【5406】神戸製鋼所:配当金生活はできる?リスク・リターン・配当シミュレーション

【5406】 神戸製鋼所 配当金生活はできる? リスク・リターン・配当シミュレーション
ねこ

神戸製鋼所(5406)をご存知ですか?鉄鋼やアルミなどの素材メーカーで、近年は2024年の株価上昇が話題となっています。しかし、過去には無配の時期もあり、業績の変動幅が大きい点も気になりますよね。一体、神戸製鋼所は「買い」なのでしょうか?

この記事では、神戸製鋼所の魅力とリスクを徹底的に分析します。10年間の株価チャートや配当金の推移、日経平均との比較、さらには10年前に投資していた場合のシミュレーションまで、豊富なデータを用いてわかりやすく解説!

この記事を読むことで、あなたは以下のことが理解できます。
1. 神戸製鋼所の事業内容、強みと弱み
2. 株価、配当金の推移、将来性
3. 投資判断における重要ポイント
4. 投資戦略の提案
5. リスク管理の重要性

高配当利回り5.53%の魅力的な神戸製鋼所ですが、投資判断にはリスクも考慮する必要があります。この記事を参考に、あなた自身の投資判断に役立ててください。

目次

神戸製鋼所とは?

銘柄の基本情報概要

項目
銘柄名神戸製鋼所
銘柄コード5406
配当利回り5.53%
配当金頻度年2回
業種鉄鋼
セクター素材
創業年1905年
CEO勝川 四志彦
特徴鉄鋼・アルミ・銅製品などを製造する素材メーカー

神戸製鋼所は、鉄鋼、アルミ、銅などの素材を製造する総合素材メーカーです。鉄鋼製品だけでなく、アルミ・銅製品、溶接材料、建設機械、産業機械など幅広い製品を提供しています。日本国内だけでなく、米国、欧州、アジアにも事業所を展開し、グローバルに事業を展開しています。

過去10年の株価チャートと分析

神戸製鋼所の過去10年株価チャート

優れている点
2024年に入って株価が大きく上昇している

気になる点
2015年から2020年にかけて株価が下落傾向にあった
株価の変動が比較的大きい

神戸製鋼所の株価は、2015年から2020年にかけて下落傾向にありましたが、2020年以降は上昇傾向に転じています。特に2024年に入ってからは株価が大きく上昇しており、年初来で約150%の上昇となっています。
これは、世界的な景気回復やインフラ投資の拡大による鉄鋼需要の増加、アルミ・銅価格の上昇などが要因と考えられます。
しかし、資源価格の変動や世界経済の動向に左右されやすいため、株価の変動は比較的大きくなっています。

N225過去1年分チャートとの比較と分析

神戸製鋼所とN225の過去1年株価チャート比較

優れている点
2024年前半はN225をアウトパフォームしていた

気になる点
2024年後半はN225をアンダーパフォームしている

過去1年間の株価パフォーマンスを日経平均株価(N225)と比較すると、2024年前半までは神戸製鋼所はN225をアウトパフォームしていました。しかし、後半に入ると下落に転じ、N225をアンダーパフォームしています。
これは、世界経済の減速懸念や資源価格の下落などが影響していると考えられます。

神戸製鋼所で配当金生活はできる?配当金の分析

神戸製鋼所の過去の配当金と増配率、その分析

神戸製鋼所の過去の配当金と増配率

優れている点
2021年以降、増配傾向が続いている

気になる点
2016年と2020年は無配となっている
配当金の安定性には欠ける

神戸製鋼所の配当金は、業績によって大きく変動しています。2016年と2020年は無配となっていますが、2021年以降は増配傾向が続いています。
2024年の配当金は90円と、過去最高を更新しました。これは、業績の回復と株主還元への意識向上を反映しています。
しかし、過去の無配の経験からもわかるように、配当金の安定性には欠ける部分があります。

神戸製鋼所の配当金利回りの推移

神戸製鋼所の配当金利回りの推移

優れている点
現在の配当利回りは5.53%と高い

気になる点
配当利回りは安定していない。

神戸製鋼所の配当利回りは、株価の変動によって大きく変化します。
現在の配当利回りは5.53%と、市場平均を上回る高い水準となっています。
これは、2024年に入ってからの株価上昇にもかかわらず、配当金が増加しているためです。
しかし、株価が下落すれば配当利回りは上昇しますが、株価が上昇すれば配当利回りは低下します。

過去神戸製鋼所に投資していた場合のYOCシミュレーション

神戸製鋼所の過去のYOCシミュレーション
YOC
20144.31%
20156.77%
20168.06%
20178.61%
201811.78%
201915.28%
202016.33%
202115.60%
202214.02%
20234.93%
20245.53%

優れている点
2019年以前は株価が低迷していたため、当時投資していた場合は現在のYOCは高くなっている

気になる点
投資タイミングによりYOCに変化が激しい

YOC(Yield on Cost)とは、投資元本に対する配当利回りのことです。
過去に神戸製鋼所に投資していた場合、2019年より前は株価が低迷していたため、高いYOCを得ることができていました。
例えば、2020年に100万円投資していた場合、2020年にはYOCは16.33%となり、年間約16万円の配当金を受け取ることができていました。
しかし、2020年以降は株価が上昇したため、YOCは低下しています。
これらのデータから、株価の変動により投資タイミングによりYOCがが大きく変わってきた可能性があることを示しています。

神戸製鋼所の将来のYOC予想シミュレーション

神戸製鋼所の将来のYOC予想シミュレーション
YOC
20245.53%
20255.46%
20265.38%
20275.31%
20285.23%
20295.16%
20305.09%
20315.02%
20324.95%
20334.88%
20344.81%

優れている点
株価が上昇すればYOCは低下するものの、配当金は増加する

気になる点
将来のYOCはあくまで予想であり、保証されるものではない

過去10年の株価成長率をもとに将来のYOC予想シミュレーションを行ってみると、現在の株価と配当利回りが維持された場合、100万円投資すると初年度の配当金は約5.53万円となり、10年後にはYOCは約4.81%まで低下すると予想されます。
ここ10年の株価成長率がマイナスであったため、将来のYOCシミュレーションもマイナス傾向となっていますが、今後の株価動向次第でプラスになることもありえます。
しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。

神戸製鋼所で配当金生活をするには?神戸製鋼所の配当金受取シミュレーション

配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)

銘柄 株価 配当利回り 月間配当目標 必要投資額 必要投資額
(課税考慮)
必要株数
5406.T ¥1,544 5.83%¥10,000 ¥2,058,667 ¥2,583,506 1,674株
¥30,000 ¥6,176,000 ¥7,750,518 5,020株
¥50,000 ¥10,293,333 ¥12,917,529 8,367株
¥100,000 ¥20,586,667 ¥25,835,059 16,733株

過去に投資していた場合の累積トータルリターン

神戸製鋼所の過去累積トータルリターン
期間リターン
1年-3.3%
3年225.9%
5年248.6%
7年102.3%
10年11.1%

優れている点
過去3年、5年のリターンが非常に高い

気になる点
過去1年、10年のリターンは低迷している

神戸製鋼所に過去に投資していた場合、過去3年、5年では非常に高いリターンを得ることができていました。特に3年リターンは225.9%と、投資元本を3倍以上に増やすことができています。
しかし、過去1年ではマイナスリターンとなっており、過去10年のリターンも11.1%と低迷しています。
これは、神戸製鋼所の株価が資源価格や世界経済の動向に大きく左右されるため、短期的な投資では大きな損失を被る可能性があることを示しています。

過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン

神戸製鋼所の過去年率トータルリターン
期間リターン
1年-3.3%
3年48.3%
5年28.4%
7年10.6%
10年1.1%

優れている点
過去3年の年率リターンが非常に高い

気になる点
過去1年、10年の年率リターンは低迷している

神戸製鋼所に過去に投資していた場合の年率リターンは、投資期間によって大きく異なります。
過去3年という中期的な投資では高いリターンを得ることができていますが、過去1年、10年という短期・長期的な投資では低迷しています。
これは、神戸製鋼所の株価が資源価格や世界経済の動向に大きく左右されるためです。
そのため、神戸製鋼所に投資する場合は、短期的な値動きにとらわれず、長期的な視点で投資することが重要です。

10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション

神戸製鋼所に10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
評価額(万円)配当額(万円)評価額+配当累計額(万円)配当再投資評価額(万円)
201563.61.963.863.9
201653.40.053.653.7
201750.00.050.250.2
201836.61.938.739.4
201928.20.530.831.0
202026.40.028.929.0
202127.61.031.131.4
202230.72.236.437.1
202387.33.396.3106.9
202477.84.391.2101.2

優れている点
2023年に評価額が大きく増加している

気になる点
2015年から2020年にかけて評価額が減少している
配当金は安定していない

神戸製鋼所に10年前に100万円投資していた場合、2015年から2020年にかけて評価額は減少していました。しかし、2023年には評価額が大きく増加し、2024年現在では評価額は約77.8万円、配当金を含めた累計額は約91.2万円となっています。
配当金は安定しておらず、無配の年もありました。
神戸製鋼所の株価は資源価格や世界経済の動向に大きく左右されるため、今後も安定した成長を続ける保証はありません
投資する場合は、これらのリスクを理解しておく必要があります。

リスクファクター分析

神戸製鋼所のリスクファクター分析
項目説明評価
ベータ0.97市場全体の動きに対する感応度市場平均とほぼ同じ動き
52週ボラティリティ33.05%過去1年間の価格変動の大きさ変動が大きい
シャープレシオ0.07リスクあたりのリターン低い
トータルリターン(1年)-1.29%過去1年間のトータルリターンマイナスリターン
最大ドローダウン-53.12%過去最大の値下がり幅下落リスクが高い
PER7.16株価収益率割安
PBR0.74株価純資産倍率割安
BPS28541株あたり純資産-
ROE10.37%自己資本利益率高い

優れている点
PER、PBRが低く割安感がある
ROEが高く収益性が高い

気になる点
52週ボラティリティが高く、価格変動が大きい
シャープレシオが低く、リスクあたりのリターンが低い
最大ドローダウンが大きく、下落リスクが高い

神戸製鋼所は、PER、PBRが低く割安感があり、ROEも高く収益性が高い企業です。
しかし、52週ボラティリティが高く、価格変動が大きい点はリスクです。
また、シャープレシオが低く、リスクあたりのリターンが低い点も懸念材料です。
さらに、最大ドローダウンが大きく、下落リスクが高い点にも注意が必要です。

投資戦略の提案

神戸製鋼所への投資は、割安感高い収益性を期待できる一方、価格変動リスク下落リスクを考慮する必要があります。

  • 長期投資: 神戸製鋼所は、長期的な視点で業績の成長と株価の上昇を期待できる銘柄です。
  • バリュー投資: PER、PBRが低く割安感があるため、バリュー投資の対象としても考えられます。
  • リスク許容度の高い投資家向け: 価格変動リスクや下落リスクが高いため、リスク許容度の高い投資家に向いています。
  • 分散投資: ポートフォリオの一部として保有することで、リスク分散効果を期待できます。
  • 業績や業界動向の注視: 投資する際には、神戸製鋼所の業績や鉄鋼業界全体の動向を注視することが重要です。

まとめ:神戸製鋼所への投資判断のポイント

神戸製鋼所は、鉄鋼・アルミ・銅製品などを製造する総合素材メーカーです。
PER、PBRが低く割安感があり、ROEも高く収益性が高い点は魅力的です。
しかし、資源価格や世界経済の動向に業績が左右されやすく、株価の変動幅が大きい点には注意が必要です。
投資する際は、これらのリスクを十分に理解し、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。

5406の投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:

高配当利回り
 →5.53%と高い配当利回りは魅力的。ただし、業績に左右されやすく、安定性には欠ける点に注意が必要です。
割安感
 →PER、PBRともに市場平均を下回っており、割安感があります。
高い収益性
 →ROEは10%を超えており、収益性は高い水準です。
業績の変動幅の大きさ
 →資源価格や世界経済の動向に業績が左右されやすく、安定性に欠けます。
株価の変動リスク
 →52週ボラティリティが高く、株価の変動幅が大きいです。
長期的な成長性
 →世界的な脱炭素化の流れやインフラ需要の増加は、長期的な成長機会となります。

この記事では、神戸製鋼所(5406)の投資判断における重要ポイントを分析しました。高配当利回りや割安感は魅力的ですが、業績や株価の変動リスクも大きい点は認識しておく必要があります。 投資判断は、あくまでもご自身の責任で行ってください。企業の業績や業界動向、そしてご自身の投資スタイルやリスク許容度を考慮し、慎重に判断しましょう。 より深く企業分析を行うためには、財務諸表の分析や、競合他社との比較なども有効です。 今後も、投資に役立つ情報を発信していきますので、ぜひ参考にしてください。

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