高配当ETFとして人気のHDVですが、その実態は?
本当に配当金生活を実現できるのでしょうか?
この記事では、HDVの基本情報から投資判断のポイント、そして将来のYOC予想シミュレーションまで、HDVに関する情報を網羅的に解説!
10年前に投資していた場合のシミュレーションやリスクファクター分析も行い、HDVの魅力とリスクを徹底的に分析していきます。
この記事を読めば、HDVへの投資判断に必要な情報が手に入り、あなた自身の投資戦略に役立てることができるでしょう。HDVで資産形成を目指せるのか、その可能性を探ってみませんか?
HDVとは?
HDVの基本情報概要
項目 | HDV |
---|---|
銘柄名 | iShares Core High Dividend ETF |
ティッカーシンボル | HDV |
運用会社 | BlackRock(iShares) |
信託報酬 | 0.08% |
ベンチマーク | Morningstar Dividend Yield Focus Index |
設定日 | 2011-03-31 |
運用資産額 | 約110億ドル |
配当利回り | 3.34% |
特徴 | 高配当 |
HDVは、BlackRockが運用する高配当ETFです。モーニングスター配当フォーカス指数に連動する運用成果を目指し、財務健全な企業のうち、予想配当利回りが高い75銘柄が組み込まれています。
HDVの組入銘柄比率
銘柄名 | 比率 |
---|---|
EXXON MOBIL CORP | 10.09% |
CHEVRON CORP | 7.11% |
JOHNSON & JOHNSON | 6.13% |
ABBVIE INC | 5.10% |
AT&T INC | 4.62% |
PHILIP MORRIS INTERNATIONAL INC | 4.55% |
CISCO SYSTEMS INC | 4.15% |
ALTRIA GROUP INC | 3.87% |
PEPSICO INC | 3.70% |
COCA-COLA | 3.62% |
HDVは、エクソンモービルやシェブロンといったエネルギーセクターの大企業を中心に、ジョンソン・エンド・ジョンソンやアッヴィなどのヘルスケアセクターの大企業にも投資しています。また、AT&Tやフィリップモリスといった通信サービスセクターや生活必需品セクターの大企業にも投資しており、高配当で安定した企業に投資していることがわかります。
HDVのセクター比率
セクター名 | 比率 |
---|---|
Energy | 24.16% |
Consumer Defensive | 22.38% |
Healthcare | 16.62% |
Utilities | 11.30% |
Communication Services | 9.62% |
Financial Services | 4.92% |
Technology | 4.13% |
Consumer Cyclical | 2.90% |
Industrials | 2.12% |
Basic Materials | 1.85% |
HDVは、エネルギーセクター (24.16%)、生活必需品セクター (22.38%)、ヘルスケアセクター (16.62%) への投資比率が高くなっています。これらのセクターは、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブセクターと呼ばれており、景気後退局面でも比較的安定したパフォーマンスが期待できます。一方、景気敏感セクターである情報技術セクターや一般消費財セクターへの投資比率は低くなっています。
エネルギーセクターは原油価格や天然ガス価格の影響を受けやすく、生活必需品セクターは消費者の支出動向に左右されます。ヘルスケアセクターは高齢化社会の進展による需要増加が見込まれる一方、規制強化などのリスクも存在します。
過去10年の株価チャートと分析
HDVの株価は、2015年以降、全体的に右肩上がりの上昇トレンドを描いています。特に2020年のコロナ禍では、一時的に下落したものの、その後は急速に回復し、底堅い値動きを見せています。
しかし、2020年や2022年には、市場全体の調整局面の影響を受けて、HDVも下落しています。これは、HDVが財務健全な企業へ投資しているとはいえ、市場リスクの影響を完全に回避できるわけではないことを示しています。
S&P500過去1年分チャートとの比較と分析
過去1年間のチャートを比較すると、HDVはS&P500よりも価格変動が小さく、安定したパフォーマンスを示しています。これは、HDVが投資対象としている高配当株企業の多くが、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブセクターに属しているためと考えられます。
一方で、HDVのリターンはS&P500よりも低くなっています。これは、高配当株は一般的に成長率が低いためです。
HDVで配当金生活はできる?配当金の分析
HDVの過去の配当金と増配率、その分析
HDVは、2015年以降、安定的に配当金を支払っています。
しかし、2016年と2021年には減配しており、配当金の安定性にはやや不安が残ります。また、増配率は高くなく、大きな配当金の増加は期待しにくいといえます。
HDVの配当金利回りの推移
HDVの配当利回りは、おおむね市場平均を上回っています。これは、HDVが投資対象としている高配当株企業の多くが、高い配当利回りを維持しているためと考えられます。
過去HDVに投資していた場合のYOCシミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2014 | 5.19% |
2015 | 5.41% |
2016 | 4.83% |
2017 | 4.40% |
2018 | 4.71% |
2019 | 4.05% |
2020 | 4.53% |
2021 | 3.93% |
2022 | 3.81% |
2023 | 3.89% |
2024 | 3.34% |
過去にHDVに投資していた場合、現在も高いYOCを得られている場合が多いです。例えば、2014年にHDVに100万円投資していた場合、2024年のYOCは5.19%となり、年間約5.2万円の配当金を受け取ることができます。
過去投資していた場合のYOCが高いことから、株価上昇の恩恵を受け、リターンが増加していたことがわかります。
HDVの将来のYOC予想シミュレーション
年 | YOC |
---|---|
2024 | 3.34% |
2025 | 3.49% |
2026 | 3.64% |
2027 | 3.79% |
2028 | 3.96% |
2029 | 4.13% |
2030 | 4.31% |
2031 | 4.50% |
2032 | 4.69% |
2033 | 4.90% |
2034 | 5.11% |
過去10年の株価成長率をもとに将来のYOC予想シミュレーションを行ってみると、現在の株価と配当利回りが維持された場合、YOCは徐々に上昇していくと予想されます。100万円投資すると初年度の配当金は約3.34万円となり、10年後にはYOCは約5.12%まで上昇すると予想されます。
しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
HDVで月10万円の配当金を受け取るには?HDVの配当金受取シミュレーション
配当金生活をするには?配当金による不労所得でFIREはできる?
毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月10万円配当を受け取るために必要な投資額)
銘柄 | 株価 | 配当利回り | 月間配当目標 | 必要投資額 | 必要投資額 (課税考慮) |
必要株数 |
---|---|---|---|---|---|---|
HDV | $118.41 (¥17,756) |
3.35% | ¥10,000 | ¥3,579,017 | ¥4,990,508 | 282株 |
¥30,000 | ¥10,737,052 | ¥14,971,523 | 844株 | |||
¥50,000 | ¥17,895,087 | ¥24,952,538 | 1,406株 | |||
¥100,000 | ¥35,790,174 | ¥49,905,076 | 2,811株 |
為替レート: 149.95円/ドル
HDVへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン
期間 | リターン |
---|---|
1年 | 25.7% |
3年 | 36.7% |
5年 | 50.9% |
7年 | 79.3% |
HDVに過去に投資していた場合、長期投資することで高いリターンを得られた可能性があります。例えば、7年前 (2017年) に投資していた場合は、約79.3%のリターンを得られています。
しかし、リーマンショックやコロナ禍など、市場の変動によってリターンが大きく減少するリスクもあります。
HDVへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン
期間 | リターン |
---|---|
1年 | 25.7% |
3年 | 11.0% |
5年 | 8.6% |
7年 | 8.7% |
HDVに過去に投資していた場合、長期投資することで、安定した年率リターンを得られた可能性があります。例えば、7年間 (2017年以降) 投資していた場合は、年率約8.7%のリターンを得られています。
HDVへ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|
2015 | 95.9 | 3.8 | 99.7 | 99.8 |
2016 | 107.5 | 3.5 | 114.8 | 115.1 |
2017 | 117.8 | 3.9 | 128.9 | 129.9 |
2018 | 110.2 | 4.0 | 125.4 | 126.4 |
2019 | 128.1 | 4.2 | 147.5 | 151.1 |
2020 | 114.5 | 4.7 | 138.6 | 141.2 |
2021 | 131.9 | 4.6 | 160.6 | 167.5 |
2022 | 136.2 | 4.9 | 169.7 | 178.9 |
2023 | 133.3 | 5.1 | 171.8 | 181.9 |
2024 | 155.1 | 3.9 | 197.6 | 216.3 |
HDVに10年前に100万円投資していた場合、2024年には約216.3万円に増加している計算になります。これは、良好なパフォーマンスといえます。
また、配当金も毎年受け取ることができ、配当金による収入も期待できます。
しかし、リーマンショックやコロナ禍など、市場の変動によって資産が減少するリスクは常に存在します。
HDVのリスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ | 0.66 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均より変動が小さい |
52週ボラティリティ | 9.68% | 過去1年間の価格変動の大きさ | 比較的安定している |
シャープレシオ | 2.23 | リスクあたりのリターン | 効率的にリターンを獲得 |
トータルリターン(1年) | 25.90% | 過去1年間のトータルリターン | 高いリターン |
最大ドローダウン | -37.04% | 過去最大の値下がり幅 | 下落リスクは中程度 |
HDVは、ベータが0.66と1を下回っており、市場平均より価格変動が小さいETFです。また、シャープレシオが2.23と高く、効率的にリターンを獲得できると考えられます。
しかし、最大ドローダウンは-37.04%と大きく、下落リスクは無視できません。
HDVへの投資戦略の提案
HDVは、高配当と安定性を求める投資家におすすめのETFです。以下のような投資戦略が考えられます。
- 長期投資: HDVは、高配当を目的とした長期投資に適しています。配当金を再投資することで、複利効果によって資産を大きく増やすことが期待できます。
- ポートフォリオの一部としての保有: HDVをポートフォリオの一部として保有することで、リスク分散効果を期待できます。特に、株式市場全体のリスクヘッジとして、HDVのような低ボラティリティなETFを保有することは有効です。
- 積立投資: HDVは、毎月一定額を積み立てていく積立投資にも適しています。ドルコスト平均法の効果によって、価格変動リスクを抑制しながら、長期的に安定したリターンを追求できます。
まとめ:HDVへの投資判断のポイント
HDVは、高配当と安定性を求める投資家にとって魅力的なETFです。しかし、投資する際には以下のポイントを考慮する必要があります。
- 高配当ではあるものの、成長性は低い: HDVは高配当ですが、成長性は市場平均を下回っています。そのため、キャピタルゲインを重視する投資家には不向きです。
- 市場リスクの影響を受ける: HDVは市場平均よりボラティリティが低いとはいえ、市場リスクの影響を完全に回避できるわけではありません。市場全体が下落する局面では、HDVも下落する可能性があります。
- 為替リスクの影響を受ける: HDVは米国籍のETFであるため、円安になると円ベースでのリターンが減少します。
HDVの投資判断で重要なポイントと評価
総合評価:
高配当利回り:
→3.34%と市場平均を上回る高い配当利回り。安定した配当収入を求める投資家に最適。
安定性:
→ベータ値0.66で市場平均より低いボラティリティ。安定した投資を行える可能性が高い。
成長性:
→高配当株中心のため、市場平均を下回る成長性。キャピタルゲイン重視の投資家には不向き。
リスク:
→市場全体の下落局面ではHDVも下落する可能性あり。最大ドローダウンは-37.04%と下落リスクも考慮が必要であり、為替リスクも存在。
長期投資への適正:
→配当再投資による複利効果で長期的な資産形成に期待できる。
ポートフォリオ分散効果:
→75銘柄で構成されており、株式ポートフォリオの一部として保有することでリスク分散が行える。
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