製薬業界の巨大企業、ファイザー(PFE)。コロナワクチンで名を馳せましたが、2023年以降、株価は下落傾向にあります。一方で6.51%という高配当利回りは魅力的。一体、今、ファイザー株はどう評価すべきなのでしょうか? 本記事では、ファイザーの株価推移、配当金の安定性、将来の成長性などを徹底分析!
コロナ後のファイザーは、本当に「買い」なのか? 株価下落の真の原因は? そして、高配当は今後も続くのか? これらの疑問を解消し、ファイザーへの投資判断に必要な知識を網羅的に提供します。
ファイザー(PFE)とは?
銘柄の基本情報概要
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | ファイザー(Pfizer Inc.) |
銘柄コード | PFE |
配当利回り | 6.51% |
配当頻度 | 年4回 |
業種 | 製薬 |
セクター | ヘルスケア |
創業年 | 1849年 |
CEO | アルバート・ブーラ |
特徴 | 世界的な大手製薬会社 |
ファイザーは、世界有数の大手製薬会社です。医薬品、ワクチン、医療機器、消費者向けヘルスケア製品など幅広い製品を開発・製造・販売しています。 主力製品には、高血圧治療薬のノルバスクや抗がん剤のイブランスなどがあります。世界150カ国以上で事業を展開し、革新的な医薬品を通じて人々の健康に貢献しています。
過去10年の株価チャートと分析
ファイザーの株価は、過去10年間で比較的安定した推移を見せています。2020年には新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で開発したワクチンが大きく貢献し、株価は大きく上昇しました。しかし、2023年以降はワクチン需要の減少や特許切れの影響などにより、株価は下落傾向にあります。 今後の業績や株価の動向には注意が必要です。
S&P500過去1年分チャートとの比較と分析
ファイザーの過去1年間の株価パフォーマンスは、S&P500を大きく下回っています。S&P500が19.14%上昇しているのに対し、ファイザーは11.82%下落しています。これは、前述したワクチン需要の減少や特許切れの影響などが要因と考えられます。市場全体と比較して、ファイザーはアンダーパフォームしていると言えます。
ファイザー(PFE)で配当金生活はできる?配当金の分析
ファイザー(PFE)の過去の配当金と増配率、その分析
ファイザーは、10年以上連続で増配を続けている安定的な配当を提供している企業です。配当金の金額も安定して増加しており、近年は増配率が鈍化傾向にあるものの、今後も安定した配当が期待できます。
ファイザー(PFE)の配当金利回りの推移
ファイザーの配当利回りは、近年市場平均を上回っています。2024年12月時点では6.51%と高水準です。しかし、今後の株価の動向によっては、配当利回りがさらに低下する可能性もある点は注意が必要です。
過去ファイザー(PFE)に投資していた場合のYOCシミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2014 | 5.69% |
2015 | 5.49% |
2016 | 5.46% |
2017 | 4.89% |
2018 | 4.06% |
2019 | 4.52% |
2020 | 4.56% |
2021 | 2.85% |
2022 | 3.28% |
2023 | 5.84% |
2024 | 6.51% |
過去にファイザーに投資していた場合、いつ時点で投資開始したかにより、YOCは大きく変動しています。例えば、2014年に100万円投資していた場合、2024年のYOCは5.69%となり、年間約5.69万円の配当金を受け取ることができます。
しかし、2021年に投資を開始した場合、現在のYOCは2.85%となり、あまり高くありません。
直近数年株価が下落したことにより、2-3年前に投資していた場合リターンが少なくなっていた事が読み取れます。
ファイザー(PFE)の将来のYOC予想シミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2024 | 6.51% |
2025 | 6.40% |
2026 | 6.30% |
2027 | 6.20% |
2028 | 6.10% |
2029 | 6.00% |
2030 | 5.91% |
2031 | 5.81% |
2032 | 5.72% |
2033 | 5.63% |
2034 | 5.54% |
過去10年の株価成長率をもとに将来のYOC予想シミュレーションを行ってみると、現在の株価と配当利回りが維持された場合、100万円投資すると初年度の配当金は約6.5万円となり、10年後にはYOCは約5.54%まで低下すると予想されます。 しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
ファイザー(PFE)で配当金生活をするには?ファイザーの配当金受取シミュレーション
配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)
銘柄 | 株価 | 配当利回り | 月間配当目標 | 必要投資額 | 必要投資額 (課税考慮) |
必要株数 |
---|---|---|---|---|---|---|
PFE | $25.77 (¥4,044) |
6.52% | ¥10,000 | ¥1,840,714 | ¥2,566,654 | 635株 |
¥30,000 | ¥5,522,143 | ¥7,699,961 | 1,905株 | |||
¥50,000 | ¥9,203,571 | ¥12,833,269 | 3,174株 | |||
¥100,000 | ¥18,407,143 | ¥25,666,538 | 6,348株 |
為替レート: 156.92円/ドル
ファイザー(PFE)へ過去に投資していた場合の累積トータルリターン
期間 | リターン |
---|---|
1年 | -6.4% |
3年 | -45.5% |
5年 | -11.0% |
7年 | 1.0% |
10年 | 27.8% |
ファイザーに過去に投資していた場合の累積トータルリターンは、期間によって大きく異なります。10年間のリターンは27.8%とプラスですが、直近3年間のリターンは-45.5%とマイナスとなっています。これは、2020年からの新型コロナウイルスワクチン関連の株価上昇とその後の下落が大きく影響しています。
ファイザー(PFE)へ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン
期間 | リターン |
---|---|
1年 | -6.4% |
3年 | -18.3% |
5年 | -2.3% |
7年 | 0.1% |
10年 | 2.5% |
ファイザーに過去に投資していた場合の年率トータルリターン(CAGR)は、10年間で2.5%となっています。これは、S&P500の平均リターンと比較すると低い水準です。直近3年間のリターンは-18.3%とマイナスであり、投資タイミングによっては大きな損失を被る可能性があります。
ファイザー(PFE)へ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2015 | 103.6 | 3.8 | 107.4 | 107.3 |
2016 | 104.3 | 4.1 | 112.1 | 112.1 |
2017 | 116.3 | 4.3 | 128.4 | 129.2 |
2018 | 140.1 | 4.6 | 156.9 | 160.0 |
2019 | 125.8 | 4.6 | 147.2 | 149.5 |
2020 | 124.7 | 5.1 | 151.2 | 154.3 |
2021 | 200.0 | 5.3 | 231.8 | 251.6 |
2022 | 173.5 | 5.4 | 210.8 | 226.2 |
2023 | 97.5 | 5.6 | 140.3 | 140.0 |
2024 | 87.4 | 5.7 | 136.0 | 134.7 |
ファイザーに10年前に100万円投資していた場合、2021年には評価額が200万円を超えていましたが、その後は下落傾向にあります。配当金は安定して受け取ることができますが、株価の変動リスクを考慮する必要があります。
ファイザー(PFE)のリスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 0.61 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均より変動が小さい |
52週ボラティリティ | 24.66% | 過去1年間の価格変動の大きさ | 比較的高い |
シャープレシオ | 0.07 | リスクあたりのリターン | 低い |
トータルリターン(1年) | -58.35% | 過去1年間のトータルリターン | 低い |
最大ドローダウン | -54.82% | 過去最大の値下がり幅 | 大きい |
ファイザーは、ベータが低く市場平均よりも変動が小さい点は良いものの、52週ボラティリティや最大ドローダウンが大きく、価格変動リスクが高い点は注意が必要です。また、シャープレシオやトータルリターンも低いため、投資効率はあまり良くないと言えます。
ファイザー(PFE)への投資戦略の提案
ファイザーへの投資は、高配当を期待できる一方、製薬業界の競争激化や特許切れなどのリスクを考慮する必要があります。
- 長期投資: ファイザーは、高配当を目的とした長期投資に適しています。
- ポートフォリオの一部: ファイザーをポートフォリオの一部として保有することで、リスク分散効果を期待できます。
- 業績と業界動向: 投資する際には、ファイザーの業績や製薬業界全体の動向を注視することが重要です。
- 株価の変動リスク: ファイザーの株価は、新薬の開発状況や特許切れなどの影響を受けやすく、変動リスクが高い点に注意が必要です。
- 配当金の安定性: ファイザーは増配を続けていますが、将来の配当金の支払いを保証するものではありません。
まとめ:ファイザー(PFE)への投資判断のポイント
ファイザーは、世界的な大手製薬会社であり、高配当利回りが魅力です。しかし、近年は株価が下落傾向にあり、業績の悪化も懸念されています。投資判断においては、以下のポイントを考慮する必要があります。
- 高配当利回り: 6.51%と高水準。
- 業績の悪化懸念: 新型コロナウイルスワクチンの需要減少や特許切れの影響。
- 株価の変動リスク: 新薬開発や特許切れなどの影響を受けやすい。
- 長期的な成長性: 製薬業界の競争激化や規制強化。
これらの要素を総合的に判断し、自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて投資を検討する必要があります。
PFEの投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
高配当利回り
→6.51%と高水準で、インカムゲインを狙う投資家に魅力的です。長期にわたり増配を続けている実績もプラス材料です。
今後の業績
→コロナワクチンの需要減少の影響は大きく、今後の業績回復には不透明感があります。特許切れを迎える主力製品もあり、新薬開発の成功が今後の成長のカギとなります。
株価の変動リスク
→製薬業界は新薬開発や規制の影響を受けやすく、株価の変動リスクは比較的高めです。特にファイザーは大型株でありながらボラティリティも高いため、短期的な値動きに注意が必要です。
長期的な成長性
→高齢化社会の進展は追い風ですが、競争激化や薬価抑制の圧力も課題です。M&Aや新規事業への投資など、今後の成長戦略を注視する必要があります。
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