全世界9800銘柄に分散投資できるETF、「VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)」をご存知ですか?
このETFは、これ一本で世界中の株式に投資できるという手軽さから、多くの投資家が投資しています。
VTの魅力は、何と言ってもその分散効果です。先進国から新興国まで、世界中のあらゆる規模の企業の株式に投資することで、特定の国や地域の経済状況に左右されにくい、安定的なポートフォリオを構築できます。
「世界経済って複雑だし、どの国に投資すればいいのかわからない…」
「個別株を選ぶのは大変だし、リスクも高い…」
そんな悩みを抱えている方にとって、VTはまさに最適な選択肢と言えるかもしれません。
この記事では、VTの基本情報から、具体的な投資判断のポイント、そして将来の展望まで、徹底的に解説します。
さあ、あなたもVTの世界へ飛び込み、グローバルな投資の世界を体験してみませんか?
VT(VT)とは?
銘柄の基本情報概要
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF |
ティッカー | VT |
運用会社 | Vanguard |
経費率 | 0.07% |
設定日 | 2008年6月26日 |
運用資産額 | 約420億ドル |
配当利回り(2024) | 1.85% |
特徴 | 世界株式への分散投資 |
VTは、バンガード社が運用する、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動することを目指すETFです。このインデックスは、先進国と新興国市場を含む全世界の株式で構成されており、時価総額加重方式で算出されます。約9,800銘柄に投資することで、高度な分散投資を実現しています。
組入銘柄比率
銘柄名 | 比率 |
---|---|
Apple Inc. | 3.83% |
NVIDIA Corp. | 3.62% |
Microsoft Corp. | 3.52% |
Amazon.com Inc. | 2.02% |
Facebook Inc. Class A | 1.45% |
Alphabet Inc. Class A | 1.18% |
Alphabet Inc. Class C | 0.98% |
Broadcom Inc. | 0.90% |
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd. | 0.88% |
Berkshire Hathaway Inc. Class B | 0.82% |
その他 | 76.88% |
Apple、NVIDIA、Microsoftといった時価総額の大きいテクノロジー企業が上位を占めています。 これらの企業は、世界経済において重要な役割を果たしており、VTのパフォーマンスにも大きな影響を与えます。しかし、特定の企業への集中投資はリスクとなる可能性もあるため、VTは9,800銘柄以上への分散投資によってリスクを軽減しています。
セクター比率
セクター名 | 比率 |
---|---|
Technology | 24.38% |
Financial Services | 15.94% |
Healthcare | 11.25% |
Industrials | 10.92% |
Consumer Cyclical | 10.34% |
Communication Services | 7.19% |
Consumer Defensive | 5.99% |
Energy | 4.23% |
Basic Materials | 4.11% |
Real Estate | 2.95% |
Utilities | 2.70% |
VTは、テクノロジーセクターの比率が最も高く、次に金融サービス、ヘルスケアと続きます。このセクター構成は、世界経済のトレンドを反映しており、特定のセクターへの依存度が高いと言えるでしょう。景気動向の変化によって、これらのセクターのパフォーマンスが大きく変動する可能性があるため、注意が必要です。
過去10年の株価チャートと分析
VTの株価は、2015年以降、全体的に上昇トレンドにあります。特に2020年以降は、世界的な金融緩和政策などを背景に、大きく上昇しました。しかし、2020年3月のコロナショックでは、一時的に大幅な下落を記録しています。これは、世界経済の不安定さを反映したものであり、VTへの投資においても市場リスクが存在することを示しています。
S&P500過去1年分チャートとの比較と分析
過去1年間のチャートを比較すると、VTとS&P500は共に上昇トレンドを描いていますが、VTのリターンはS&P500をやや下回っています。これは、米国市場の好調さが世界市場全体を上回ったことなどが要因として考えられます。ただし、VTは世界経済全体の成長を取り込むことができるため、長期的な視点で投資することが重要です。
VTで配当金生活はできる?配当金の分析
VTの過去の配当金と増配率、その分析
VTは、比較的安定的に配当金が支払われていますが、増配率は年によって大きく変動しています。2020年には、コロナショックの影響を受けて減配しています。配当金は企業の業績や世界経済の状況に左右されるため、将来の配当金支払いを保証するものではありません。
VTの配当金利回りの推移
VTの配当利回りは、過去10年間で1.5%~2.5%程度で推移しており、比較的安定していると言えるでしょう。しかし、市場金利や世界経済の状況によっては、配当利回りが変動する可能性があります。
過去VTに投資していた場合のYOCシミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2014 | 3.69% |
2015 | 3.85% |
2016 | 3.63% |
2017 | 2.99% |
2018 | 3.39% |
2019 | 2.74% |
2020 | 2.40% |
2021 | 2.06% |
2022 | 2.57% |
2023 | 2.16% |
2024 | 1.85% |
YOC(Yield on Cost)とは、投資元本に対する配当利回りのことです。
例えば2014年にVTに100万円投資していた場合、2024年時点のYOCは3.69%となり、約3.7万円を配当として受け取ることができていました。
過去VTに投資していた場合、長期投資による株価上昇の恩恵を受け、高い配当利回りとなっていたことがわかります。
VTの将来のYOC予想シミュレーション
年 | YOC(%) |
---|---|
2024 | 1.85 |
2025 | 1.98 |
2026 | 2.11 |
2027 | 2.26 |
2028 | 2.41 |
2029 | 2.58 |
2030 | 2.75 |
2031 | 2.94 |
2032 | 3.14 |
2033 | 3.36 |
2034 | 3.59 |
現在の株価上昇率・利回りが継続した場合、100万円投資すると初年度の配当金は約1.85万円となり、10年後にはYOCは約3.59%まで上昇すると予想されます。複利効果で配当金も増加していく点が魅力です。しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
VTで配当金生活をするには?VTの配当金受取シミュレーション
配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)
銘柄 | 株価 | 配当利回り | 月間配当目標 | 必要投資額 | 必要投資額 (課税考慮) |
必要株数 |
---|---|---|---|---|---|---|
VT | $123.07 (¥18,454) |
1.80% | ¥10,000 | ¥6,660,533 | ¥9,287,309 | 504株 |
¥30,000 | ¥19,981,599 | ¥27,861,928 | 1,510株 | |||
¥50,000 | ¥33,302,665 | ¥46,436,546 | 2,517株 | |||
¥100,000 | ¥66,605,331 | ¥92,873,092 | 5,033株 |
為替レート: 149.95円/ドル
世界株式まるっと投資!人気銘柄比較!
銘柄 | ティッカー/ 銘柄コード | 過去1年の パフォーマンス | 配当利回り | 経費率 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | VT | +22.11% | 1.39% | 0.07% | 世界中の大型株から小型株まで、約9,000銘柄に分散投資できるETF。米国籍。 |
MAXIS World Equity (MSCI ACWI) ETF | 2559 | +26.74% | 1.45% | 0.08% | MSCI ACWIに連動する日本籍のETF。日本を含む先進国、新興国の株式に投資。 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | JP90C000H1T1 | +29.16% | - | 0.05775% | MSCI オール・カントリー・ワールド・ インデックスに連動する日本籍の投資信託。日本を含む先進国、新興国の株式に投資。 |
それでは、これらの情報を基に、各銘柄についてもう少し詳しく見ていきましょう。
- VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
VTは、世界中の約9,000銘柄に分散投資できるETFです。
最大の魅力は経費率の低さです。
2024年11月21日時点のデータでは、過去1年間のパフォーマンスは+22.11%と好調です。
世界中の株式に手軽に分散投資したい方におすすめです。
ただし、日本円から米ドルに両替する手間やコスト、分配金への課税には注意が必要です。 - MAXIS全世界株式(2559)
MAXIS全世界株式(2559)は、MSCI ACWIに連動する日本のETFです。
日本を含む先進国、新興国の株式に投資できます。
日本の証券取引所に上場しているため、日本円でリアルタイムに取引できる点が大きなメリットです。
過去1年間のパフォーマンスは+26.74%と、VTを上回っています。これは為替による影響といえるでしょう。
VTとほぼ同じような投資対象でありながら、日本円で手軽に取引したい方におすすめです。
ただし、VTと比較すると経費率がやや高い点には注意が必要です。 - eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、MSCI オール・カントリー・ワールド・ インデックスに連動する日本の投資信託です。
こちらも日本を含む先進国、新興国の株式に投資できます。
純資産総額が非常に大きく、安定した運用が期待できる点が魅力です。
また、つみたてNISAの対象商品である点も大きなメリットと言えるでしょう。
過去1年間のパフォーマンスは+29.16%と、今回比較した3銘柄の中で最も高いパフォーマンスを記録しています。
長期的な資産形成を目指す方、特に、つみたてNISAを活用したい方におすすめです。
ただし、VTやMAXIS全世界株式(2559)と比較すると経費率がやや高い点には注意が必要です。
また、他2つの銘柄と異なり配当金を受け取ることはできません。
VTへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン
期間 | リターン |
---|---|
1年 | 25.0% |
3年 | 18.9% |
5年 | 69.8% |
7年 | 91.1% |
10年 | 141.7% |
過去10年間でVTは141.7%のリターンを達成しています。世界経済の成長を享受できることがわかります。
VTへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン
期間 | リターン |
---|---|
1年 | 25.0% |
3年 | 6.0% |
5年 | 11.2% |
7年 | 9.7% |
10年 | 9.2% |
過去10年間の平均年率リターンは9.2%と、安定した成績を残しています。
1年、3年、5年、7年、10年前、いつ投資していてもプラスリターンを達成できていたことがわかります。
VTへ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2015 | 95.8 | 2.4 | 98.2 | 98.3 |
2016 | 101.5 | 2.4 | 106.2 | 106.4 |
2017 | 123.5 | 2.6 | 130.9 | 131.8 |
2018 | 108.9 | 2.8 | 119.0 | 119.5 |
2019 | 134.7 | 3.1 | 148.0 | 150.6 |
2020 | 154.0 | 2.6 | 169.8 | 174.7 |
2021 | 178.7 | 3.3 | 197.8 | 205.9 |
2022 | 143.4 | 3.2 | 165.6 | 169.7 |
2023 | 171.1 | 3.6 | 196.9 | 206.1 |
2024 | 199.7 | 2.4 | 227.9 | 243.0 |
10年前にVTに100万円を投資していた場合、2024年には約243万円にまで成長している計算になります。配当の再投資効果も含めると、着実な資産形成が期待できます。
VTのリスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 1.02 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場とほぼ同じ動き |
52週ボラティリティ | 11.63% | 過去1年間の価格変動の大きさ | やや変動が大きい |
シャープレシオ | 1.81 | リスクあたりのリターン | 比較的良好 |
トータルリターン(1年) | 24.96% | 過去1年間のトータルリターン | 高いリターン |
最大ドローダウン | -34.23% | 過去最大の値下がり幅 | 下落リスクあり |
VTは世界経済全体に連動するため、特定の国やセクターのリスク分散効果は高いものの、世界的な景気後退時には大きな下落に見舞われる可能性があります。
VTへの投資戦略の提案
- 長期投資: VTは、世界経済の成長を享受できるため、長期的な資産形成に適しています。
- 積立投資: 定期的に一定額を積み立てることで、価格変動リスクを軽減できます。
- コア資産: VTをポートフォリオのコア資産として保有することで、安定的なリターンを期待できます。
まとめ:VTへの投資判断のポイント
VTは、低コストで世界中に分散投資できる魅力的なETFです。長期的な資産形成を目指す投資家にとって、有力な選択肢となり得ます。ただし、世界経済の動向に左右されるため、投資にあたってはリスクを理解した上で、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて判断することが重要です。
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
世界中の株式への分散投資
→ VTは、先進国から新興国まで、約9,800銘柄に分散投資することで、特定地域やセクターへのリスクを軽減します。
低コスト
→ 経費率が0.07%と非常に低く、長期投資においてコスト負担を抑えることができます。
安定した配当
→ 過去には減配した年もありましたが、比較的安定した配当金が支払われています。
テクノロジーセクターへの依存
→ 組み入れ上位にテクノロジー企業が多く、セクター比率も高い点は注意が必要です。景気変動の影響を受けやすい可能性があります。
S&P500と比較してリターンが劣後する可能性
→ 過去のデータでは、S&P500と比較してリターンが劣後する局面も見られます。米国市場が好調な場合、VTのパフォーマンスは相対的に低くなる可能性があります。
為替リスク
→ VTは海外資産に投資するため、為替レートの変動による影響を受けます。円高時にはリターンが目減りする可能性があります。
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