世界的な半導体需要の高まりとともに、その名を聞く機会が増えた「東京エレクトロン」。
半導体製造装置で世界トップクラスのシェアを誇り、投資先としても注目されています。
しかし、業績は半導体市況に左右されやすく、株価の変動も大きい点が気になりますよね。
そこで今回は、東京エレクトロンの投資判断に必要な情報を、過去10年の株価推移や配当金の分析、リスク評価などを交えながらわかりやすく解説していきます。
8035.Tの魅力:5つのキーワード🔑
半導体製造装置のリーディングカンパニー
世界的な半導体需要の高まりによる成長性
グローバルな事業展開
安定配当と増配の可能性
半導体市況に左右される業績変動
8035とは?
東京エレクトロンの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | 東京エレクトロン |
銘柄コード | 8035 |
配当利回り | 1.45% |
配当頻度 | 年2回 |
業種 | 半導体製造装置 |
セクター | テクノロジー |
創業年 | 1963年 |
CEO | 河合 利樹 氏 |
東京エレクトロンは、半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造装置を開発・製造・販売するグローバル企業です。世界中の半導体メーカーに最先端の製造装置を提供しており、その技術力は世界トップクラスです。
銘柄の特徴
- 半導体製造装置で世界トップクラスのシェア
東京エレクトロンは、世界中の半導体メーカーに最先端の製造装置を提供しており、特にコーターデベロッパーやエッチング装置では高い世界シェアを誇っています。
- 安定した財務基盤
堅調な業績により、豊富なキャッシュフローを生み出しており、安定した財務基盤を築いています。
- グローバルな事業展開
日本国内だけでなく、アジア、北米、欧州など世界中に顧客を持ち、グローバルに事業を展開しています。
- 研究開発への積極的な投資
次世代の半導体製造技術の開発に積極的に投資を行っており、将来の成長に向けた取り組みを積極的に行っています。
- 半導体市況の影響を受けやすい
半導体需要の変動によって、業績が大きく影響を受ける可能性があります。
過去10年の株価推移チャートと分析
東京エレクトロンの株価は、過去10年間で大きく上昇しており、特に2020年以降の成長は目覚ましいものがあります。これは、世界的な半導体需要の高まりが大きく影響しています。
しかし、半導体市況の変動によって、株価は大きく上下する傾向があるため注意が必要です。2016年、2019年、2023年には、半導体市況の悪化により、株価が大きく下落しています。
N225過去1年分チャートとの比較と分析
東京エレクトロンの過去1年間の株価上昇率は31.37%と、日経平均の11.33%を大きく上回るパフォーマンスを記録しています。
これは、世界的な半導体需要の高まりが、東京エレクトロンの業績を大きく押し上げているためと考えられます。
しかし、半導体市況の変動によって、株価は大きく上下する傾向があるため注意が必要です。
8035の配当金の分析
過去の配当金と増配率、その分析
東京エレクトロンは、2015年以降、増配傾向が続いており、株主還元に積極的な姿勢を見せています。
特に、業績が好調な場合は、大幅な増配を実施する傾向があります。
しかし、配当金の増減が大きく、安定性に欠ける面もみられます。
また、半導体市況の影響を受けやすい事業構造であるため、業績悪化時における減配リスクも考慮する必要があります。
配当利回りの推移
東京エレクトロンの配当利回りは、株価の変動によって上下しますが、高水準で推移しています。
これは、東京エレクトロンが増配傾向にあり、株主還元に積極的な姿勢を見せているためです。
しかし、配当利回りの変動幅が大きく、安定性に欠ける点は注意が必要です。
将来のYOC予想シミュレーション
年 | 予想YOC |
---|---|
2024 | 1.45% |
2025 | 1.92% |
2026 | 2.53% |
2027 | 3.34% |
2028 | 4.41% |
2029 | 5.82% |
2030 | 7.68% |
2031 | 10.13% |
2032 | 13.38% |
2033 | 17.65% |
2034 | 23.30% |
現在の株価上昇率と配当利回りが継続した場合、10年後にはYOCが20%を超える可能性があります。
例えば、現在100万円を投資した場合、初年度の配当金は約1万4500円になります。
そして、10年後には年間23万円以上の配当金を受け取れる可能性があります。
しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の分配金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
類似銘柄との比較
銘柄名 | 銘柄コード | 過去1年のパフォーマンス | 特徴 |
---|---|---|---|
レーザーテック | 6920 | 7.16% | 半導体検査装置の設計・製造・販売を行う。 |
東京エレクトロン | 8035 | 31.37% | 半導体およびFPD製造装置の開発・販売。 |
SCREENホールディングス | 7735 | 42.17% | 半導体製造装置の開発・販売を行う。 |
優れている点
・SCREENホールディングスが最も高いパフォーマンスを示しています。
・東京エレクトロンは安定した成長を維持しています。
・レーザーテックは専門性が高く、特定のニーズに応える製品を提供。
気になる点
・レーザーテックは市場全体のパフォーマンスに比べて低めの成長。
・東京エレクトロンは競争が激しい市場でのリスクがある。
・SCREENホールディングスは株価が高騰しており、今後の調整が懸念される。
これらのデータを基にすると、SCREEN Holdingsが過去1年間で最も優れたパフォーマンスを記録しています。具体的には、42.17%の上昇を示し、企業の成長性と市場での強力なポジションを裏付けています。
他の銘柄も好調ですが、Tokyo Electronの31.37%、Lasertecの7.16%はそれに対して若干劣ります。
そのため、投資家はこれらの企業の成長性や市場での競争力を考慮しながら、投資判断を行うことが重要です。
リスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 1.25 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均よりやや高い |
52週ボラティリティ | 112.76% | 過去1年間の株価の変動幅 | ボラティリティが高い |
シャープレシオ | 0.78 | リスクに対するリターンの効率性を示す指標 | リスクに対して平均的なリターン |
トータルリターン(1年) | 29.69% | 過去1年間の株価上昇率と配当金を合わせたリターン | 高い |
最大ドローダウン | -31.71% | 過去1年間で最も大きく値下がりした割合 | ドローダウンが大きい |
PER | 34.60 | 株価収益率 | 割高 |
PBR | 7.12 | 株価純資産倍率 | 割高 |
BPS | 3,802円 | 1株当たり純資産 | - |
ROE | 21.67% | 自己資本利益率 | 高い |
東京エレクトロンは、高い収益力を誇り、効率的に利益を上げていますが、株価のボラティリティが高く、投資には注意が必要です。
また、PER、PBRともに割高な水準である点は留意が必要です。
投資戦略の提案
東京エレクトロンへの投資は、長期的な視点で、世界的な半導体需要の成長を取り込むことを目的とするのが良いでしょう。
- 積立投資: 長期的な積立投資は、価格変動リスクを軽減し、時間分散効果も期待できます。
- 分散投資: ポートフォリオの一部として保有することで、リスク分散効果が期待できます。
- 業績や市況の確認: 投資する際には、東京エレクトロンの業績や半導体市況の動向を常に確認することが重要です。
まとめと投資判断のポイント
東京エレクトロンは、世界的な半導体需要の増加を背景に、長期的な成長が期待できる企業です。
高い収益力と増配傾向も魅力的です。
8035.Tの投資判断で重要なポイント
世界的な半導体需要の成長
→ 東京エレクトロンは、世界的な半導体需要の増加の恩恵を受けられる立場にあります。
今後も需要拡大が見込まれるため、業績へのプラス材料と言えるでしょう。
半導体市況の影響を受けやすい事業構造
→ 半導体業界は、需要変動が激しいため、東京エレクトロンの業績も市況の影響を受けやすい点に注意が必要です。
市況悪化による業績悪化の可能性も考慮する必要があります。
株価のボラティリティの高さ
→ 東京エレクトロンの株価は、半導体市況に連動して大きく変動する傾向があります。
短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。
増配傾向と安定配当
→ 東京エレクトロンは、2015年以降、増配傾向が続いており、株主還元に積極的な姿勢を見せています。
ただし、配当金の増減は業績に連動するため、安定配当とまでは言えない点に留意が必要です。
割高な株価バリュエーション
→ PER、PBRともに市場平均を上回っており、割高感は否めません。
今後の成長性を慎重に見極めた上で、投資判断を行う必要があります。
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