【AGG vs BND】配当利回り4%!米国債券ETFを徹底比較!

【AGG vs BND】 配当利回り約4%! 米国債券ETFの選び方 リスク・リターン・配当 投資シミュレーション 将来性を徹底解説!
ねこ

みなさん、こんにちは!
今回は投資初心者の方にも人気の「債券ETF」について、特に代表的な2つの銘柄、AGGBNDをピックアップして徹底比較していきたいと思います!

・AGGとBNDの基本的な違いと共通点
・気になる配当金(分配金)は?利回りや過去の実績もチェック!
・過去のリターンやリスクはどうだった?
・結局、どっちを選ぶべき?投資判断のポイントは?

この記事を読めば、AGGとBNDの特徴がしっかり理解でき、ご自身の投資スタイルに合った選択ができるようになりますよ。
さあ、一緒に米国債券ETFの世界を探求していきましょう!

目次

銘柄の基本情報概要

まずは、AGGとBNDの基本的な情報を見てみましょう。まるで双子のように似ている部分も多いですが、細かな違いもありますよ。

項目AGGBND
銘柄名iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF (iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF)バンガード・トータル債券市場ETF (Vanguard Total Bond Market Index Fund)
ティッカーシンボルAGGBND
運用会社iShares (BlackRock)Vanguard
経費率0.03%0.03%
ベンチマークBloomberg U.S. Aggregate Bond IndexBloomberg U.S. Aggregate Float Adjusted Index
設定日2003-09-292007-04-03
運用資産額(2025/04時点)約1210億ドル約1250億ドル
配当利回り(2025/04時点)3.82%3.75%
特徴米国投資適格債券市場全体への分散投資米国投資適格債券市場全体への分散投資(浮動株調整)

AGGとBNDは、どちらも米国の投資適格債券市場全体に低コストで分散投資できる人気の債券ETFです。

AGGは世界最大の資産運用会社ブラックロックが運用するiSharesシリーズ、BNDはインデックスファンドのパイオニアであるVanguard社が運用しています。

驚くべきは経費率がどちらも年率0.03%と非常に低いこと!これは長期投資において大きなメリットになりますね。

ベンチマーク

ETFの運用目標となるのが「ベンチマーク」という指数です。AGGとBNDは、似ているようで少し違うベンチマークを採用しています。

  • AGGのベンチマークはBloomberg U.S. Aggregate Bond Indexです。
    • これは、米国の投資適格債券市場全体の値動きを示す代表的な指数です。
    • 国債、政府関連債、社債、モーゲージ担保証券(MBS)、資産担保証券(ABS)など、幅広い種類の債券が含まれます。
  • BNDのベンチマークはBloomberg U.S. Aggregate Float Adjusted Indexです。
    • 基本的な構成はAGGのベンチマークと似ていますが、市場で実際に取引可能な債券(浮動債券)の比率に合わせて調整されている点が異なります。
    • より市場の実態に近いパフォーマンスを目指す指数と言えるでしょう。

どちらのベンチマークも、米国の主要な債券市場全体を捉えることを目的としています。経済状況や金融政策によって値動きが変わる点を覚えておきましょう。

過去10年の株価チャートと分析

AGGとBNDの過去10年間の値動き(基準価額の推移)をチャートで確認してみましょう。

AGGとBNDの過去10年の株価推移

優れている点
株式と比較して値動きが安定している傾向がある
ポートフォリオ全体のリスクを抑える分散投資効果が期待できる

気になる点
金利上昇局面では価格が下落するリスクがある
ここ数年(特に2022年以降)は価格が下落傾向にある

過去10年の変動率

年月AGG 変動率BND 変動率
2015/04/130.00%0.00%
2016/01/04-3.05%-3.05%
2017/01/03-2.87%-2.95%
2018/01/02-1.98%-2.31%
2019/01/02-4.31%-4.67%
2020/01/021.18%0.85%
2021/01/045.99%5.78%
2022/01/031.73%1.10%
2023/01/03-12.40%-13.26%
2024/01/02-11.30%-12.03%
2025/01/02-12.98%-13.60%
2025/04/09-12.09%-12.71%

チャートを見ると、AGGとBNDの値動きは非常に似ていることが分かりますね。これは、どちらも米国の総合的な債券市場に連動しているためです。

2021年頃までは比較的安定した推移を見せていましたが、2022年以降、世界的なインフレとそれに伴う急激な利上げの影響で、価格が大きく下落しました。

債券ETFは株式に比べてリスクが低いと思われがちですが、金利変動リスクの影響を受けることはしっかり理解しておく必要があります。

S&P500過去1年分チャートとの比較と分析

次に、AGG・BNDと米国の代表的な株価指数であるS&P500の過去1年間のパフォーマンスを比較してみましょう。

AGG、BNDとS&P500の過去1年間のパフォーマンス比較

優れている点
S&P500(株式)とは異なる値動きをするため、分散投資効果が期待できる
株式市場が不安定な時に、相対的に安定したパフォーマンスを示す可能性がある

気になる点
株式市場の上昇局面では、S&P500のリターンに劣後する傾向がある
過去1年間のリターンはS&P500を大きく下回っている

パフォーマンス比較 (2025/04/09時点)

銘柄1ヶ月リターン3ヶ月リターン6ヶ月リターン1年リターン
AGG3.34%1.20%2.05%2.25%
BND3.38%1.27%2.11%2.31%
S&P500 (^GSPC)9.15%13.72%11.01%5.74%

過去1年間のパフォーマンスを見ると、AGGとBNDのリターンはS&P500を大きく下回っています

これは、この期間、米国株式市場が比較的堅調だった一方で、債券市場は金利の先行き不透明感などから軟調な展開が続いたためと考えられます。

しかし、重要なのは株式と債券は異なる値動きをする傾向があるという点です。株式が大きく下落する局面では、債券がポートフォリオ全体の値下がりを緩和してくれる効果(リスク分散効果)が期待できます。

AGG・BNDで配当金生活はできる?配当金の分析

債券ETFの魅力の一つは、定期的に分配金(株式でいう配当金のようなもの)が受け取れることです。AGGとBNDの分配金について詳しく見ていきましょう。

AGG・BNDの過去の配当金と増配率、その分析

過去の分配金がどのように推移してきたかを見てみましょう。

AGGとBNDの過去配当金推移グラフ

優れている点
AGG、BNDともに毎月分配金が支払われる
近年、金利上昇に伴い分配金が増加傾向にある (2022年以降)

気になる点
分配金額は変動するため、安定した収入源とは限らない
過去には減配(分配金が減少)した年もある (例: 2020年, 2021年)

配当金(分配金)推移

AGG 分配金合計AGG 増配率BND 分配金合計BND 増配率
2016$2.59-$2.03-
2017$2.54-1.9%$2.082.2%
2018$2.8914.0%$2.237.4%
2019$3.045.0%$2.282.3%
2020$2.53-16.6%$2.10-8.0%
2021$2.02-20.2%$1.80-14.3%
2022$2.3214.8%$1.873.8%
2023$3.1134.0%$2.2721.6%
2024$3.6316.8%$2.6416.2%
2025 (4月まで)$0.959.4% (年率換算)$0.6910.2% (年率換算)

AGGとBNDはどちらも毎月分配金が支払われるのが嬉しいポイントですね!

分配金の額は、組み入れられている債券から得られる利息収入によって変動します。近年(2022年以降)は金利上昇を受けて分配金が増加傾向にありますが、2020年や2021年のように、金融緩和局面では分配金が減少することもあります

株式の配当のように毎年増え続ける(増配)ことを期待するよりは、その時々の金利水準に応じたインカムが得られるもの、と考えるのが良いでしょう。

AGG・BNDの配当金利回りの推移

次に、投資額に対してどれくらいの分配金が得られるかを示す「配当金利回り(分配金利回り)」の推移を見てみましょう。

AGGとBNDの配当金利回り推移グラフ

優れている点
近年の金利上昇により、配当利回りが上昇傾向にある
株式の配当利回りと比較して、相対的に高い水準になることもある

気になる点
利回りの上昇は、必ずしも良いことばかりではない(価格下落が要因の場合もある)
金利が低下すると、利回りも低下する可能性がある

グラフを見ると、近年、AGG・BNDともに配当利回りが上昇していることがわかります。2025年4月時点では、AGGが約4.1%、BNDが約3.7%となっています。

これは主に、近年の金利上昇によって新規に組み入れられる債券の利回りが高くなったこと、そしてETFの価格自体が下落したことが影響しています。

利回りが高いのは魅力的ですが、価格変動リスクとのバランスを考えることが重要です。

過去AGG・BNDに投資していた場合のYOCシミュレーション

YOC(Yield on Cost)とは、あなたが最初に投資した金額(取得コスト)に対する現在の配当利回りのことです。過去にAGGやBNDに投資していた場合、YOCはどうなっていたでしょうか?

AGGとBNDの過去YOCシミュレーション

過去のYOC推移

AGG YOCBND YOC
2015-123.70%3.61%
2016-123.70%3.61%
2017-123.66%3.58%
2018-123.76%3.68%
2019-123.56%3.48%
2020-123.38%3.31%
2021-123.51%3.44%
2022-124.12%4.06%
2023-124.03%3.97%
2024-124.13%4.06%
2025-044.12%4.05%

優れている点
投資開始時期に関わらず、比較的安定したYOCが期待できる傾向がある
近年の利回り上昇により、過去に投資していた場合のYOCも上昇している

気になる点
株式(特に成長株)のように、YOCが劇的に上昇することは期待しにくい
価格下落局面では、YOCが上昇しても元本は減少している可能性がある

YOC(Yield on Cost)は、あなたが投資した最初の元本に対して、現在どれくらいの利回りが得られているかを示す指標です。

グラフを見ると、AGGもBNDも、投資した時期によって多少の変動はあるものの、概ね3%台後半から4%強のYOCで推移しています。

例えば、もし2015年末にAGGに100万円投資していた場合、2025年4月時点でのYOCは約3.70%となり、年間約37,000円の分配金を受け取れている計算になります。

ただし、YOCは分配金の変動や、将来の価格変動によって変わる可能性がある点には注意が必要です。

AGG・BNDの将来のYOC予想シミュレーション

では、仮に現在の株価上昇率(AGG/BNDの場合は価格変動率)と利回りが今後10年間続いた場合、将来のYOCはどうなるでしょうか?あくまで過去のデータに基づいたシミュレーションですが、見てみましょう。

AGGとBNDの将来YOC予測シミュレーション

将来YOCシミュレーション

AGG 予測YOCBND 予測YOC
20253.82%3.75%
20263.77%3.69%
20273.71%3.64%
20283.66%3.59%
20293.61%3.53%
20303.56%3.48%
20313.51%3.43%
20323.46%3.38%
20333.41%3.33%
20343.37%3.28%
20353.32%3.23%

優れている点
現在の利回り水準が維持されれば、安定したインカム収入が期待できる可能性がある

気になる点
過去10年の価格変動がマイナス傾向だったため、シミュレーション上はYOCが緩やかに低下する結果となっている
将来の金利動向や経済状況によって、実際のYOCは大きく変動する可能性がある
あくまで過去データに基づく試算であり、将来を保証するものではない

このシミュレーションは、過去10年の価格変動率と現在の配当利回りが将来も続くと仮定したものです。

AGGに100万円投資した場合、初年度(2025年)は約38,200円(YOC 3.82%)の分配金が期待できますが、シミュレーション上では10年後の2035年にはYOCが約3.32%に低下する結果となっています。

BNDの場合も同様に、初年度は約37,500円(YOC 3.75%)、10年後にはYOCが約3.23%に低下すると予想されます。

これは、過去10年間の価格が全体的に下落傾向にあったことを反映しています。

しかし、これはあくまで過去の傾向が継続した場合のシミュレーションであり、今後の金利環境によっては変化が生じます。将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。

AGG・BNDで配当金生活をするには?AGG・BNDの配当金受取シミュレーション

「毎月分配金がもらえるなら、AGGやBNDで配当金生活ができるかも?」と考える方もいるかもしれませんね。どれくらいの投資額が必要か、シミュレーションしてみましょう。

配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)

銘柄 株価 配当利回り 月間配当目標 必要投資額 必要投資額
(課税考慮)
必要株数
AGG $97.87
(¥13,935)
4.11%¥10,000 ¥2,919,829 ¥4,071,349 293株
¥30,000 ¥8,759,488 ¥12,214,048 877株
¥50,000 ¥14,599,146 ¥20,356,747 1,461株
¥100,000 ¥29,198,293 ¥40,713,493 2,922株
BND $72.65
(¥10,344)
3.72%¥10,000 ¥3,226,272 ¥4,498,647 435株
¥30,000 ¥9,678,816 ¥13,495,940 1,305株
¥50,000 ¥16,131,360 ¥22,493,234 2,175株
¥100,000 ¥32,262,720 ¥44,986,468 4,349株

為替レート: 142.38円/ドル

AGG・BNDの権利落ち日、配当情報

AGGとBNDは毎月分配金が支払われますが、そのスケジュール(権利落ち日、支払日など)は以下のツールで確認できます。

AGGの配当情報

権利落ち日現地配当支払日配当額
2025-04-012025-04-040.33
2025-03-032025-03-060.30
2025-02-032025-02-060.32
2024-12-182024-12-230.32
2024-12-022024-12-050.31
2024-11-012024-11-060.31
2024-10-012024-10-040.31
2024-09-032024-09-060.62
2024-08-012024-08-060.30
2024-07-012024-07-050.30
2024-06-032024-06-070.30
2024-05-012024-05-070.29

BNDの配当情報

権利落ち日現地配当支払日配当額
2025-04-012025-04-030.24
2025-03-032025-03-050.22
2025-02-032025-02-050.23
2024-12-242024-12-270.23
2024-12-022024-12-040.22
2024-11-012024-11-050.23
2024-10-012024-10-030.22
2024-09-032024-09-050.23
2024-08-012024-08-050.22
2024-07-012024-07-030.22
2024-06-032024-06-050.22
2024-05-012024-05-060.21


AGG・BNDへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン

もし過去にAGGやBNDに投資していたら、資産はどのように増減したのでしょうか?累積トータルリターンを見てみましょう。これは、分配金(配当金のようなもの)を受け取り、それを再投資した場合のリターンを示しています。

AGGとBNDの累積トータルリターン

優れている点
直近1年間ではプラスのリターンとなっている(AGG: 6.5%, BND: 6.2%)
10年間の長期で見ると、プラスのリターンを確保している(AGG: 14.7%, BND: 15.3%)

気になる点
5年間のリターンで見るとマイナスとなっている(AGG: -4.2%, BND: -4.4%)
長期リターンも、株式と比較すると見劣りする水準である

累積トータルリターン(期間別)

銘柄1年リターン3年リターン5年リターン7年リターン10年リターン
AGG6.5%3.8%-4.2%11.2%14.7%
BND6.2%3.6%-4.4%11.2%15.3%

過去に投資していた場合の累積リターンを見ると、直近1年間では6%を超えるプラスのリターンとなっています。しかし、5年という期間で見るとマイナスリターンに沈んでいます。これは近年の金利上昇による債券価格の下落が影響しています。10年間の長期ではプラスですが、大きな成長とは言えません。


AGG・BNDへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン

次に、累積リターンを年平均の成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)で見てみましょう。これにより、異なる期間のリターンを比較しやすくなります。

AGGとBNDの年率(CAGR)トータルリターン

優れている点
直近1年間のリターンはプラス(AGG: 6.5%, BND: 6.2%)

気になる点
3年、5年の年率リターンは非常に低い、もしくはマイナス
7年、10年の長期で見ても、年率リターンは1%台と低い水準
AGGとBNDのリターンはほぼ同じ水準で推移している

年率(CAGR)トータルリターン(期間別)

銘柄1年リターン3年リターン5年リターン7年リターン10年リターン
AGG6.5%1.2%-0.9%1.5%1.4%
BND6.2%1.2%-0.9%1.5%1.4%

年率リターンを見ると、AGG・BNDともに直近1年はプラスですが、3年や5年では年率1%程度、もしくはマイナスとなっています。さらに7年、10年という長期で見ても年率1%台と、資産を大きく増やすというよりは、安定性を重視する性格が表れています。


AGG・BNDへ10年前に100万円一括投資していた場合のシミュレーション

もし10年前にAGGかBNDに100万円をまとめて投資していたら、今いくらになっているでしょうか?分配金を再投資した場合のシミュレーションを見てみましょう。

AGGとBNDの一括投資シミュレーション

100万円一括投資シミュレーション

銘柄評価額(万円)配当額(万円)評価額+配当累計額(万円)配当再投資評価額(万円)
AGG2016100.02.4102.4102.4
2017101.22.3106.0106.1
201898.62.9106.3106.3
2019104.02.8114.5115.3
2020109.42.3122.2123.8
2021105.61.9120.3121.6
202289.82.1106.6105.9
202391.92.9111.6111.7
202489.73.6113.1113.5
202590.60.9114.9115.8
BND2016100.02.5102.5102.5
2017101.03.0106.5106.6
201898.13.0106.6106.7
2019103.82.8115.2116.0
2020109.22.6123.1124.9
2021104.92.2121.1122.6
202289.02.3107.4106.6
202391.12.8112.3112.5
202489.03.3113.6114.0
202590.00.9115.4116.4

優れている点
分配金を再投資することで、評価額が元本割れしている時期でもトータルではプラスを維持している
AGGとBNDで、最終的なリターンに大きな差はない

気になる点
評価額自体は、10年経っても100万円を大きく超えず、むしろ下回る時期もある
特に2022年以降、評価額が大きく減少している

10年前にAGGに100万円投資した場合、2025年には評価額が約90.6万円、配当再投資後の評価額は約115.8万円になりました。BNDも同様に、評価額約90.0万円、配当再投資後評価額は約116.4万円です。配当再投資の効果でプラスリターンになっていますが、評価額自体は伸び悩んでいることがわかります。


AGG・BNDへ10年前から100万円分を毎月積立投資していた場合のシミュレーション

では、一括投資ではなく、10年間で合計100万円を毎月コツコツ積み立てて投資していた場合はどうでしょうか?(参考として、一括投資のチャートを半透明で重ねています)

AGGとBNDの積立投資シミュレーション

100万円積立投資シミュレーション

銘柄評価額(万円)配当額(万円)評価額+配当累計額(万円)配当再投資評価額(万円)
AGG (積立)20150.90.00.90.9
201611.20.211.411.4
201722.00.422.522.5
201832.10.833.533.4
201944.61.147.147.2
202057.61.261.361.5
202166.11.271.071.0
202266.31.672.872.0
202378.72.587.687.1
202487.33.8100.099.3
BND (積立)20150.90.00.90.9
201611.20.211.411.4
201722.00.522.622.6
201831.90.933.533.5
201944.61.147.347.3
202057.61.361.661.8
202165.81.471.271.3
202265.91.873.072.2
202378.32.587.987.3
202487.03.4100.199.2

優れている点
積立投資により、価格変動の影響を抑えながら投資を進められる
一括投資と比較して、最終的な評価額のブレが小さい傾向がある

気になる点
最終的な評価額は、投資元本(100万円)をやや下回る結果となっている
配当再投資を行っても、元本をわずかに下回る水準にとどまっている

10年前からAGGへ合計100万円分を毎月積立投資した場合、2024年末には評価額が約87.3万円、配当再投資後の評価額は約99.3万円となりました。BNDも同様に、評価額約87.0万円、配当再投資後評価額は約99.2万円です。積立投資は価格変動リスクを抑えられますが、この期間では元本割れという結果になりました。


AGG・BNDの将来の株価成長シミュレーション

過去の成長率(年率リターン)をもとに、将来の価格(基準価額)がどのように推移するかシミュレーションしてみましょう。

AGGとBNDの将来株価シミュレーション

将来株価(基準価額)シミュレーション(2025年を100とする)

銘柄20252026202720282029203020312032203320342035
AGG100.098.797.596.295.093.892.691.490.289.087.9
BND100.098.697.396.094.793.492.290.989.788.587.3

優れている点
シミュレーションはあくまで過去のデータに基づくものであり、将来の参考情報の一つとして捉えることができる

気になる点
過去10年の年率リターンが低かったため、シミュレーション上は将来的に価格が下落する結果となっている
将来の金利動向や経済状況によって、実際の価格推移は大きく異なる可能性がある

過去10年の年率リターン(AGG: 1.4%, BND: 1.4%)をもとに将来の株価をシミュレーションすると、100万円投資した場合、10年後には評価額が約88万円程度に減少するという結果になりました。これは、過去10年間のリターンが低かったことを反映しています。しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、悲観する必要はありません。利下げが進めばプラス傾向となることも十分考えられます。あくまでここ数年の成長傾向として参考にしておきましょう。


AGG・BNDのリスクファクター分析

投資にはリスクがつきものです。AGGとBNDのリスク特性をいくつかの指標で見てみましょう。

AGGとBNDのリスクファクター

リスク指標の比較

項目説明値(AGG)評価(AGG)値(BND)評価(BND)
ベータ市場全体の動きに対する感応度 (1に近いほど市場平均と同じ動き)1.00市場とほぼ同じ動き0.99市場とほぼ同じ動き
52週ボラティリティ過去1年間の価格変動の大きさ (低いほど値動きが穏やか)5.47%低い変動性5.36%低い変動性
シャープレシオリスク(変動の大きさ)あたりに得られたリターンの効率 (高いほど効率が良い)0.60リスクに見合ったリターンはやや低い0.55リスクに見合ったリターンはやや低い
トータルリターン(1年)過去1年間のトータルリターン6.51%プラスのリターン6.17%プラスのリターン
最大ドローダウン過去最大の価格下落率 (小さいほど下落リスクが低い)-23.37%金利上昇局面での下落リスクあり-23.96%金利上昇局面での下落リスクあり

優れている点
52週ボラティリティが低く、日々の値動きは比較的穏やか
ベータ値が1に近く、市場(この場合は債券市場全体)と連動した動きをする

気になる点
シャープレシオが1を下回っており、リスクに見合ったリターン効率は高くない
最大ドローダウンが-20%を超えており、金利上昇時など特定の局面では大きく下落するリスクがある

リスク分析を見ると、AGGとBNDは日々の価格変動(ボラティリティ)は低いことがわかります。一方で、市場全体(ベータ)との連動性は高いです。リスク対比のリターン(シャープレシオ)はあまり高くありません。また、過去最大の価格下落率(最大ドローダウン)は-20%を超えており、安定資産と思われがちな債券でも、局面によっては大きな下落があり得ることを示しています。


AGG・BNDへの投資戦略の提案

これまでの分析を踏まえ、AGGとBNDへの投資戦略について考えてみましょう。

AGGとBNDは、どちらも米国の広範な投資適格債券市場に低コストで分散投資できる優れたETFです。主な投資戦略としては、以下のようなものが考えられます。

  • ポートフォリオの安定化: 株式など値動きの大きい資産と組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを抑える効果が期待できます。株式市場が不調な時に、債券が下支え役となることがあります。
  • インカム収入の確保: 毎月分配金が支払われるため、定期的な収入源として活用できます。ただし、分配金額は変動する点に注意が必要です。
  • 金利動向を見据えた投資: 金利上昇局面では価格が下落しやすいため、金利がピークを打った、あるいは低下が見込まれるタイミングでの投資を検討する戦略もあります。

AGGとBNDのどちらを選ぶか?
両者は非常に似ていますが、わずかな違いがあります。
* 運用会社: ブラックロック(iShares)かバンガードか、好みの運用会社を選ぶ。
* 利回り: 現状わずかにAGGの方が高いですが、これは変動します。
* ベンチマーク: BNDは浮動株調整あり。実態に近いとも言えますが、パフォーマンスに大きな差は出にくいでしょう。

基本的にはどちらを選んでも大きな違いはありません。経費率も同じなので、好みや、他の保有ETFとの兼ね合いで選ぶのが良いでしょう。


まとめ:AGG・BNDへの投資判断のポイント

最後に、AGGとBNDへの投資を検討する上でのポイントをまとめます。

AGGとBNDは、低コストで手軽に米国の債券市場全体へ分散投資できる、初心者にも扱いやすいETFです。ポートフォリオの安定性を高めたり、毎月のインカム収入を得たりする目的で活用できます。ただし、金利変動による価格下落リスクや、分配金が変動する可能性は理解しておく必要があります。両ETFの特性は非常に似ているため、どちらか一方、あるいは両方を組み入れるかは、ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて判断しましょう。


AGG_BNDの投資判断で重要なポイント

AGGの投資判断で重要なポイントと総合評価:
分散投資:米国の投資適格債券市場全体に幅広く分散。国債、社債、MBSなど多様な債券を含む。
低コスト:経費率0.03%は業界最低水準。長期保有に適している。
安定性:日々の値動き(ボラティリティ)は株式に比べ低い傾向。ただし、金利上昇局面では価格下落リスクがある点に注意が必要。
インカム収益:毎月分配金が支払われる。近年の金利上昇で利回りは上昇傾向(2025/4時点で約4.1%)だが、金額は変動する。
成長性:債券ETFの特性上、大きな値上がり益(キャピタルゲイン)は期待しにくい。
リスク:最大の懸念は金利変動リスク。過去には-20%を超える下落(ドローダウン)も記録している。
適した投資家:ポートフォリオの安定性を高めたい、低コストで分散投資したい、毎月のインカム収入を重視する(ただし変動は許容できる)投資家。運用会社はiShares (BlackRock)。

BNDの投資判断で重要なポイントと総合評価:
分散投資:AGGと同様、米国の投資適格債券市場全体に幅広く分散。浮動株調整後指数に連動。
低コスト:経費率0.03%とAGGと同水準で非常に低い。
安定性:AGGと同様、ボラティリティは低いが、金利上昇による価格下落リスクを持つ。
インカム収益:毎月分配金が支払われる。利回りはAGGよりわずかに低い傾向(2025/4時点で約3.7%)だが、同様に変動する。
成長性:AGGと同様、キャピタルゲインは限定的。
リスク:AGGと同様、金利変動リスクが主要なリスク。最大ドローダウンも同程度。
適した投資家:AGGと同様の目的を持つ投資家。運用会社はVanguard。資産規模はAGGより大きい。

今回は、米国の代表的な債券ETFであるAGGとBNDについて、その特徴や違い、投資判断のポイントを詳しく解説しました。 この記事のポイントをまとめると…
* AGGとBNDは、どちらも米国の広範な債券市場に超低コスト(経費率0.03%)で分散投資できる優れたETF。
* 毎月分配金が受け取れるため、インカム収入を重視する方にも魅力的。
* 株式とは異なる値動きをする傾向があり、ポートフォリオ全体の安定性を高める効果が期待できる。
* ただし、金利が上昇すると価格が下落するリスクがあり、近年はその影響を受けている点に注意が必要。
* 大きな値上がり益(キャピタルゲイン)は期待しにくい。

AGGとBNDは非常によく似たETFです。どちらを選ぶにしても、ご自身の投資目標(安定性重視か、インカム重視かなど)やリスク許容度をしっかりと考え、ポートフォリオ全体の中でどのような役割を持たせるかを検討することが大切です。 今後の投資判断にあたっては、米国の金利動向**に注目していくと良いでしょう。
この記事が、あなたのAGG・BNDへの理解を深め、賢い投資判断を下すための一助となれば幸いです。

AGG・BNDのyoutube比較解説動画

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