【QYLD】QYLDで配当金生活はできる?配当シミュレーションとリスク・リターン分析で将来性を解説!

【QYLD】 毎月分配& 配当利回り10%超! 高配当ETF「QYLD」徹底解説! 将来性とリスクを分析
ねこ

「毎月安定した収入が欲しい」
そんな悩みをお持ちの方もいるのでは?
今回は、なんと10%を超える驚異的な配当利回りを誇る米国ETF「QYLD」について徹底解説します。QYLDは、NASDAQ100指数に連動しながらも、独自の戦略で高配当を実現している注目のETFです。

しかし、高配当の裏にはどんなカラクリがあるのでしょうか?本当にリスクは低いのでしょうか?この記事では、QYLDの仕組みからメリット・デメリット、さらには将来性まで、投資判断に必要な情報を分かりやすくお伝えします。
QYLDへの投資を検討している方、高配当ETFに興味がある方は必見です!

目次

QYLDとは?

QYLDの基本情報

項目内容
銘柄名Global X NASDAQ 100 Covered Call ETF
ティッカーシンボルQYLD
運用会社Global X
信託報酬0.61%
ベンチマークCBOE NASDAQ-100 BuyWrite V2 Index
設定日2013-12-12
運用資産総額約82億ドル
特徴高配当

QYLDは、Global Xが運用するNASDAQ 100に連動したカバードコール戦略を用いたETFです。NASDAQ 100の構成銘柄を保有しつつ、コールオプションを売却することで、オプションプレミアム収入を得て高配当を実現しています。経費率は0.61%と、一般的なETFと比較してやや高めです。

※ベンチマークの説明
QYLDのベンチマークであるCBOE NASDAQ-100 BuyWrite V2 Indexは、NASDAQ 100の構成銘柄を保有し、毎月満期となるコールオプションを売却する戦略をとる指数です。この指数は、NASDAQ 100のパフォーマンスに、コールオプションの売却によるプレミアム収入を加えたものを表しています。
※カバードコール戦略とは?
カバードコール戦略は、まず株式を保有した上で、その株式を将来の特定の価格で売る権利、コールオプションを他の投資家に売却する戦略です。例えば、現在100円の株式を持っている場合、1ヶ月後に110円で売る権利を5円で売却するといった具合です。
この5円がオプション料収入となり、これが配当の原資となります。
この戦略では、株価が110円を超えても、約束通り110円で売らなければならないため、値上がり益は限られます。
しかし、株価が110円以下であれば、オプション料として得た5円がそのまま収入として残るため、安定的な配当収入を得ることができます。つまり、大きな値上がり益は諦める代わりに、定期的なオプション料収入を得ることで、高い配当利回りを実現する戦略と言えます。
株価が横ばいや緩やかな上昇にとどまる相場では特に効果的ですが、株価が急騰するような相場では、通常の株式投資と比べて収益が劣る可能性があります。

カバードコール戦略の手順

QYLDの組入銘柄比率

QYLDの組入銘柄比率
銘柄名比率
NVIDIA CORP8.81%
APPLE INC8.49%
MICROSOFT CORP7.77%
AMAZON.COM INC5.43%
BROADCOM INC4.99%
META PLATFORMS INC4.91%
TESLA INC3.68%
COSTCO WHOLESALE CORP2.59%
ALPHABET INC-CL A2.52%
ALPHABET INC-CL C2.42%

QYLDは、NASDAQ100を構成する上位100銘柄に投資しており、その中でもNVIDIA、Apple、Microsoftなどの大型テック企業への投資比率が高いことが特徴です。これらの企業は、高い成長性と収益力を有しており、NASDAQ100全体のパフォーマンスを牽引する役割を果たしています。また、情報技術セクターへの集中投資であるため、同セクターの動向に大きく左右される可能性があります。

QYLDのセクター比率

QYLDのセクター比率
セクター名比率
Technology51.41%
Communication Services15.71%
Consumer Cyclical12.69%
Consumer Defensive6.40%
Healthcare6.35%
Industrials3.42%
Basic Materials1.54%
Utilities1.32%
Financial Services0.51%
Energy0.45%
Real Estate0.21%

QYLDは、情報技術セクターへの投資比率が50%を超えており、次いでコミュニケーションサービス、一般消費財セクターの比率が高いことが分かります。このセクター構成は、NASDAQ100の構成を反映したものであり、米国経済の成長技術革新の恩恵を受けやすい一方で、金利上昇や景気減速の影響を受けやすい側面も持ち合わせています。

QYLDの過去10年の株価チャートと分析

QYLDの過去10年の株価チャート

優れている点
2015年から2018年にかけて緩やかな上昇トレンドを示していた

気になる点
特に2022年以降は株価が下落傾向にある
株価の値上がり益は限定的である

QYLDの株価は、2015年から2018年にかけて緩やかな上昇トレンドを示していましたが、2022年以降は下落傾向にあります。これは、NASDAQ100の下落金利上昇の影響を受けていると考えられます。QYLDは、高配当であるため、インカムゲインを目的とした投資に適していますが、株価の値上がり益は限定的であることに注意が必要です。

QYLDとS&P500の過去1年分のチャートの比較と分析

QYLDとS&P500の過去1年分のチャート

優れている点
S&P500と比較して、価格変動リスクが比較的低め

気になる点
S&P500と比較して、リターンが低い
株価は横ばい傾向にある

過去1年間において、QYLDのリターンはS&P500を大きく下回っています。QYLDは、株価が横ばい傾向にある一方で、S&P500は上昇傾向にあります。QYLDは、高配当利回りであるため、インカムゲインを重視する投資家にとっては魅力的な選択肢となります。しかし、キャピタルゲインも期待する投資家にとっては、S&P500の方が良い選択肢となる可能性があります。

QYLDで配当金生活はできる?配当金の分析

QYLDの過去の配当金と増配率、その分析

QYLDの過去の配当金と増配率

優れている点
高い配当利回り
毎月分配金が支払われる

気になる点
配当金は安定しておらず、減配の可能性もある
増配率はマイナス傾向

QYLDは、NASDAQ100を対象としたカバードコール戦略を採用しているため、高い配当利回りを実現しています。また、毎月分配金が支払われることも魅力です。しかし、配当金は安定しておらず、減配の可能性もあります。実際、2022年以降は減配傾向にあります。

QYLDの配当金利回りの推移

QYLDの配当金利回りの推移

優れている点
市場平均を大きく上回る配当利回り

気になる点
配当利回りは安定しない

QYLDの配当利回りは、市場平均を大きく上回っています。しかし、利回りは大きく変化しており安定していません。また、直近は配当利回りが高くなっているように見えますが、株価が下落しているため、配当金額自体は減配傾向です

過去QYLDに投資していた場合のYOCシミュレーション

過去QYLDに投資していた場合のYOCシミュレーション
YOC
20148.68%
20158.91%
20169.33%
20178.50%
20189.79%
20198.83%
20209.15%
20219.40%
202213.11%
202312.03%
202411.53%

優れている点
YOCは比較的安定している

気になる点
YOCは低下傾向にある

YOC(Yield on Cost)とは、投資元本に対する配当利回りのことです。
過去に投資していた場合のYOCを分析すると、どの時点で投資していた場合も現在YOCは8%以上であったことがわかります。
例えば、2014年末に投資していた場合、現在のYOCは8.68%になっていたことになります。

QYLDの将来のYOC予想シミュレーション

QYLDの将来のYOC予想シミュレーション
YOC
202411.53%
202511.21%
202610.89%
202710.58%
202810.28%
20299.99%
20309.70%
20319.43%
20329.16%
20338.90%
20348.65%

優れている点
10年後も高い配当利回りが継続

気になる点
過去、株価が低下傾向であるため、YOCも年々低下する可能性がある
将来の配当金の支払いや成長を保証するものではない

現在の株価上昇率・配当利回りが継続した場合のシミュレーション結果を見てみましょう。
現在100万円をQYLDに投資した場合、初年度の配当金は約11.5万円と予想されます。10年後も8.6%程度のYOCを期待できます。
過去10年の株価が減少傾向であるため、過去の成長率を元にしたシミュレーションでもYOCは低下傾向となっています。
しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。

QYLDで月10万円の配当金を受け取るには?QYLDの配当金受取シミュレーション

配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)

銘柄 株価 配当利回り 月間配当目標 必要投資額 必要投資額
(課税考慮)
必要株数
QYLD $18.01
(¥2,804)
10.68%¥10,000 ¥1,123,226 ¥1,566,204 559株
¥30,000 ¥3,369,679 ¥4,698,611 1,676株
¥50,000 ¥5,616,132 ¥7,831,018 2,793株
¥100,000 ¥11,232,264 ¥15,662,037 5,585株

為替レート: 155.71円/ドル

QYLD・XYLD・NASDAQを比較

QYLD・XYLD・^NDXのチャート
銘柄銘柄コード過去1年の株価上昇配当利回り経費率特徴
Global X NASDAQ 100 Covered Call ETFQYLD5.79%約12%0.61%NASDAQ100に連動し、カバードコール戦略を用い毎月分配金を出す高配当ETF
Global X S&P 500 Covered Call ETFXYLD7.68%約10%0.60%S&P500に連動し、カバードコール戦略を用い毎月分配金を出す高配当ETF
NASDAQ 100^NDX28.77%--米国NASDAQ市場に上場する時価総額上位100社の指数

優れている点
QYLDとXYLDはどちらも高い配当利回りを誇り、毎月分配金を受け取ることができます。
QYLDはNASDAQ100、XYLDはS&P500という、米国を代表する株価指数に連動しており、分散投資の効果が期待できます。
^NDXはNASDAQ100指数に連動しており、米国経済の成長を享受したい投資家に適しています。

気になる点
QYLDとXYLDは株価の上昇余地が限定される可能性があります。
QYLDとXYLDは経費率が比較的高いため、運用コストに注意が必要です。
^NDXは配当金を出さないため、インカムゲインを期待する投資家には不向きです。

QYLD、XYLD、^NDX(NASDAQ100)の過去1年のパフォーマンスを比較すると、^NDXが最も高く、28.77%の上昇となっています。QYLDとXYLDはそれぞれ5.79%、7.68%と、NASDAQ100より低いパフォーマンスとなっています。これは、QYLDとXYLDがカバードコール戦略を採用しており、株価の上昇余地が限定されるためです。

しかし、QYLDとXYLDは高い配当利回りを誇り、毎月分配金を受け取ることができます。QYLDの配当利回りは約12%、XYLDは約10%と、NASDAQ100を大きく上回っています。そのため、インカムゲインを重視する投資家にとっては、QYLDとXYLDは魅力的な選択肢となります。

また、QYLDとXYLDはNASDAQ100とS&P500という、米国を代表する株価指数に連動しており、分散投資の効果が期待できます。^NDXはNASDAQ100指数に連動しており、米国経済の成長を享受したい投資家に適しています。

このように、QYLD、XYLD、^NDXはそれぞれ異なる特徴を持つため、投資家の目的やリスク許容度に応じて適切な銘柄を選ぶことが重要です。

QYLDへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン

QYLDへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン

優れている点
長期的に見ると、着実にリターンを積み上げている

気になる点
2022年以降はリターンが減少している

期間リターン
1年19.1%
3年14.3%
5年40.7%
7年65.9%
10年120.1%

QYLDに過去に投資していた場合、10年間で約2.2倍のリターンを得ることができました。QYLDは大きな株価上昇の恩恵は受けられないものの、その高い配当利回りによる配当により、なかなかのリターンを得られていたことがわかります。

QYLDへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン

QYLDへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン

優れている点
長期的には安定したリターンを獲得できる可能性がある

気になる点
近年は年率リターンが低下傾向にある

期間リターン
1年19.1%
3年4.6%
5年7.1%
7年7.5%
10年8.2%

QYLDに過去に投資していた場合、10年間の年率リターンは約8.2%でした。これは、S&P500の平均リターンを下回りますが、比較的安定したリターンと言えます。近年株価は下落しているものの、高い配当額によってリターンを確保できています。

QYLDへ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション

QYLDへ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
評価額(万円)配当額(万円)評価額+配当累計額(万円)配当再投資評価額(万円)
201597.59.2106.7106.9
201693.18.5110.8111.8
2017102.27.9127.7131.4
201888.811.0125.3130.4
201998.39.7144.6157.4
202095.010.6151.8169.5
202192.411.9161.1186.8
202266.39.1144.1159.6
202372.28.5158.6192.7
202475.37.3169.0219.7

優れている点
配当金を再投資することで、リターンを向上させることができる

気になる点
株価が下落すると、評価額も下落する

QYLDへ10年前に100万円投資していた場合、2024年時点での評価額は約75万円になっていました。配当金を受け取らずに再投資した場合は、約220万円になっていました。QYLDは、高配当ETFであるため、配当金を再投資することで、雪だるま式に資産を増やすことができます。しかし、株価が下落すると、評価額も下落するリスクがあることに注意が必要です。

QYLDのリスクファクター分析

QYLDのリスクファクター分析
項目説明評価
ベータ0.64市場全体の動きに対する感応度市場平均よりも低い
52週ボラティリティ10.50%価格変動の大きさ比較的低い
シャープレシオ1.15リスクあたりのリターン比較的高い
トータルリターン(1年)14.43%1年間のリターン比較的高い
最大ドローダウン-24.75%最大の下落率比較的低い

優れている点
市場平均よりも低いベータ値
比較的低いボラティリティ
高いシャープレシオ

気になる点
最大ドローダウンは-24.75%と、決して低いわけではない

QYLDは、市場平均よりも低いベータ値比較的低いボラティリティをとなっており、シャープレシオも低くはなくリスクあたりのリターンは比較的良好なTFと言えます。しかし、最大ドローダウンは-24.75%と、決して低いわけではないため、リスク管理には注意が必要です。

QYLDへの投資戦略の提案

QYLDは、高配当比較的低いリスクを両立させたい投資家におすすめのETFです。以下のような投資戦略が考えられます。

  • 長期投資: QYLDは、NASDAQ 100の成長によるキャピタルゲインと、カバードコール戦略によるインカムゲインの両方を期待できるため、長期投資に適しています。
  • 配当金再投資: QYLDは毎月配当金を支払うため、配当金を再投資することで複利効果を得ることができ、より高いリターンを期待できます。
  • ポートフォリオの一部: QYLDは、株式と債券の中間に位置する資産として、ポートフォリオに組み入れることでリスク分散効果を高めることができます。

まとめ:QYLDへの投資判断のポイント

QYLDは、NASDAQ 100に連動したカバードコールETFであり、高配当比較的低いリスクを両立させたい投資家におすすめです。しかし、株価の値上がり益は限定的であり、配当金が減配される可能性もあることに注意が必要です。投資する際は、自身の投資目標やリスク許容度を考慮し、QYLDの特徴をよく理解した上で判断することが重要です。
また、QYLDの毎月配当&高配当は定期的な配当収入が欲しいという投資家には嬉しいポイントですが、NASDAQが右肩上がりで成長していく環境では、そのままNASDAQへ投資して一定額を取り崩していく運用と比較すると、税金やカバードコール戦略による影響でリターンは劣る可能性が高い点も注意しましょう。

QYLDの投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:

高配当利回り
 →QYLDは、カバードコール戦略を用いることで、市場平均を大きく上回る配当利回りを実現しています。毎月分配されるため、配当金生活を目指せる魅力的な投資先です。
毎月分配
 →毎月配当金が支払われるため、家計への貢献度が高く、生活資金の安定化に役立ちます。また、配当金を再投資することで、複利効果による資産増加も期待できます。
比較的低いボラティリティ
 →カバードコール戦略により、株価の変動リスクが抑制されるため、株式投資初心者でも比較的安心して投資できます。
元本割れリスク
 →株価が下落した場合、元本割れを起こす可能性があります。特に、NASDAQ100が大きく下落した場合、QYLDの株価も大きく下落する可能性があります。
配当金の安定性
 →配当金は保証されておらず、減配される可能性もあります。NASDAQ100の市況が悪化した場合、配当金が減少する可能性があります。
キャピタルゲインは限定的
 →カバードコール戦略は、株価上昇の upside を抑制する効果があるため、QYLDはキャピタルゲインを目的とした投資には不向きです。

この記事では、高配当ETF「QYLD」について、その特徴やメリット・デメリット、投資戦略などを詳しく解説しました。QYLDは魅力的な高配当利回りを実現する一方、元本割れリスクや配当減額の可能性など、投資前に理解しておくべき点も存在します。投資判断においては、ご自身の投資目標やリスク許容度を十分に考慮し、QYLDがご自身のポートフォリオに適しているかを見極めることが重要です。

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