDAQ100に連動し、ELNとコールオプションの売却によるインカム収入を目指す |
JPMorgan Equity Premium Income ETF | JEPI | 5.69% | 7.19% | 0.35% | S&P500に連動し、ELNとコールオプションの売却によるインカム収入を目指す |
カバーコール戦略とは、株式を保有しつつ、コールオプションを売却することで、安定的なインカム収入を得る戦略です。株価が横ばいか緩やかに上昇する局面では有効ですが、株価が大きく上昇する局面では利益が制限される可能性があります。
一方、JEPQとJEPIは、それぞれNASDAQ100、S&P500に連動し、ELN(Equity Linked Notes)とカバーコール戦略を組み合わせたETFです。ELNとは、株式や株価指数に連動する債券の一種で、通常の債券よりも高い利回りが期待できます。
過去1年のパフォーマンスを見ると、JEPQが13.89%と最も高く、次いでJEPIが5.69%となっています。QYLD、XYLDはそれぞれ3.58%、2.97%と、比較的安定したパフォーマンスを示しています。
一方、RYLDは-7.97%と、マイナス成長となっています。
配当利回りは、QYLDが11.69%と最も高く、次いでRYLDが12.26%となっています。JEPQ、XYLD、JEPIはそれぞれ9.16%、9.38%、7.19%と、こちらも比較的高い水準です。
経費率は、JEPQとJEPIが0.35%と最も低く、QYLD、XYLD、RYLDは0.60%前後となっています。
このように、各銘柄にはそれぞれ特徴があります。どの銘柄を選ぶかは、自身の投資目標やリスク許容度などを考慮して判断する必要があります。
5年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2020 | 102.0 | 9.7 | 111.7 | 111.7 |
2021 | 89.5 | 12.1 | 111.3 | 110.1 |
2022 | 98.1 | 10.2 | 130.1 | 130.8 |
2023 | 75.2 | 7.8 | 114.9 | 108.0 |
2024 | 64.3 | 4.6 | 108.6 | 96.9 |
5年前にRYLDに100万円投資していた場合、評価額は64.3万円まで下落していますが、配当金を含めた累計収益は108.6万円となっています。配当金によって収益が増加していることがわかります。しかし、元本割れのリスクもあるため、注意が必要です。
リスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 0.52 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均よりも変動が小さい |
52週ボラティリティ | 19.69% | 過去1年間の価格変動の大きさ | ボラティリティはやや高い |
シャープレシオ | 0.27 | リスクに対するリターンの効率性を示す指標 | 効率性は低い |
トータルリターン(1年) | 4.40% | 過去1年間のトータルリターン | 市場平均を下回る |
最大ドローダウン | -8.12% | 過去最大の資産価値の下落率 | ドローダウンリスクは moderate |
PER | 10.06 | 株価収益率。割安性を示す指標 | 割安感はある |
RYLDは、ベータが低く、市場平均よりも変動が小さいという特徴があります。しかし、ボラティリティ、シャープレシオ、トータルリターンが低い点は注意が必要です。
投資戦略の提案
RYLDへの投資は、高配当を期待できる一方で、株価の変動リスクや減配リスクを考慮する必要があります。
- 長期投資: RYLDは、高配当を目的とした長期投資に適しています。
- ポートフォリオの一部: RYLDをポートフォリオの一部として保有することで、リスク分散効果を期待できます。
- 市場環境の注視: 投資する際には、市場環境やRYLDの運用状況を注視することが重要です。
まとめと投資判断のポイント
RYLDは、高配当と毎月の分配が魅力的なETFですが、株価の変動リスクや減配リスクも考慮する必要があります。長期投資の視点で、ポートフォリオの一部として保有することで、安定的なインカム収入を得られる可能性があります。ただし、投資判断は自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて慎重に行うようにしましょう。
RYLDの投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
高配当・毎月分配
→RYLDは12%を超える高い配当利回りで、かつ毎月分配を行っている点は大きな魅力です。
ラッセル2000指数への連動
→アメリカの小型株で構成されるラッセル2000指数に連動しており、高い成長ポテンシャルを秘めています。小型株への投資はリスクも高いですが、大きなリターンも期待できます。
カバードコール戦略
→カバードコール戦略を採用することで、安定的なインカム収入を目指しています。ただし、株価上昇の恩恵が100%受けられない可能性も理解しておく必要があります。
株価の変動リスク
→小型株中心の構成とカバードコール戦略の影響を受け、株価の変動リスクは比較的高めです。
減配リスク
→分配金の原資は主にオプションプレミアムとなるため、市場環境によっては減配の可能性も考慮する必要があります。
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