GSKは、イギリスに本社を置く世界有数の製薬会社です。
医薬品、ワクチン、一般用医薬品など幅広い製品ポートフォリオを誇り、ヘルスケア分野において重要な役割を担っています。
今回は、GSKの投資魅力やリスク、将来性について詳しく解説していきます。高配当株としても知られるGSKですが、減配リスクや株価変動リスクなど、投資前に知っておくべき情報も網羅しています。
GSKへの投資を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
GSKの魅力:5つのキーワード🔑
製薬業界の巨人
ワクチン開発で世界をリード
安定配当の魅力
長期的な成長への期待
ヘルスケア分野の多角化
GSKとは?
GSKの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | GSK |
銘柄コード | GSK |
配当利回り | 3.43% |
配当頻度 | 年4回 |
業界 | 製薬 |
セクター | ヘルスケア |
創業年 | 1715年 |
CEO | エマ・ウォームズリー |
GSK(GSK PLC)は、イギリスに本社を置く世界有数の製薬会社です。1715年創業という長い歴史を持ち、医薬品、ワクチン、一般用医薬品、ヘルスケア関連消費者向け製品など幅広い製品ポートフォリオを誇ります。感染症、精神疾患、皮膚疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、がん等、様々な疾患領域の治療薬を提供しています。
銘柄の特徴
- 世界トップクラスの製薬会社:
→GSKは、世界で最も売上の多い製薬会社の1つであり、幅広い製品ポートフォリオとグローバルな販売網を持っています。
- ワクチン開発のリーダー:
→GSKは、世界有数のワクチンメーカーであり、インフルエンザ、肺炎球菌、帯状疱疹などのワクチンを開発・販売しています。
- 安定した配当実績:
→GSKは、長年にわたり安定した配当を支払っており、配当利回りも魅力的です。
- 研究開発への積極的な投資:
→GSKは、研究開発に積極的に投資しており、革新的な新薬の開発に力を入れています。
- ヘルスケア分野の多角化:
→GSKは、医薬品だけでなく、一般用医薬品やヘルスケア関連消費者向け製品にも事業を拡大しており、収益源の多角化を進めています。
過去10年のGSK株価推移
GSKの株価は、過去10年間で大きな変動を見せています。2015年から2019年までは低迷していましたが、2020年にはコロナ禍においても23.86%上昇と力強い成長を見せました。しかし、2021年と2023年にはそれぞれ-19.57%、-19.19%と大幅な下落を経験しています。2024年は6.29%の上昇と回復傾向にあります。全体的には、長期的に見ると緩やかな上昇傾向にあると言えます。
S&P500過去1年分チャートとの比較
過去1年間のGSKの株価パフォーマンスは、S&P500を上回っています。
- GSK:27.05%の上昇
- S&P500:25.08%の上昇
GSKはS&P500をわずかにアウトパフォームしていますが、その差はわずかであり、特に目立った優位性は見られません。
GSKの配当金の分析
過去の配当金と増配率
GSKは、2015年から2021年までは増配傾向にありましたが、2017年、2019年、2022年、2023年は減配となっています。特に、2022年と2023年の減配幅は大きく、配当金の安定性に欠ける点が懸念されます。
配当利回りの推移
GSKの配当利回りは、過去10年間で変動はあるものの、おおむね市場平均を上回る水準で推移しています。ただし、利回り水準は変動が大きく、安定性に欠ける点は注意が必要です。
将来のYOC予想シミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2024 | 3.43% |
2025 | 3.40% |
2026 | 3.36% |
2027 | 3.33% |
2028 | 3.30% |
2029 | 3.26% |
2030 | 3.23% |
2031 | 3.20% |
2032 | 3.16% |
2033 | 3.13% |
2034 | 3.10% |
現在の株価と配当利回りが維持された場合、10年後にはYOCは3.10%になると予想されます。例えば、100万円を投資した場合、初年度の配当金は約3万4300円となり、10年後には約3万1000円になると予想されます。しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
ヘルスケア大手3社 GSK・PFE・JNJを徹底比較!
銘柄 | 銘柄コード | 過去1年のパフォーマンス | 配当利回り | 特徴 |
---|---|---|---|---|
グラクソ・スミスクライン | GSK | 27.05% | 3.51% | ワクチン、処方薬、市販薬などを幅広く展開 |
ファイザー | PFE | -18.00% | 5.79% | 医療用医薬品、ワクチンに強み |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 3.22% | 2.99% | 医療機器、ヘルスケア製品など多角的な事業展開 |
GSK、PFE、JNJは、いずれも世界的に有名なヘルスケア企業であり、多くの医薬品やヘルスケア製品を提供しています。
過去1年間のパフォーマンスを見ると、GSKが27.05%と最も高く、JNJが3.22%、PFEが-18.00%と大きく下落しています。
配当利回りは、PFEが5.79%と最も高く、GSKが3.51%、JNJが2.99%と続きます。
GSKは、高いパフォーマンスと安定した配当利回りを両立させている点が魅力です。
PFEは、高配当利回りではあるものの、株価の下落には注意が必要です。
JNJは、多角的な事業展開により安定した収益が見込めますが、配当利回りは他の2社と比較して低めです。
10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2015 | 87.1 | 5.0 | 92.2 | 92.2 |
2016 | 83.2 | 5.7 | 93.9 | 93.7 |
2017 | 79.9 | 4.2 | 94.9 | 94.2 |
2018 | 76.0 | 4.4 | 95.4 | 94.0 |
2019 | 77.9 | 4.2 | 101.5 | 100.6 |
2020 | 96.5 | 4.2 | 124.4 | 128.9 |
2021 | 77.6 | 4.5 | 110.0 | 108.2 |
2022 | 89.8 | 3.5 | 125.7 | 128.7 |
2023 | 72.6 | 2.9 | 111.3 | 106.8 |
2024 | 90.3 | 2.4 | 131.4 | 135.3 |
10年前にGSKに100万円投資していた場合、2024年時点での評価額は配当金再投資により135.3万円に増加している計算になります。ただし、株価の変動幅が大きく、2018年や2023年には元本を割っている時期もあった点は注意が必要です。
リスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 0.29 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場より低い |
52週ボラティリティ | 36.41% | 株価の変動幅 | 比較的高い |
シャープレシオ | 1.09 | リスクに対するリターン | 平均以上 |
トータルリターン(1年) | 24.99% | 過去1年間の総合的なリターン | 高い |
最大ドローダウン | -16.54% | 最大の下落幅 | 比較的低い |
PER | 23.96 | 株価収益率 | 割高気味 |
PBR | 8.85 | 株価純資産倍率 | 割高気味 |
BPS | 3 | 1株あたり純資産 | - |
ROE | 36.92% | 自己資本利益率 | 高い |
GSKは、ベータが低いため、市場全体の影響を受けにくいという特徴があります。また、ROEが高く、収益性が高い点も魅力です。しかし、52週ボラティリティが高く、株価の変動幅が大きい点はリスク要因となります。また、PER、PBRが高く、割高感がある点も注意が必要です。
投資戦略の提案
GSKへの投資は、ヘルスケアセクターへの分散投資、配当収入を目的とした長期投資に適しています。
- 長期投資:GSKは、製薬業界のリーディングカンパニーであり、長期的な成長が見込まれます。
- 配当収入:GSKは、安定した配当利回りを提供しており、配当収入を目的とした投資にも適しています。
- 分散投資:GSKをポートフォリオの一部として組み入れることで、リスク分散効果が期待できます。
- 業界動向の注視:製薬業界は、規制や競争が激しいため、業界動向を注視することが重要です。
- 企業業績の確認:投資前に、GSKの業績や財務状況を確認しましょう。
まとめと投資判断のポイント
GSKは、世界有数の製薬会社であり、医薬品、ワクチン、一般用医薬品など幅広い製品ポートフォリオを有しています。安定した配当利回りも魅力です。しかし、株価の変動幅が大きく、減配リスクもあるため、投資判断には注意が必要です。
投資判断のポイントとしては、
- 製薬業界の将来性
- GSKの成長戦略
- 配当金の安定性
- リスク許容度
などを考慮する必要があります。
GSKへの投資は、長期的な視点で、リスク許容度を考慮した上で検討することをお勧めします。
GSKの投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
世界トップクラスの製薬会社としての地位
→GSKは世界で最も売上の多い製薬会社の1つであり、幅広い製品ポートフォリオとグローバルな販売網を持っています。新薬開発や買収を通じて、今後も成長を続けることが期待されます。
ワクチン事業の成長性
→GSKは世界有数のワクチンメーカーであり、インフルエンザ、肺炎球菌、帯状疱疹などのワクチンを開発・販売しています。感染症予防への関心の高まりから、ワクチン事業は今後も成長が見込まれます。
配当利回りの魅力
→GSKは3%を超える高い配当利回りを誇ります。ただし、過去には減配も経験しており、安定性に欠ける点は留意が必要です。
研究開発への積極的な投資
→GSKは研究開発に積極的に投資しており、革新的な新薬の開発に力を入れています。しかし、新薬開発には時間と費用がかかり、成功する保証はありません。
薬価引き下げ圧力
→医療費抑制の観点から、各国政府による薬価引き下げ圧力は常に存在します。薬価引き下げはGSKの収益に悪影響を与える可能性があります。
競争の激化
→製薬業界は競争が激化しており、GSKは他の製薬会社との競争に打ち勝つ必要があります。競争激化は、GSKの市場シェアや収益に影響を与える可能性があります。
ヘルスケア分野の多角化
→GSKは医薬品だけでなく、一般用医薬品やヘルスケア関連消費者向け製品にも事業を拡大しており、収益源の多角化を進めています。これは、リスク分散の観点からプラスに評価できます。
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