高配当投資信託として人気の楽天SCHD※楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)、設定開始から40日で残高500億円を突破して話題になっています。
高配当ETFとして人気のETFにSPYDがありますが
「楽天SCHDとSPYDって何が違うの?」
「どっちに投資すればいいか分からない…」
と悩んでしまう方もいるのではないでしょうか?
この記事では、楽天SCHDの投資先であるSCHDの過去データをもとに、SPYDとの比較や特徴、利回り、リスク、投資戦略などを徹底的に比較分析し、あなたに最適な投資判断ができるよう分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、あなたは以下のメリットを得られます。
・SCHDとSPYDの違いを理解
・各ETFの利回りやリスクを把握
・具体的な投資戦略を学ぶ
データに基づいた客観的な情報と、初心者にも分かりやすい解説で、あなたの投資ライフを応援します!さあ、一緒に高配当ETFの世界を探求しましょう!
楽天SCHD・SPYDとは?
楽天SCHD・SPYDの基本情報
項目 | SCHD | SPYD | 楽天SCHD |
---|---|---|---|
運用会社 | シュワブ | SPDR | 楽天投信投資顧問 |
設定日 | 2011年10月20日 | 2015年10月22日 | 2024年9月26日 |
運用資産額 | 613.2億ドル | 67.2億ドル | 500億円 ※販売開始40日で達成! |
経費率 | 0.06% | 0.07% | 0.132% (実質負担管理費用約0.192%) |
配当利回り | 約3.5% | 約4% | SCHDと同様 |
組入銘柄数 | 約100銘柄 | 約80銘柄 | SCHDと同様 |
ベンチマーク | ダウ・ジョーンズUSディヴィデンド100インデックス | S&P500高配当利回り指数 | SCHDと同様 |
特徴 | 配当成長重視 | 高配当重視 | SCHDと同様 |
SCHDは、Charles Schwab社が運用する高配当ETFです。ダウ・ジョーンズUSディヴィデンド100インデックスに連動する投資成果を目指し、高配当かつ財務健全性の高い米国企業100銘柄に投資しています。少なくとも10年連続で配当支払実績のある企業が選定されています。
SPYDはステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが運用するETFです。
S&P500高配当利回り指数は、S&P500指数構成銘柄のうち、配当利回りの高い上位80銘柄で構成されています。
楽天SCHD(楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型))は楽天投資投資顧問が運用する、SCHDへの投資を行う投資信託となっており、性質はSCHDが参考になります。
組入銘柄比率
銘柄名 | SCHD比率 | 銘柄名 | SPYD比率 |
---|---|---|---|
HOME DEPOT INC | 4.33% | KELLANOVA | 1.65% |
VERIZON COMMUNICATIONS INC | 4.27% | BXP INC | 1.51% |
CISCO SYSTEMS INC | 4.21% | KENVUE INC | 1.46% |
BLACKROCK INC | 4.20% | WILLIAMS COS INC | 1.44% |
PFIZER INC | 4.05% | VENTAS INC | 1.42% |
その他 | 40.38% | その他 | 78.79% |
SCHDは上位銘柄への集中投資度が高く、トップ10銘柄で約40%を占めています。例えば、ホームセンター大手のHOME DEPOTや通信大手のVERIZONなど、米国を代表する優良企業に大きく投資しています。一方、SPYDは分散投資型で、個別銘柄への依存度が低い構成となっています。食品大手のKELLANOVAや不動産投資信託のBXPなど、高配当利回りの銘柄を幅広く組み入れています。
セクター比率
セクター | SCHD | SPYD |
---|---|---|
金融 | 18.99% | 16.03% |
ヘルスケア | 15.49% | 8.33% |
生活必需品 | 13.67% | 10.59% |
エネルギー | 12.04% | 4.84% |
工業 | 11.91% | 2.61% |
消費裁量 | 11.03% | 6.16% |
情報技術 | 10.46% | 1.59% |
通信 | 4.74% | 3.88% |
素材 | 1.65% | 3.56% |
公益事業 | 0.03% | 17.90% |
不動産 | 0.00% | 24.49% |
SCHDは金融、ヘルスケア、生活必需品セクターを重視しており、景気変動に強いポートフォリオを構築しています。これらのセクターは、景気後退局面でも業績が比較的安定している傾向があります。一方、SPYDは不動産、公益事業セクターへの投資比率が高く、安定的な配当収入を重視しています。これらのセクターは、金利上昇局面では不利になる可能性があります。
過去9年の株価チャートと分析
銘柄 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SCHD | -2.00% | 12.57% | 31.92% | 20.74% | 49.27% | 62.53% | 107.71% | 93.91% | 117.04% |
SPYD | -4.48% | 15.73% | 23.70% | 11.42% | 28.87% | 6.65% | 39.53% | 30.65% | 48.78% |
SCHDは2011年の設定以来、右肩上がりの成長を続けています。特に、2020年以降はコロナ禍からの回復も力強く、高い成長率を記録しています。SPYDも高配当を維持しながら、堅調に成長しています。しかし、2022年には金利上昇の影響を受け、大きな下落に見舞われました。市場全体が下落する局面では、両ETFとも値下がりするリスクがあることに注意が必要です。
S&P500過去1年分チャートとの比較と分析
銘柄 | リターン(直近1年) |
---|---|
SCHD | 21.36% |
SPYD | 31.59% |
S&P500 | 33.46% |
SCHD、SPYDともに、過去1年間でS&P500をアンダーパフォームしています。しかし、SPYDはS&P500と近しいターンを達成しています。しかし、S&P500の上昇率が高い局面では、両ETFのパフォーマンスが劣後する可能性があることに留意が必要です。
SCHDとSPYDの配当金の分析
SCHDとSPYDの過去の配当金と増配率、その分析
銘柄 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SCHD | 0.40 | 0.44 | 0.48 | 0.57 | 0.68 | 0.75 | 0.85 | 0.89 | 0.73 |
SPYD | 1.51 | 1.74 | 1.62 | 1.75 | 1.63 | 1.55 | 1.98 | 1.83 | 1.32 |
SCHDは8年間連続増配を達成しており、配当成長に期待できます。これは、SCHDが増配を重視する企業を選定基準としていることによるものです。一方、SPYDの配当金は、年によって増減があります。これは、SPYDが高配当利回りを重視するあまり、必ずしも増配を続ける企業ばかりではないためです。しかし、SPYDは高い配当水準を維持しており、インカムゲインを重視する投資家にとっては魅力的な選択肢となります。
SCHDとSPYDの配当金利回りの推移
SCHDとSPYDは、ともに市場平均を上回る配当利回りを提供しています。特に、SPYDは4%を超える高い配当利回りを実現しています。これは、SPYDが高配当利回りを重視した銘柄選定を行っているためです。しかし、配当利回りは株価の変動によって変化することに注意が必要です。株価が上昇すると配当利回りは低下し、株価が下落すると配当利回りは上昇します。
過去SCHDとSPYDを購入していた場合のYOCシミュレーション
銘柄 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024(予想) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SCHD | 7.61% | 6.73% | 5.73% | 6.24% | 5.06% | 4.57% | 3.63% | 3.88% | 3.85% | 3.45% |
SPYD | 6.33% | 5.31% | 4.94% | 5.43% | 4.69% | 5.62% | 4.40% | 4.68% | 4.72% | 4.06% |
例えば、2015年末にSCHDに投資していた場合、株価上昇により2024年には投資元本に対する配当利回りが7%以上となっていたことがわかります。 一方、SPYDに投資していた場合は、配当利回りが6%以上となっていました。どちらも株価上昇により、長期的な投資により高いYOCとなっていたことがわかります。
現在の配当利回りはSPYDのほうが高いですが、過去投資していた場合はSCHDのほうが高い配当利回りを得られていたことになります。SCHDとSPYDの将来のYOC予想シミュレーション
銘柄 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年 | 2028年 | 2029年 | 2030年 | 2031年 | 2032年 | 2033年 | 2034年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SCHD | 3.47% | 3.78% | 4.12% | 4.49% | 4.90% | 5.34% | 5.82% | 6.34% | 6.91% | 7.53% | 8.20% |
SPYD | 4.09% | 4.28% | 4.47% | 4.67% | 4.88% | 5.11% | 5.34% | 5.58% | 5.83% | 6.09% | 6.36% |
例えば、SCHDに100万円投資した場合、初年度の配当金は約3.47万円になります。そして、10年後にはYOCが8.20%に達し、年間約8.2万円の配当金を受け取れる可能性があります。一方、SPYDに100万円投資した場合、初年度の配当金は約4.09万円と、SCHDよりも高くなります。しかし、10年後でもYOCは6.36%にとどまり、年間約6.36万円の配当金となります。SCHDは配当金の増加により、長期的に見た場合のYOCはSPYDを上回る可能性があります。しかし、これはあくまで過去の成長率が継続した場合のシミュレーションであり、将来の配当金の支払いや成長を保証するものではないため注意が必要です。
配当金生活をするには?SCHDとSPYDの配当受取シミュレーション
毎月の配当目標と必要な投資額のシミュレーション ※日次更新
(毎月◯万円配当を受け取るために必要な投資額)
銘柄 | 株価 | 配当利回り | 月間配当目標 | 必要投資額 | 必要投資額 (課税考慮) |
必要株数 |
---|---|---|---|---|---|---|
SCHD | $28.82 (¥4,322) |
3.39% | ¥10,000 | ¥3,538,729 | ¥4,934,331 | 1,142株 |
¥30,000 | ¥10,616,187 | ¥14,802,992 | 3,426株 | |||
¥50,000 | ¥17,693,646 | ¥24,671,653 | 5,709株 | |||
¥100,000 | ¥35,387,292 | ¥49,343,305 | 11,418株 | |||
SPYD | $45.98 (¥6,895) |
4.03% | ¥10,000 | ¥2,981,004 | ¥4,156,650 | 603株 |
¥30,000 | ¥8,943,012 | ¥12,469,951 | 1,809株 | |||
¥50,000 | ¥14,905,020 | ¥20,783,251 | 3,015株 | |||
¥100,000 | ¥29,810,040 | ¥41,566,502 | 6,029株 |
為替レート: 149.95円/ドル
SCHDとSPYDへ過去に投資していた場合の累積トータルリターン
期間 | SCHD | SPYD |
---|---|---|
1年 | 25.3% | 33.8% |
3年 | 19.0% | 23.4% |
5年 | 78.4% | 44.7% |
7年 | 119.4% | 71.3% |
SCHDとSPYDへ過去に投資していた場合の年率(CAGR)トータルリターン
期間 | SCHD | SPYD |
---|---|---|
1年 | 25.3% | 33.8% |
3年 | 6.0% | 7.3% |
5年 | 12.3% | 7.7% |
7年 | 11.9% | 8.0% |
SCHDとSPYDに過去に投資していた場合の年率リターンを比較すると、SCHDは長期的に高いリターンを提供しているのに対し、SPYDは安定しているものの長期になるほどトータルリターンがSCHDより低い傾向であることがわかります。
SCHDとSPYDへ9年前に100万円投資していた場合のシミュレーション
銘柄 | 年 | 評価額(万円) | 配当額(万円) | 評価額+配当累計額(万円) | 配当再投資評価額(万円) |
---|---|---|---|---|---|
SCHD | 2016年 | 98.0 | 3.1 | 101.1 | 101.1 |
2017年 | 112.6 | 3.4 | 119.0 | 119.5 | |
2018年 | 131.9 | 3.7 | 142.1 | 143.7 | |
2019年 | 120.7 | 4.4 | 135.3 | 136.0 | |
2020年 | 149.3 | 5.2 | 169.1 | 173.3 | |
2021年 | 162.5 | 5.8 | 188.1 | 194.5 | |
2022年 | 207.7 | 6.6 | 239.9 | 255.1 | |
2023年 | 193.9 | 6.8 | 232.9 | 245.0 | |
2024年 | 217.0 | 5.6 | 261.6 | 279.8 | |
SPYD | 2016年 | 95.5 | 5.0 | 100.5 | 100.5 |
2017年 | 115.7 | 5.7 | 126.4 | 127.5 | |
2018年 | 123.7 | 5.3 | 139.7 | 141.6 | |
2019年 | 111.4 | 5.7 | 133.2 | 133.3 | |
2020年 | 128.9 | 5.4 | 156.0 | 159.5 | |
2021年 | 106.6 | 5.1 | 138.9 | 137.1 | |
2022年 | 139.5 | 6.5 | 178.3 | 185.9 | |
2023年 | 130.6 | 6.0 | 175.4 | 180.1 | |
2024年 | 148.8 | 4.3 | 197.9 | 209.4 |
SCHDは、着実な成長により、9年間で資産を約2.8倍に増加させています。配当金を再投資した場合、さらに高いリターンを得ることが可能です。SPYDは、高配当により、多くの配当金を受け取ることができます。しかし、2021年には大きな下落を経験しており、リスクも考慮する必要があります。
SCHDとSPYDのリスクファクター分析
項目 | 値 | 説明 | 評価 |
---|---|---|---|
ベータ(SCHD) | 0.77 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均より低い |
52週ボラティリティ(SCHD) | 11.52% | 株価の変動幅 | 比較的低い |
シャープレシオ(SCHD) | 2.08 | リスクあたりのリターン | 高い |
トータルリターン(1年)(SCHD) | 28.60% | 1年間のトータルリターン | 高い |
最大ドローダウン(SCHD) | -33.35% | 最大の下落率 | 比較的低い |
ベータ(SPYD) | 0.84 | 市場全体の動きに対する感応度 | 市場平均より低い |
52週ボラティリティ(SPYD) | 14.18% | 株価の変動幅 | 比較的高い |
シャープレシオ(SPYD) | 2.33 | リスクあたりのリターン | 高い |
トータルリターン(1年)(SPYD) | 40.37% | 1年間のトータルリターン | 高い |
最大ドローダウン(SPYD) | -46.42% | 最大の下落率 | 比較的高い |
SCHDとSPYDは、ともにベータが1未満であり、市場平均よりもリスクが低いとされています。また、シャープレシオが高いことから、リスクあたりのリターンが高いことも分かります。しかし、SPYDはボラティリティと最大ドローダウンがSCHDよりも高く、リスクが高い側面もあります。市場全体が大きく下落する局面では、両ETFとも大きな損失を被る可能性があることに注意が必要です。
楽天SCHDとSPYDへの投資戦略の提案
・SCHD:
長期投資…配当成長を重視しており、長期的な資産形成に適しています。
配当再投資…配当金を再投資することで、複利効果により資産を効率的に増やすことができます。
コア資産…ポートフォリオのコア資産として、安定したリターンと配当収入を得るために活用できます。
・SPYD:
高配当…高い配当収入を重視する投資家に適しています。
インカムゲイン…配当金を生活費の補填などに活用したい場合にも有効です。
サテライト資産…ポートフォリオのサテライト資産として、高配当によるリターンを狙うことができます。
まとめ:楽天SCHDとSPYDへの投資判断のポイント
SCHDとSPYDは、ともに魅力的な高配当ETFです。配当成長を重視するならSCHD、高配当利回りを重視するならSPYDを選ぶと良いでしょう。投資目標やリスク許容度に応じて、最適なETFを選択することが重要です。
楽天SCHD・SPYDの投資判断で重要なポイント
SCHDの投資判断で重要なポイントと総合評価:
配当利回り:約3.5%とSPYDより低いが、市場平均は上回る。
安定性:配当実績と財務健全性を重視した銘柄選定で、比較的安定している。
成長性:増配を続ける優良企業への投資により、高い成長が期待できる。
リスク:市場リスクや金利リスクはあるものの、ボラティリティは低め。
適した投資家:配当成長と安定的な資産増加を目指す長期投資家。
SPYDの投資判断で重要なポイントと総合評価:
配当利回り:約4%以上と高水準。
安定性:高配当利回り重視のため、株価変動リスクはやや高め。
成長性:高配当銘柄への投資だが、成長性はSCHDより低い。
リスク:市場リスクや金利リスクに加え、株価変動リスクも考慮する必要がある。
適した投資家:高配当を重視し、ある程度のリスク許容度がある投資家。
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