みなさん、こんにちは!今回は、倉庫・物流業界の老舗企業でありながら、近年株価の乱高下で注目を集めている乾汽船(9308)について、その実態に迫りたいと思います。
この記事では、乾汽船の事業内容、過去10年間の株価動向、日経平均株価との比較、配当金の推移、そして将来のYOC予想まで、あらゆる角度から徹底的に分析します。さらに、過去に投資していた場合のシミュレーションやリスク分析など、投資判断に役立つ情報を余すことなくお伝えします。
乾汽船の真の姿を一緒に探求し、あなたの投資戦略に役立てていきましょう!
乾汽船とは?
銘柄の基本情報概要
項目 | 乾汽船 |
---|---|
銘柄名 | 乾汽船株式会社 |
銘柄コード | 9308 |
配当金利回り (12月16日株価÷過去1年の配当*100) | 1.06% (12月時点の株価、過去1年配当で計算) ※2025年3月予想配当は約8% |
配当金頻度 | 年2回 |
業界 | 海運業 |
セクター | 資本財 |
創業年 | 1904年 |
CEO | 乾 康之 |
特徴 | 外航海運業、倉庫業、不動産業 |
乾汽船株式会社は、外航海運業を主力とし、倉庫業や不動産業も展開する企業です。外航海運事業では、主にハンディサイズのバラ積み船を用いて、穀物、石炭、材木、セメントなどの資源材を輸送しています。倉庫事業は首都圏を中心に展開し、物流施設や文書保管サービスなどを提供。不動産事業では、大規模賃貸マンションの運営を行い、安定した収益基盤を築いています。
創業は1904年で、100年以上の歴史を持つ老舗企業です。長年培った経験とノウハウを活かし、グローバルな物流サービスを提供しています
過去10年の株価チャートと分析
乾汽船の株価は、過去10年間で大きな変動を見せています。
- 2015年から2020年までは、比較的安定した推移
- 2021年に急上昇し、2022年1月には2,000円台の高値を記録
- その後は下落傾向に転じ、2024年1月には約1,000円まで下落
- 直近ではやや持ち直しているものの、依然として不安定な状況
この株価の変動は、世界経済の動向や物流業界の市況、同社の業績など、様々な要因が影響していると考えられます。特に、2021年の急上昇は、コロナ禍における物流需要の増加が背景にあると推測されます。一方、その後の下落は、世界的な景気後退懸念や、物流需要の落ち着きなどが影響している可能性があります。
N225過去1年分チャートとの比較と分析
乾汽船の株価パフォーマンスは、過去1年間でN225指数との比較で大きな乖離が見られます。
- 乾汽船:48.36%の上昇
- N225:20.45%の上昇
特に、2024年12月には乾汽船が40.88%と急上昇し、N225を大きく上回っています。しかし、2024年3月から5月にかけてはN225を下回るパフォーマンスが続いており、一貫性に欠ける面も見られます。これは、乾汽船が物流業界という特定のセクターに属しているため、市場全体の動向とは異なる値動きをすることがあるためと考えられます。投資する際は、N225との比較だけでなく、乾汽船の属する業界動向や企業業績にも注目する必要があります。
乾汽船で配当金生活はできる?配当金の分析
乾汽船の過去の配当金と増配率、その分析
乾汽船の配当金は、年によって大きく変動しています。2022年には1株あたり224円の配当を実施し、前年比で2000%以上という驚異的な増配を記録しました。しかし、2023年には181円に減配、2024年にはさらに17.3円まで減配となるなど、配当政策は不安定です。
乾汽船の配当金利回りの推移
乾汽船の配当金利回りは、過去数年間で大きく変動しています。2022年には11.26%、2023年には8.76%と、市場平均を大きく上回る高水準を記録しました。しかし、2024年には1.06%まで低下しており、市場平均を下回る水準となっています。この変動は、株価の変動と配当金の増減が影響しています。
過去乾汽船に投資していた場合のYOCシミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2014年 | 1.78% |
2015年 | 1.81% |
2016年 | 1.75% |
2017年 | 2.17% |
2018年 | 2.19% |
2019年 | 1.46% |
2020年 | 1.82% |
2021年 | 0.75% |
2022年 | 0.87% |
2023年 | 1.59% |
2024年 | 1.06% |
YOC(Yield on Cost)とは、投資元本に対する配当利回りのことです。過去に乾汽船に投資していた場合、YOCは年によって大きく異なります。例えば、2017年に投資していた場合のYOCは2.17%ですが、2021年に投資していた場合は0.75%まで低下します。これは、乾汽船の配当金が年によって大きく変動するためです。過去のYOCが高いからといって、将来も高い配当収入が得られるとは限らないため、注意が必要です。
乾汽船の将来のYOC予想シミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2024年 | 1.06% |
2025年 | 1.12% |
2026年 | 1.17% |
2027年 | 1.23% |
2028年 | 1.30% |
2029年 | 1.37% |
2030年 | 1.44% |
2031年 | 1.51% |
2032年 | 1.59% |
2033年 | 1.67% |
2034年 | 1.76% |
過去の株価成長率をもとに将来のYOC予想シミュレーションを行うと、現在の株価と配当利回りが維持された場合、100万円投資すると初年度の配当金は約1.06万円となり、10年後にはYOCは約1.76%まで上昇すると予想されます。しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
乾汽船で配当金生活をするには?乾汽船の配当金受取シミュレーション
配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)
銘柄 | 株価 | 配当利回り | 月間配当目標 | 必要投資額 | 必要投資額 (課税考慮) |
必要株数 |
---|---|---|---|---|---|---|
9308.T | ¥1,695 | 1.02% | ¥10,000 | ¥11,770,833 | ¥14,771,705 | 8,715株 |
¥30,000 | ¥35,312,500 | ¥44,315,116 | 26,145株 | |||
¥50,000 | ¥58,854,167 | ¥73,858,526 | 43,575株 | |||
¥100,000 | ¥117,708,333 | ¥147,717,053 | 87,149株 |
乾汽船へ過去に投資していた場合の累積トータルリターン
期間 | リターン |
---|---|
1年 | 47.9% |
3年 | -12.8% |
5年 | 73.2% |
7年 | 173.0% |
10年 | 122.6% |
乾汽船に過去に投資していた場合の累積トータルリターンを見ると、1年リターンは47.9%と非常に高い水準です。一方、3年リターンは-12.8%とマイナスになっています。しかし、5年、7年、10年といった長期で見ると、それぞれ73.2%、173.0%、122.6%と安定したリターンを記録しています。このことから、乾汽船への投資は、長期的な視点で見れば、比較的安定したリターンが期待できると言えます。
乾汽船へ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン
期間 | リターン |
---|---|
1年 | 47.9% |
3年 | -4.5% |
5年 | 11.6% |
7年 | 15.4% |
10年 | 8.3% |
乾汽船へ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターンを見ると、1年リターンは47.9%と非常に高いパフォーマンスを示しています。一方、3年リターンは-4.5%とマイナスになっています。しかし、5年、7年といった長期で見ると、それぞれ11.6%、15.4%と市場平均を上回るリターンを記録しています。このことから、乾汽船への投資は、長期的な視点で見れば、安定した資産形成に寄与する可能性があります。ただし、短期的な株価変動リスクは存在するため、注意が必要です。
乾汽船へ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2015 | 98.3 | 1.8 | 100.1 | 100.1 |
2016 | 101.4 | 1.8 | 105.1 | 105.2 |
2017 | 81.8 | 1.2 | 86.8 | 86.4 |
2018 | 81.1 | 2.8 | 88.8 | 88.6 |
2019 | 122.0 | 0.4 | 130.2 | 133.7 |
2020 | 97.6 | 0.6 | 106.4 | 107.8 |
2021 | 237.8 | 0.9 | 247.5 | 263.0 |
2022 | 204.3 | 23.0 | 237.0 | 255.6 |
2023 | 111.4 | 18.6 | 162.7 | 182.0 |
2024 | 167.6 | 1.8 | 220.6 | 275.7 |
乾汽船へ10年前に100万円投資していた場合、2024年時点での評価額は167.6万円となり、約1.68倍に増加しています。また、配当金を再投資した場合、評価額は275.7万円となり、約2.76倍に増加しています。しかし、年によっては評価額が大きく下落することもあり、配当額も年によって大きく変動するため、安定した資産形成には注意が必要です。
乾汽船のリスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 0.22 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均より変動が小さい |
52週ボラティリティ | 37.41% | 過去1年間の価格変動の大きさ | 比較的大きい |
シャープレシオ | 1.20 | リスクあたりのリターン | 効率的にリターンを獲得 |
トータルリターン(1年) | 47.20% | 過去1年間のトータルリターン | 高いリターン |
最大ドローダウン | -71.93% | 過去最大の値下がり幅 | 非常に大きい |
乾汽船のリスクファクターを見ると、ベータ値が0.22と低く、市場全体の動きに影響されにくいことが分かります。一方、52週ボラティリティは37.41%と高く、価格変動リスクは比較的大きいと言えます。また、最大ドローダウンは-71.93%と非常に大きく、過去に大きな損失が発生したことが分かります。シャープレシオは1.20と高く、リスクに対して効率的にリターンを得ていますが、大きな損失リスクも考慮する必要があります。
乾汽船への投資戦略の提案
乾汽船への投資は、長期的な視点で検討することが重要です。過去のデータを見ると、5年以上の長期投資では安定したリターンが得られています。一方、短期的な投資では、株価変動リスクや配当金の不安定さに注意が必要です。
- 長期保有を前提とした投資: 乾汽船は、倉庫・物流事業という安定した事業基盤を有しており、長期的な成長が期待されます。
- ポートフォリオの一部として保有: リスク分散の観点から、乾汽船をポートフォリオの一部として保有することを検討できます。
- 業績や業界動向の注視: 投資判断においては、乾汽船の業績だけでなく、物流業界全体の動向にも注目する必要があります。
- 配当金は再投資: 配当金は再投資に回すことで、複利効果による資産増加が期待できます。
まとめ:乾汽船への投資判断のポイント
乾汽船は、外航海運業を主軸に、不動産事業も展開する企業です。過去の株価パフォーマンスや配当実績を見ると、長期的な視点では安定したリターンが期待できます。一方、短期的な株価変動リスクや配当金の不安定さには注意が必要です。投資判断においては、同社の事業内容や業績、業界動向などを総合的に分析し、自身の投資戦略に合致するかどうかを慎重に見極めることが重要です。また、リスク分散の観点から、ポートフォリオの一部として保有することも検討に値します。
乾汽船(9308)の投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
株価の変動リスク
→過去10年間の株価チャートを見ると、2021年から2022年にかけて急上昇した後、急落しています。直近では下落トレンドが継続しており、株価の変動が大きく、投資リスクが高いと言えます。
日経平均株価との連動性
→過去1年間のN225との比較では、2024年12月には大きく上回るパフォーマンスを示していますが、3月から5月にかけては下回るなど、一貫性に欠けます。全体的にN225との連動性は低く、独自の値動きをしているため、市場全体の動向だけでなく、乾汽船固有の要因にも注意が必要です。
配当金の不安定さ
→配当金は年によって大きく変動し、安定性に欠けます。2022年には驚異的な増配を記録しましたが、2024年は前年比で90.4%の減配となっており、今後の配当政策が不透明です。配当利回りも年によって大きく変動し、安定した配当収入を期待しにくいと言えます。
倉庫・物流事業の安定性
→倉庫事業は首都圏を中心に展開され、内国貨物や輸出入貨物に対応した物流サービスを提供しています。倉庫・物流事業は景気の影響を受けにくいディフェンシブな側面があり、この点は評価できます。
長期的な視点でのリターン
→過去1年間のトータルリターンは47.9%と非常に高いですが、3年間ではマイナスとなっています。しかし、5年、7年、10年といった長期で見ると、安定したリターンを記録しています。長期的な視点で見れば、比較的安定したリターンが期待できると言えます。
リスクファクター
→ベータ値は低いものの、52週ボラティリティが高く、最大ドローダウンも非常に大きいです。シャープレシオは高いものの、大きな損失リスクも考慮する必要があります。
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