日本を代表する重工業メーカーである川崎重工業(7012)。
造船から航空宇宙まで幅広い事業を展開する同社は、近年ではロボット技術や再生可能エネルギー分野にも進出しています。
今回は、川崎重工業の魅力とリスク、そして投資戦略について詳しく解説します。
配当利回りや将来のYOC予想、類似銘柄との比較など、投資判断に必要な情報を網羅的にご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
7012(川崎重工業)の魅力:5つのキーワード🔑
多角的な事業展開:陸海空、様々な分野で活躍
造船・海洋事業の老舗:長い歴史と実績を持つ
ロボット技術の開発:産業用ロボットで高い競争力
バイク製造の名門:Ninjaブランドで世界的に有名
日本の基幹産業を支える:社会インフラに貢献
川崎重工業とは?
川崎重工業の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | 川崎重工業 |
銘柄コード | 7012 |
配当利回り | 1.24% |
配当回数 | 年2回 |
業種 | 特殊産業機械 |
セクター | 資本財 |
創業年 | 1878年 |
CEO | 橋本康彦 |
川崎重工業は、1878年創業の長い歴史を持つ、日本の重工業を代表する企業です。造船事業からスタートし、現在では航空宇宙、エネルギー、鉄道車両、モーターサイクルなど、多岐にわたる事業を展開しています。日本の社会インフラを支える重要な役割を担っており、その技術力は世界的に高く評価されています。
銘柄の特徴
- 多角的な事業ポートフォリオ: 造船、航空宇宙、エネルギー、鉄道車両、モーターサイクルなど、幅広い分野で事業を展開しています。
- 高い技術力: 長年の歴史の中で培われた高い技術力は、世界中から評価されています。
- 安定した収益基盤: 多角的な事業展開により、安定した収益基盤を築いています。
- グローバルな事業展開: 世界各国に拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
- 社会インフラへの貢献: 日本の社会インフラを支える重要な役割を担っています。
過去10年の株価推移チャートと分析
川崎重工業の株価は、過去10年間で大きく変動しています。2015年から2022年にかけては、比較的低迷した時期が続きましたが、2023年以降は上昇トレンドに転じています。特に2023年は44.47%の上昇と大きな成長を見せています。
- 2015年~2019年:比較的安定した推移
- 2020年:コロナ禍の影響を受け、6.41%の下落
- 2021年~2022年:低迷が続く
- 2023年:大幅な上昇トレンドに転換
- 2024年:8月時点では8.67%の上昇
2023年以降の上昇は、世界的な景気回復やインフラ投資の増加などが要因と考えられます。しかし、過去の株価変動を見ると、今後も安定した成長が続くとは限らないため、注意が必要です。
日経平均株価(N225)過去1年分チャートとの比較と分析
過去1年間の株価パフォーマンスを日経平均株価と比較すると、川崎重工業のリターンは5.30%と、日経平均株価の7.10%を下回っています。
- 川崎重工業:5.30%の上昇
- 日経平均株価:7.10%の上昇
川崎重工業は、日経平均株価と比較して、株価の変動幅が大きい傾向にあります。これは、個別銘柄としてのリスクとリターンの関係を示唆しています。しかし、長期的な視点でみると、高い成長ポテンシャルを持つ企業と言えるでしょう。
川崎重工業の配当金の分析
過去の配当金と増配率、その分析
川崎重工業の配当金は、2015年から2019年にかけて減少傾向にありましたが、2021年以降は増配傾向にあります。2023年には80円と、過去最高額の配当金を記録しました。しかし、2020年は業績悪化により無配となっており、配当金の安定性には課題が残ります。
- 2015年~2019年:減配傾向
- 2020年:無配
- 2021年~2023年:増配傾向
- 2024年:減配(予想)
今後の業績動向によっては、配当金の増減が予想されるため、注意が必要です。
配当利回りの推移
川崎重工業の配当利回りは、株価の変動に伴い大きく変動しています。2024年予想の配当利回りは3.47%と、市場平均を上回っています。しかし、過去の推移を見ると、配当利回りが大きく変動する可能性があるため、注意が必要です。
将来のYOC予想シミュレーション
年 | 予想YOC |
---|---|
2024 | 1.24% |
2025 | 1.26% |
2026 | 1.29% |
2027 | 1.32% |
2028 | 1.34% |
2029 | 1.37% |
2030 | 1.40% |
2031 | 1.42% |
2032 | 1.45% |
2033 | 1.48% |
2034 | 1.51% |
現在の株価と配当利回りが継続した場合、10年後のYOCは1.51%まで上昇すると予想されています。例えば、100万円を投資した場合、初年度の配当金は約1万2400円となり、10年後には約1万5100円になる計算です。長期投資することで、YOCは徐々に上昇していくことが期待できます。しかし、YOCの増加率は緩やかであり、大きなリターンを期待するのは難しいかもしれません。
しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の分配金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
類似銘柄との比較
銘柄名 | 過去1年パフォーマンス | 特徴 |
---|---|---|
川崎重工業 (7012) | 5.30% | 航空宇宙、エネルギー、海洋エンジニアリングを手掛ける大手企業。 |
三菱重工業 (7011) | 111.23% | 重工業を中心に多様な製品を展開し、エネルギーなどのインフラ事業に強み。 |
IHI (7013) | 34.42% | エンジニアリングソリューションを提供し、航空宇宙や環境技術に注力。 |
川崎重工業は、三菱重工業やIHIと比較して、過去1年間のパフォーマンスは低いものの、多角的な事業展開による安定した収益基盤が魅力です。三菱重工業は航空宇宙・防衛事業、IHIは造船・航空宇宙・エネルギー事業に強みを持っています。投資する際には、各社の事業内容や将来性を比較検討することが重要です。
リスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 1.18 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均よりやや高いボラティリティ |
52週ボラティリティ | 141.13% | 株価の変動幅 | ボラティリティが高い |
シャープレシオ | 0.27 | リスクに対するリターンの大きさ | リスクに見合ったリターンは得られていない可能性がある |
トータルリターン(1年) | 3.54% | 1年間の株価上昇率+配当利回り | 市場平均より低い |
最大ドローダウン | -42.62% | 過去最大の株価下落率 | 大きな下落リスクがある |
PER | 25.44 | 株価収益率 | 割高感がある |
PBR | 1.02 | 株価純資産倍率 | 割安感はない |
BPS | 3786 | 1株あたり純資産 | - |
ROE | 4.36% | 自己資本利益率 | 収益性は低い |
川崎重工業は、ベータ値が1.18と市場平均よりも高く、52週ボラティリティも141.13%と高いことから、株価変動リスクが大きいと言えます。また、シャープレシオも0.27と低く、リスクに見合ったリターンを得られていない可能性があります。一方で、PBRは1倍程度であり、割安感があると判断できます。投資する際には、これらのリスクとリターンを十分に理解した上で、慎重に判断する必要があります。
投資戦略の提案
川崎重工業への投資は、長期的な視点で、日本の基幹産業を支える企業としての成長性に期待する戦略が考えられます。
- 長期保有による成長の恩恵: 川崎重工業は、多角的な事業展開と高い技術力を活かし、長期的に安定した成長が期待できる企業です。
- 配当収入: 安定した配当収入も期待できます。
- 分散投資: ポートフォリオの一部として組み入れることで、リスク分散効果が期待できます。
ただし、株価の変動リスクや配当金の安定性には注意が必要です。
まとめと投資判断のポイント
川崎重工業は、多角的な事業展開と高い技術力を持ち、日本の基幹産業を支える重要な企業です。長期的な成長ポテンシャルや配当収入の魅力がありますが、株価変動リスクや配当金の安定性には注意が必要です。
7012の投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
多角的な事業ポートフォリオ
→造船、航空宇宙、エネルギー、鉄道車両、モーターサイクルなど、幅広い分野で事業を展開しており、リスク分散効果が期待できます。
安定配当
→2021年以降増配傾向にあり、直近の配当利回りは市場平均を上回っています。
成長性
→ロボット技術や再生可能エネルギー分野への進出など、将来的な成長が期待できます。
株価変動リスク
→ベータ値が高く、株価の変動幅が大きいため、注意が必要です。
配当安定性リスク
→2020年は無配だった経緯があり、配当の安定性にはやや不安が残ります。
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