【BLV・VGLT・VCLT】バンガード毎月配当長期債券米国ETF!リスク・リターン徹底比較!

BLV/VGLT/VCLT バンガードの毎月配当 長期債券米国ETF リスク・リターン徹底比較!
ねこ

近年、株式市場のボラティリティの高まりから、安定的な投資先として債券ETFに注目が集まっています。
中でも、長期債券ETFは高い利回りが期待できるとして人気ですが、リスクやリターンはどうなっているのでしょうか?

この記事では、バンガード社の長期債券ETFであるBLV、VGLT、VCLTを徹底比較し、その投資判断で重要なポイントをわかりやすく解説します。
過去10年のチャート分析や配当利回り、リスクファクターなどを比較することで、それぞれのETFの特徴やメリット・デメリットを明らかにします。
さらに、10年前に投資していた場合のシミュレーションや将来予想も紹介しますので、長期的な資産形成を考えている方は必見です!

この記事を読むことで、あなたに最適な長期債券ETFを見つけるための知識と判断材料が得られます。ぜひ最後まで読んで、投資戦略に役立ててください。

目次

BLV・VGLT・VCLTとは?

BLV・VGLT・VCLTの基本情報

項目バンガード長期債券ETFバンガード米国長期政府債券ETFバンガード長期社債ETF
ティッカーBLVVGLTVCLT
運用会社VanguardVanguardVanguard
経費率0.04%0.04%0.04%
設定日2007/4/102010/1/42009/11/23
運用資産額約60億ドル約130億ドル約150億ドル
配当利回り4.43%4.02%4.90%
特徴米国債・社債・国際債券米国長期国債米国長期社債

BLV、VGLT、VCLTは、いずれもバンガードが運用する長期債券に投資するETFです。BLVは米国債、投資適格社債、投資適格国際ドル建て債券に投資し、VGLTは米国長期国債に、VCLTは米国長期社債に投資します。いずれも経費率は0.04%と低コストで、償還期間が10年超の債券に投資を行います。

BLV・VGLT・VCLTの過去10年の株価チャートと分析

BLV・VGLT・VCLTの過去10年の株価チャート

優れている点
2020年までは比較的安定したリターン
長期金利の変動に連動した値動き

気になる点
2021年以降は下落傾向
金利上昇局面では価格が下落するリスク

銘柄2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年
BLV4.16%-4.50%-1.86%3.29%-3.71%10.62%19.82%10.92%-19.53%-22.04%
VGLT6.23%2.44%0.12%4.59%1.86%13.85%29.81%18.38%-15.03%-22.10%
VCLT3.01%-7.09%-1.00%4.88%-5.36%12.43%21.99%15.25%-15.34%-14.07%

BLV、VGLT、VCLTの過去10年のチャートを見ると、2020年までは比較的安定した推移を見せていましたが、2021年以降は下落傾向にあります。これは、長期金利の上昇が影響しています。債券価格は金利と逆相関の関係にあるため、金利が上昇すると債券価格は下落します。特に、VGLTは米国長期国債に投資しているため、金利上昇の影響を大きく受けています。
つまり、株式と比較してディフェンシブであるはずの長期債券ETFといえども、金利上昇局面では価格が下落するリスクがあるということを認識しておきましょう。

BLV・VGLT・VCLTのS&P500過去1年分チャートとの比較と分析

BLV・VGLT・VCLTのS&P500過去1年分チャートとの比較

優れている点
S&P500と比較して、価格変動リスクが低い

気になる点
S&P500と比較して、リターンが低い

銘柄リターン
BLV1.21%
VGLT0.64%
VCLT1.66%
S&P50024.85%

過去1年間のチャートを比較すると、BLV、VGLT、VCLTはいずれもS&P500を大きくアンダーパフォームしています。これは、2024年は金利上昇局面であったため、債券価格が下落したことが原因です。一方、S&P500は株式市場全体の上昇により、高いリターンを達成しています。
しかし、金利下落時のリターンは株式を凌駕する可能性があり、株式との特性の違いを理解することや、投資タイミングなども大切であることがわかります。

BLV・VGLT・VCLTの配当金の分析

BLV・VGLT・VCLTの過去の配当金と増配率、その分析

BLV・VGLT・VCLTの過去の配当金と増配率

優れている点
どのETFも少なくない配当額を出し続けている

気になる点
-

銘柄2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年
BLV3.793.713.463.563.586.403.473.023.032.66
VGLT2.391.981.992.032.052.061.631.752.051.97
VCLT3.943.873.843.883.863.513.253.363.743.20

BLV、VGLT、VCLTの配当金は、年によって配当額に多少のばらつきがある点が気になります。これは、長期金利の変動が影響していると考えられます。とはいえ、ある程度安定した配当額を出し続けているのは評価できます。

BLV・VGLT・VCLTの配当金利回りの推移

BLV・VGLT・VCLTの配当金利回りの推移

優れている点
どのETFもある程度高い配当利回り

気になる点
配当利回り安定していない傾向

BLV、VGLT、VCLTの配当利回りは比較的高い配当利回りが継続している傾向にあります。
配当利回りはVCLTがもっとも高く、続いてBLV、VGLTの順になります。
どのETFも2~5%の配当を続けているのは嬉しいポイントですね。

過去BLV・VGLT・VCLTに投資していた場合のYOCシミュレーション

過去BLV・VGLT・VCLTに投資していた場合のYOCシミュレーション
銘柄2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年
BLV3.37%3.67%3.57%3.35%3.64%3.17%2.90%3.09%4.39%4.27%4.43%
VGLT3.01%3.13%3.17%3.00%3.13%2.81%2.44%2.61%3.79%3.80%4.02%
VCLT4.15%4.56%4.29%4.01%4.50%3.78%3.45%3.62%5.07%4.79%4.90%

優れている点
どの時点で投資していても、約2.5%以上のYOCとなっている

気になる点
過去投資した場合のほうがYOCが低い傾向(現在の株価が低い)

過去のYOCを見ると、BLV、VGLT、VCLTいずれも現在投資して場合のほうが高いYOCが得られています。これは、現在の株価が過去と比較して低いためです。例えば、2014年にBLVに100万円投資していた場合、2024年11月時点でのYOCは3.37%になります。つまり、投資元本100万円に対して、年間3.37万円の配当金を受け取ることができる計算になります。
現在は金利上昇による株価低下の影響で過去投資していた場合のYOCは現在投資を開始した場合より低いですが、今後の金利下落局面ではまた異なる結果となる可能性があります。

BLV・VGLT・VCLTの将来のYOC予想シミュレーション

BLV・VGLT・VCLTの将来のYOC予想シミュレーション
銘柄2024年2025年2026年2027年2028年2029年2030年2031年2032年2033年2034年
BLV4.43%4.33%4.22%4.12%4.03%3.93%3.84%3.75%3.66%3.58%3.49%
VGLT4.02%3.93%3.83%3.74%3.66%3.57%3.49%3.40%3.32%3.25%3.17%
VCLT4.90%4.83%4.76%4.70%4.63%4.57%4.50%4.44%4.38%4.32%4.25%

優れている点
-

気になる点
現在の金利環境ではYOCは緩やかに低下していく見込み

将来のYOC予想を見ると、BLV、VGLT、VCLTいずれも緩やかに低下していく見込みです。例えば、現在100万円をVCLTに投資した場合、初年度の配当金は約4.9万円と予想されます。10年後には、配当金は約4.25万円に減少すると予想されます。
ただし、これは、現在FRBの利上げによる金利環境変化により、直近の債権価格が下落していることが原因のため、利下げが進んだ後では結果は異なる可能性があります。
上記シミュレーションはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。

配当金生活をするには?BLV・VGLT・VCLTの配当受取シミュレーション

配当金生活をするには?毎月の配当受取目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月◯万円配当を受け取るために必要な投資額)

銘柄 株価 配当利回り 月間配当目標 必要投資額 必要投資額
(課税考慮)
必要株数
BLV $72.84
(¥10,922)
4.41%¥10,000 ¥2,722,651 ¥3,796,409 348株
¥30,000 ¥8,167,954 ¥11,389,226 1,043株
¥50,000 ¥13,613,257 ¥18,982,043 1,738株
¥100,000 ¥27,226,514 ¥37,964,086 3,476株
VGLT $59.23
(¥8,882)
3.70%¥10,000 ¥3,247,259 ¥4,527,910 510株
¥30,000 ¥9,741,776 ¥13,583,731 1,530株
¥50,000 ¥16,236,294 ¥22,639,551 2,550株
¥100,000 ¥32,472,588 ¥45,279,103 5,099株
VCLT $79.19
(¥11,875)
4.45%¥10,000 ¥2,695,295 ¥3,758,263 317株
¥30,000 ¥8,085,884 ¥11,274,788 950株
¥50,000 ¥13,476,473 ¥18,791,314 1,583株
¥100,000 ¥26,952,946 ¥37,582,628 3,165株

為替レート: 149.95円/ドル

BLV・VGLT・VCLTへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン

BLV・VGLT・VCLTへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン

優れている点
VCLTは10年間で3倍以上に成長

気になる点
VGLTは10年間でリターンが低い
金利上昇局面ではリターンがマイナスになる可能性

銘柄1年3年5年7年10年
BLV13.1%-23.3%-10.0%2.3%18.9%
VGLT10.3%-29.8%-19.7%-9.5%3.4%
VCLT16.0%-17.6%-2.9%10.7%31.5%

過去に投資していた場合の累積リターンを見ると、VCLTは10年間で30%以上のリターンをえられていたことがわかります。一方、VGLTは10年間でリターンが低く金利上昇局面ではリターンがマイナスになっています。BLVはVCLTとVGLTの中間的なリターンとなっています。

BLV・VGLT・VCLTへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン

BLV・VGLT・VCLTへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン

優れている点
VCLTは10年間で年率2.8%のリターン

気になる点
VGLTは10年間で年率0.3%と低いリターン
近年は年率リターンがマイナス

銘柄1年3年5年7年10年
BLV13.1%-8.4%-2.1%0.3%1.7%
VGLT10.3%-11.1%-4.3%-1.4%0.3%
VCLT16.0%-6.3%-0.6%1.5%2.8%

過去に投資していた場合の年率リターンを見ると、VCLTは10年間で年率2.8%のリターンを達成しています。一方、VGLTは10年間で年率0.3%と低いリターンとなっています。BLVはVCLTとVGLTの中間的なリターンとなっています。
ただし、あくまで現在の金利環境の影響を受けたリターンとなっているため、
現在は金利上昇環境のためリターンはあまり大きくなく、場合によってはマイナスリターンもありますが、
今後金利下落局面ではリターンは上昇する可能性があることは認識しておきましょう。

BLV・VGLT・VCLTへ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション

BLV・VGLT・VCLTへ10年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
銘柄評価額(万円)配当額(万円)評価額+配当累計額(万円)配当再投資評価額(万円)
BLV2015年92.14.096.196.1
2016年94.53.9102.5102.6
2017年100.93.7112.5113.1
2018年92.83.8108.2107.9
2019年106.43.8125.6127.5
2020年116.36.8142.3146.1
2021年109.23.7138.8140.9
2022年76.83.2109.7102.3
2023年79.13.2115.2108.6
2024年76.12.8115.0107.3
VGLT2015年95.93.199.099.0
2016年94.82.5100.4100.3
2017年100.32.6108.5108.8
2018年96.12.6106.8106.8
2019年107.12.6120.5121.7
2020年123.32.6139.3142.7
2021年115.02.1133.1135.2
2022年79.22.299.695.4
2023年79.12.6102.297.9
2024年74.72.5100.395.0
VCLT2015年91.14.395.395.3
2016年96.74.2105.1105.4
2017年103.64.2116.2117.1
2018年92.24.2109.0108.4
2019年109.74.2130.7133.1
2020年120.23.8145.0149.7
2021年114.53.5142.8146.2
2022年81.93.6113.9108.2
2023年86.74.1122.7118.6
2024年84.83.5124.2119.4

優れている点
どのETFも配当額+評価額は投資元本より増加している

気になる点
金利上昇局面では評価額が大きく減少

10年前に100万円を投資した場合のシミュレーションを見ると、VCLTは10年間で評価額+配当累計額が124.2万円に増加していることがわかります。一方、VGLTは10年間で評価額+配当累計額が100.3万円とVCLTと比較すると低いパフォーマンスです。BLVはVCLTとVGLTの中間的な結果となっています。
あくまで過去の環境の傾向ですが、過去10年ではVCLTが最も高いリターンを上げています。

BLV・VGLT・VCLTのリスクファクター分析

BLV・VGLT・VCLTのリスクファクター分析
項目説明評価
ベータBLV: 2.02
VGLT: 2.01
VCLT: 2.07
市場全体の動きに対する感応度VCLTが一番感応度が高い
52週ボラティリティBLV: 12.19%
VGLT: 13.82%
VCLT: 11.18%
過去1年間の価格変動の大きさ比較的高いリスク
シャープレシオBLV: 0.66
VGLT: 0.37
VCLT: 0.96
リスクあたりのリターンVCLTが最も効率的
トータルリターン(1年)BLV: 9.66%
VGLT: 6.39%
VCLT: 12.79%
過去1年間のリターンVCLTが最も高い
最大ドローダウンBLV: -38.29%
VGLT: -46.18%
VCLT: -34.30%
過去最大の値下がり幅VGLTが最も大きい

優れている点
VCLTはシャープレシオが比較的高く、リスクあたりのリターンが高い傾向
どのETFもトータルリターン(1年)はプラス

気になる点
どのETFも株価下落時の下落幅は大きい

全ETFに共通して、債権ETFとはいえ決してリスクは低いとはいえません。
金利上昇時には大きく下落する可能性があり、株価上昇もインデックス投資に比較すると見劣りします。
金利下落局面でか株価が下がったときに購入を検討したり、分散投資の観点でポートフォリオの一部として保有することが大事といえるでしょう。
数値から見た場合はVCLTのリスクが一番低く、VGLTが高いように見えますが、信用リスクという観点では国債に投資するVGLTのほうが信用リスクが低く、社債に投資するVCLTのほうが信用リスクが高いといえます。
 金利リスク … VGLT > BLV > VCLT
 信用リスク … VCLT > BLV > VGLT
色々な観点でリスクをとらえ、分析することが大切です。

BLV・VGLT・VCLTへの投資戦略の提案

長期債券ETFであるBLV、VGLT、VCLTへの投資は、金利低下局面での値上がり益や安定的な利子収入を期待する投資家に適しています。
  • 安全性重視の投資家: VGLTは米国債のみで構成されているため、比較的安全性の高い投資先として考えられます。
  • 利回り重視の投資家: VCLTは社債に投資しているため、VGLTよりも高い利回りが期待できます。
  • バランス重視の投資家: BLVは国債、社債、国際債券など幅広く投資しているため、バランスの取れたポートフォリオを構築したい投資家に適しています。

まとめ:BLV・VGLT・VCLTへの投資判断のポイント

BLV、VGLT、VCLTは、いずれも長期債券に投資するETFであり、安定的な利子収入と金利低下局面での値上がり益を期待できます。しかし、金利上昇局面では価格が下落するリスクがあるため、投資タイミングには注意が必要です。また、VGLTは米国債に、VCLTは社債に特化して投資しているのに対し、BLVは両方を組み入れているため、リスクとリターンのバランスが異なります。投資家は自身の投資目標やリスク許容度に応じて、適切なETFを選択する必要があります。長期的な視点で投資を行い、市場環境の変化に柔軟に対応することが重要です。

BLVの投資判断で重要なポイントと総合評価:
評価内容:BLVは米国債、社債、多彩な債権に分散投資しており、リスクを抑えながら安定的なリターンを目指したい場合や、VCLT・VGLTの特徴をどちらも取り入れたい投資家に適しています。

VGLTの投資判断で重要なポイントと総合評価:
評価内容:VGLTは米国政府が発行する長期国債に投資し、安全性が高い一方で、配当利回りは他と比較して低い傾向があります。リターンは比較的低めですが、安全性を最優先する投資家に適しています。

VCLTの投資判断で重要なポイントと総合評価:
評価内容:VCLTは主に企業が発行する長期社債に投資し、高い利回りが期待できます。ただし、企業の信用リスクや金利上昇時の価格下落リスクも伴います。過去のリターンは高めですが、リスクも相応に高いです。

この記事では、バンガード社の長期債券ETFであるBLV、VGLT、VCLTについて、その特徴や投資判断のポイントを詳しく解説しました。それぞれ異なる投資対象やリスク・リターン特性を持っているため、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて適切なETFを選ぶことが重要です。金利動向や市場環境によって価格変動リスクがあることは理解しておく必要があります。より深い分析や個別銘柄の情報収集、専門家への相談など、投資判断は慎重に行いましょう。今後の市場動向や経済指標にも注目し、長期的な視点で資産形成に取り組むことが重要です。この記事が、あなたの投資判断の一助となれば幸いです。

BLV・VGLT・VCLTのyoutube解説動画

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